「長い説明」というバラバラの荷物を、「唇座」という一つの箱にまとめる。
これが、僕の提唱する「名付けの技術」です。
尺八の学びにおいての明確なステップにもなります。
唇に当てるだけ、の動作が、音を出す穴を作る超重要な動作なのです。
唇座を作るという超重要な楔をうてるように、この段階まで、丁寧にみなおす、丁寧にまなぶ、練習することが求められます。
音を出す前の練習です。
これ、難しそうですけど、意味なさそうって考えそうですが、ここもスタート地点の変更です。
音が出るかどうかを練習するくらいならば、
かならず、音が出る構造を作る練習をした方がいいですよね、
というのが僕の考えです。
音を出す練習をしているのと、音が出る構造を作る練習をするのかです。
脳に生まれた「余白」が、上達を加速させる
「言葉(箱)」にパッキングすることの最大のメリットは、脳のメモリに「余白」が生まれることです。
そのことによって、次の動作が入ってくる余地が生まれます。
しかも、その手前の段階を壊さずに、正しい状態のまま、つぎに進めるのです。
バラバラの指示でメモリを使い切っていたときには気づけなかった「微細な変化」に、生徒さん自身が気づけるようになります。
フリーズしていた脳がスムーズに動き出し、新しい情報を受け入れる余裕ができるのです。
知識という名の「ショートカットキー」と「サーチ能力」
「名前なんて覚えなくていいから、とにかく吹け」という指導は、一見近道に見えて、実は生徒の脳を常にフル稼働させる、極めて効率の悪い方法です。
独自の名称をつけることは、混乱させるためではなく、むしろ混乱から救い出すための「ショートカットキー」作ることなのです。
「唇座」というスイッチを押した瞬間に、体が必要なモードに切り替わる。
その快感を知ったとき、尺八の上達スピードは劇的に変わります。
そこまでできる、という楔にもなります。
唇座だけではありません、いろいろな要素、いろいろな言葉たちを、パッキングして一つの荷物にまとめます。
「楔にする」というとカッコいいですよね。
何かトラブルがあったときに、どの「楔」に問題があるのかをサーチします。
そして、つぎは「楔の中身」を取り出して見直します。
問題点の修正が圧倒的に早くなります。
長い文章での理解だと、不調の際には「全部がダメなように感じてしまう」とパニックになります。
あいまいな理解だとなおさらです。
自分がどうやってこの状態まで来たかがわからないと、再現できないのです。
成長のパンくずを、メンタルモデルに変える
パンくずをまきながら、成長していく。
ある程度のまとまりをつくって楔とする。
パッキングが上手く行っていたら、それは感覚の正解のメンタルモデルにもなりえます。
この感覚、上手くできている感覚、とともにパッキングすること。
これによって、直感的にズレを修正できる。
もちろん、直感的に再現できるのです。
もしあなたが、今「やることが多すぎて頭が回らない」と感じているなら、それは知識が足りないのではなく、知識の「パッキング」ができていないだけかもしれません。
究極のパッキングが「尺八を吹く」ですよね。
この言葉で、どんな動作が引き起こされるでしょうか。
この違いが上級者と初心者で確実にあります。
同じものが想起されているわけないですよね。
だから、違うんです。
尺八を吹く、と分解して言語化して、細かく細かく分析していくと、長い文章になります。
そして、その文章をわかりやすく再構築する作業が必要になります。
名付けはまさにその作業なのです。
だから、尺八を吹ける人、できる人にはどうでもいいこと、なのです。
でも、これから学習する人、悩んでいる人にとっては、細かな楔となるチェックポイントの存在はとても役に立つのです。
では、ごきげんよう。
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