本日のタイトル、この結論を端的に言うと
動作の拠点が確立した上に、「脳の余白」が生まれたから。
これです。
これだけで、そうかなるほど、となっていただけたら最高なのですが、おそらく多くの方は「?」となると思います。
出来ている人にはもう関係ない話だし、できない人にとっては、そんな風に思えない話です。
さて行きましょう。
一連の動作に「唇座」という言葉のゴール地点ができあがる
尺八と下唇をくっつけて、という説明。
極力短く書きましたが、もっと書くと、
「尺八の、ここ、この部分は顎と唇でピタッとふさぎます。」
これも、文字だけだとなにも伝わらないので、この文章の「ここ」っていっている場所を「天面」て名づけもしました。
(※顎あたりという名称があるから、それを使って楽器の当て方を説明すると地獄の入り口です。)
「ふさぐと、ここに小さな穴が出来るんですね。この舌面のえぐれているところと、下唇で」
これも、「ここ」があるんだけど、この舌面のえぐれているところこれを「虚」としました。
「下唇とこの舌面のえぐれているところでできた小さな穴が、尺八の音の出る穴です。」
これも、音の出る穴を「息だまり」としました。
もう尺八が吹ける人は問題ないと思います。
初心者のかた、音が出るかどうか一か八かの方、は、「?」となっているかもしれません。
でもね、これ別に「?」になっても仕方ないと思います。
文章での長い説明により、脳の「ワーキングメモリ(一時的な記憶容量)」がパンクしている状態なのです。
それを回避するための、新しい名称、なのです。
かなり、独自の名称、新名称にこだわるのは、かなり大真面目な狙いがあるのです。
パソコンと同じで、脳も「重くなる」
人間の脳が一度に処理できる情報の数には限りがあります。
「下唇でふさぐ?」「下唇とえぐれている場所で穴を作る?」「その穴が音の出る穴?」
……これらをバラバラに意識させると、脳のメモリはいきなり100%になり、フリーズしてしまいます。
(※吹けば音が出る、吹いたら音が出ると思っている前提ならなおさらです。何を言っているのかわかりません。)
そこで登場するのが「パッキング(荷造り)」という技術です。
そのパッキングして出来上がった言葉は動作が引き出される「トリガーワード」になります。
パソコンの「電源ボタン」のように吹く
例えば、僕たちが「パソコンを起動する」というとき、内部では「電源供給を開始して、BIOSを読み込んで、OSを展開して……」という膨大なプロセスが走っています。
でも、僕たちはそれを意識しません。
ただ「電源ボタンを押す」という一つのパッケージとして理解しています。
ボタン(パッキングされた言葉)を押せば、(トリガーとなって)自動的に処理されてパソコンは起動します。
僕が作った「唇座」という言葉も、これと同じ役割を果たす「トリガーワード」になります。
「唇座」という一言の中にあ、以下のプロセスがすべてパッキングされています。
・天面を唇で塞ぐ
下唇と楽器との接触点を定める
・虚を意識する
下唇が楽器と触れていない箇所の前に音の出る穴
・息だまりが完成する
音が必ず出る安定した「拠点」を意識する
これら複雑なプロセスをすべて「唇座」という一つの箱に詰め込まれています。
唇座、という言葉で複雑なプロセスが起動するわけです。
違うスタート地点からのメソッドがあっていい
一度この「箱」が自分の中に完成してしまえば、次からは「唇座を作ってください」という一言だけで、複雑なシステムが自動的に、かつ一瞬で起動するようになります。
何を練習するかというと、この「箱の完成」なのです。
これが学習におけるひとつの楔になります。
脳のメモリを「当て方」の説明に使い切らなくて済むから、その分、音色や感覚に集中する「余白」が生まれる。
これが学びやすさと成長速度に決定的な差を生むのです。
「そんなことしなくても、今までのメソッドで十分だ」という意見もあるでしょう。
でも、そのやり方で数百年続けた結果が「尺八は音を出すのが難しい」という評判であり、愛好家の減少です。
そろそろ、違うスタート地点から爆誕したメソッドが、一つや二つあってもいいじゃないですか。
ではごきげんよう。
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