まあ、わざとかすれた音で吹き続けるのは、今の僕にとっては、逆に難しいことかも知れないので、そうとは言えない気もしますが。
別に僕はそこを目指している訳ではないので、僕だったら、かすれた音の人には「さあ、一緒に練習しましょう!」と言います。
しっかり鳴らせている、普通に音ででていれば、音がかすれるという状態は少ないです。
効率悪く、良い状態で吹けなければ、かすれた音、音にならない音で、なんとか頑張って吹いているって人も多くいらっしゃいます。
さて、十数年前のことです。
ピアノと尺八で頻繁にライブをしていたときに、タイトルのようなことを言われました。
「尺八ってかすれた音を出す方が難しいんですね!」
って。
僕は一瞬わけがわかりませんでした。
どちらかというと、かすれた音にならないように努力してきたつもリだし、一体この人は何をいっているんだろうと。
ムライキのことかと、一瞬思いましたが、どうやらそうでもないみたいです。
「うちのおじいちゃんも尺八やっていて、何十年もやってて師範なんだけど、かすれた音で吹いてるからー」
って。
今から十数年前ですから、当時の僕は20代です。
20代の若造がきれいな音色で演奏している。
↓
うちのおじいちゃんは何十年もやっている。
↓
しかも師範だ。この20代の若造より上手いはず。
↓
で、おじいちゃんは、かすれた音で吹いている。
↓
きれいな音で吹くのは簡単で、かすれた音で吹くのは難しい。
という考えに至ったそうです。
いろいろ説明するのに苦労しました。
年配の方が上手いってわけではない、というと語弊がありますが、
僕は僕より年上の方にも尺八のレッスンをさせていただいていること、
若くても、年をとっても始められるのが尺八だということ、
尺八も他の楽器と同じで、きれいな音を出すこと、さらにいろいろな音色を出すことを目的としていること。
かすれた音だけで演奏されている場合は、そういう曲、そういう楽器、もしくは下手、ということ
をお話した記憶があります。
しかもその方はご自分でもピアノをやっていらっしゃるそうです。
音楽をやっているのに・・・。
尺八の上手い下手の基準が不明確な世の中になっているんだな。と僕は思いました。
僕の個人的感覚ですが、日本は同調圧力の影響が大きいとおもっております。
不明確になっているものに、好き、嫌い、を言うのはとても怖いです。
尺八という楽器のスタンダードの提示、ジャンルによるスタンダードの提示をほんのりとさせてゆく必要があるとおもいます。
まずは尺八ってこんな感じなんですよ。
ってたくさんのひとに、聴いてもらいたいと思います。
そして、いろんな人の、いろんな音、があふれていって。
これが好き、これがかっこいい、の声が出やすくなるといいなと思います。
ではごきげんよう。
ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
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