僕は尺八を当てる位置を調整するときにはこんな風に考えています。

尺八を当てる位置を微調整する

尺八を当てる位置のポイントについて何度もかいてきました。
僕が気をつけていることは、

・下唇と顎で蓋をすること

・顎アタリに惑わされないこと

・リコーダーのブロック構造をイメージすること

簡単にいうとそんなところですね。

さて、今回は微調整の仕方に関してです。

僕自身、周りの環境やその日の自分の体調によって当てる位置は微妙に変化します。

そんなとき当てる位置を微調整して、気持ちよく吹ける状態を探します。
探すときには、息が程よい抵抗をともなって、すべての息が爽快に音に変わる状態、を優先します。

どのように動かすかというと2つの要素でうごかします。

まず一つは、仮にスライドと名前をつけますw

こちらは、唇に対してかな?顔に対してかな?平行にスライドさせるように動かします。
唇からでる息が歌口にめがけてちょうどよく当たっているかを探します。
(また多少のピッチの調整にもなります。)

訂正:2018.2.19 スライドのイメージ画像変更しました!
下唇がタッチしている感覚が抜けないように意識しながら、息の出る部分と、歌口の部分の位置を探ります。
距離ではなく、息の出る場所と歌口が最適な位置で出会っているか、です。

 

リコーダーをイメージすると、こんな感じの動きです。


(※わかりやすくするために、リコーダーの本体部分に色をつけました。白い部分は空間です。)

もう一つは、仮にロールと名前を、・・・回転の方がわかりやすいですね。
回転とします。

下唇を支点として回転する動きです。
唇と歌口の距離を調整します。
出る息の量に対して適切な距離をとれば良い音になります。

歌口と唇の距離(回転することにより効果を出したい部分)と支点の位置が近いので微調整がしやすいです。

少ない息だと近い距離、沢山の息だと離れた距離、息の量に合わせて最適な空間、隙間があります。
(ピッチが変化します。平行に移動する方法で調整します。)

このとき、回転することにより、下唇とくっつく意識が薄れてしまい、顎アタリ優先のくっつき方にならないように気をつけていないと大変なことになります。

あくまでも、支点となる部分は下唇です。
これは忘れてはいけません。

リコーダーのブロックをイメージした場合、この動きはこんなことになります。


このようにして見ると、回転する動きというのは、蓋をするという状況が壊れやすく、歌口と唇が離れてしまい効率が落ちやすい、ということにも気がつくかもしれません。
とても繊細で微妙な動きです。
ご自分の出している音をよく聞きながら、探るようにして、微調整してください。

 

回転の動きに関しては、あまりオススメしない動き、があります。
顎アタリを支点とした動きがこれです。

オススメしない理由として、蓋をするという実感が弱くなること、音の出やすい状態が崩れてしまうこと、動作がおおきくなりすぎることなどがあげられます。
歌口と唇の距離が、ちょっとの動きなのに大きく変化します。
効果を出したい場所と支点が遠いので、ちょっとした動きなのに大きな変化が起きてしまいます。
ご自分で感じている変化以上に距離が離れてしまったり、くっつけていたい下唇が尺八からはなれてしまい蓋をする状況が崩れてしまいます。

 

メリ、カリの動作と尺八の当て方

さてさて(゚ー゚*)

尺八は、メリ、や、カリ、という動作がとても大事です。
下唇を支点としてメリ、カリを行うと、蓋をするという動作を実感しやすいので、音程への効果は大きくでます。
音の出やすい状態が崩れないように意識することで、出しにくいと言われる、メリ音も出やすくなります。

メリ、カリは少ない動きで大丈夫です。
音程が下がりきらないときは、指の方を先に工夫してください。
メリカリで音の出やすい状態を保つことが身につけば、より深い動作ができるようになります。
初歩の段階でメリカリでのみ音程を合わせようとしすぎないように注意してください。

僕は今現在、ここまで話してきた当て方を基本として、この状態から変化しています。
どうやって尺八を当てているか、この基礎を抑えながらどんなふうに変化しているかというのは、もう少し先でご紹介します。

次回は乙音、甲音の出し方に関する僕の考えを紹介したいと思います。

 

ではごきげんよう。

 

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