叩かれるのを恐れて我慢していたら、今度は自分が次世代を叩く側になってしまう。

インターネットが普及して、ざっくり20年くらいですかね。

誰もが世界に向けて発信できる時代の始まり。
ここ数年では、Webサイトの制作も簡単になり、ブログ、様々なSNSで本当に誰もが簡単に発信できる時代になってきました。

 

僕が尺八で生きていこうと決めた17,8年前ですかね、自分のホームページを作るとき、ちょっと迷いました。

なにをか。。。。

尺八演奏家とか尺八奏者、と名乗ることです。

 

ホームページのタイトルに「尺八奏者 鯨岡徹」とつけるかどうかを悩みました。

当時のインターネットの世界には、いわゆるトッププロのWebサイトはほとんどなく、また若い同世代の尺八奏者のWebサイトも当然無かったのです。

そんな中、よくわかんねぇ、地方在住で時々上京してちょろちょろやっている僕が「尺八奏者」と名乗ってWebサイトを開設していいものか。。。

「おまえは誰だ!」
「生意気なやつだな!」
「簡単に尺八奏者と名乗るな!」
「あん!プロか???なんなんだ?プロ気取りか!?」
という風に叩かれるんじゃないかと思っていました。

出る杭を打つ、いや、出ようとするやいなや打つ、みたいな。

世間で評価され始める若手を叩いたり、
古典をやっていないからダメだと訳のわからん理由を持ち出したり、
一番くそなのが、初心者の人の音源を見つけて上から目線でボコボコに言うとか。
自分の趣味と合わない音楽や演奏をボロボロにに全否定するとか。

当時のインターネット、サブカルでアングラで、そんなイメージだったです。
今でもそう言う部分もあるかも知れませんが、当時は、リテラシーも低くて、匿名性があるイメージも強く、攻撃的な面が強い印象なんです。

 

ただ違うだけのことを、正しい、間違ってる、で議論。

にわかを叩くマニア。

 

まあ、今もあるかと思いますが、その言葉がぴったりとしか言えない感じでした。
もちろん、実際にWebサイトでなくても現実的に、Webサイトでそう名乗ることで、実社会でも同じように揶揄されることもありました。

 

それでも当時から、インターネットは今後重要性が大きくなると思っていたので、なんとかしなければと思っていた僕がつけた僕のWebサイト名はこれです。

 

「尺八 鯨岡徹」

 

なんだこれ。

って感じる人も多いかと思いますが、僕はそれぐらい、怖かったし身の程をどう捉えるか考えていました。
名刺にも、「尺八 鯨岡徹」って書いてました。

プロとして生きる覚悟を持っていたのに、当時の僕は、尺八奏者とか尺八演奏家、と名乗ることにとてもビクビクしていたのです。

 

それから徐々に、いろんなプロのWebサイトができてきました。
同世代の尺八奏者のWebサイトもできてきました。

僕がいつから、「尺八奏者」と名乗るようになった時期は覚えていませんが、薫風之音の活動をがっつりとし始めた10年くらい前だと思います。
(今でもサイトは尺八・鯨岡徹ですね(笑。)

多少周りも僕のことをプロとして思ってくれるようになり、すこし落ち着いてきました。

それでも。ローカルミュージシャンとして活動する中でやはり、「プロ気取り」「地方に逃げてる」「下手くそなのに」「たいしたことないのに」という声は聞こえてきます。

 

叩かれないようにと思っていても、関係なく叩くやつは叩くんだなと。
これは、もう僕の問題はないんだと、おもって、考え方を変えました。

うらやましいのかな?自分ができなかったから悔しいのかな?

と、しょうがないなぁーと思うように考えを変えました。

 

きっと、僕を叩く人は行儀良く、真面目にやっていらっしゃったんだと思います。
自分の番が来ることを、列に並んで待っていたんだと思います。
その行列の先を信じて、支えて、ほんとうに偉いです。

そうしたら、その行列とは関係ないところで、先にいっているようにみえる人がいたら腹も立ちますよ。

叩かれないように我慢していたから、行列に並ばないやつを叩きたくもなるだろうし。

でも、その行列に並ぶと決めたのは、誰だ。
行列の先になにがあるか、ちゃんと見てますか?

僕は、その行列に並ばない。と決めただけなんです。
そちらの世界の外で活動しようと決めた。

まあ、そこまで炎上したり、ひどい目に遭ったりするほどではないので、僕は一体に何におびえていたのかわかりませんが、もしかすると同じように心配しているひともいるかも知れません。
気にしなくていいんです。叩かれて、話題になるくらいの方がラッキーだと思えます。

僕だって、くっっそおーーーとか、なんだこいつーーーとか、むかつくーーーとか思う時期もありました。
でもそんなんもうどうでも良くなりました

のびのびと活動して、活躍して、いいも、悪いも、たくさんの人々に判断を委ねられるようになればいいと思っています。

叩く側の思考回路にならないように、自由に、のびのびと、いろいろなことをやっていこうとおもいます。

僕よりも若い世代の活動は本当に応援したい。(自分もまだまだ勢力的にがんばるけども!!)
人前でどんどん演奏したらいい(ただし、責任もってしっかり準備して、先生に相談することをわすれないで)。
動画もたくさんアップロードしてゆけばいい!

僕も人間だから好き嫌いもあるけど(笑。
お酒飲んだら毒々しい本音もでるし(爆。

ただ、そこには、もっと発展的で、和楽器がいろいろな呪いから解き放たれるようにとの願いがあります。

最近の実感として、もうそろそろそんなのは終わりになるかなとも思えてきてます。

 

僕の基本的な考え方ですが、

和楽器は、学者のためのものでもないし(アカデミズム)
演奏家のためのものでもなく(芸術至上主義)
大衆のもの(エンターテイメント)

聴いて楽しむ、演奏して楽しむ大衆の元に
和楽器と音楽が受け入れられるように活動しています。

もちろん、違う人もいて当然。
別に議論しようとはしません。

なんとなく、ぼんやりと、悩んでいる人が考えるきっかけになったらいいなと思います。

なので、平成最後の大晦日のブログはこんな内容でした。

 

来年も、たくさんの人に、尺八って世界一かっこよくて、世界一楽しい楽器だっておもってもらえるように頑張ります。

 

今年、一年ブログにお付き合いただきありがとうございました。
ワンポイントアドバイスを期待されている方には、僕の世迷い言のような記事も増えてご迷惑をおかけしております。
また、来年も楽しく尺八を吹きましょう!

では、良いお年をお迎えください。

 

ではごきげんよう。


ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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