みんなはジュニア邦楽で青春してるかい!!新潟市ジュニア邦楽合奏団第23回定期演奏会終了!

7月29日、思い返せば「肉の日」だったんだな。
お肉大好きの僕がすっかり肉の日ということも忘れてしまうほどの熱い一日、新潟市ジュニア邦楽合奏団の第23回定期演奏会が無事に終了いたしました。

新潟市ジュニア邦楽合奏団は新潟市芸術文化振興財団が主宰する全国で見ても希有なジュニアのための和楽器合奏団です。

あ、ブログでジュニア邦楽の話題を書くときには必ず説明もつくので、もうご存じのかたも多いかもしれませんが、なんどでも書きますw
どうぞ、お付き合いください……。

しかもメンバーはこの合奏団(合奏教室)にはいって初めて箏・三味線・尺八を手にした子どもばかり。
各教室の講師の指導によりしっかりと育成されて、初級、中級、上級と着実に力をつけて、和楽器合奏に取り組んでゆくのです。
入団する際に、初心者で大丈夫かしら、という心配もまったくありません。
みんな、まったくのゼロから初めてコツコツと練習してりっぱな団員に成長してゆきます。
音楽の技術だけでなく、感じること、考えること、仲間を思いやること、活動を通じていろいろな成長をしています。
講師として傍らで子どもたちの成長をみているととてもうれしくなります。
(和楽器に興味があって、新潟市に住んでいらっしゃるなら、ぜひ入団をおすすめいたします。)

と、説明はここくらいにして。

 

当日の演奏は……。

それぞれの合奏クラスによる演奏、なかなか満足のゆくものだったと思います。
自分たちが練習してきたことをしっかりと音にして、表現をしてくれました。頼もしい!!
本当によかったです。
本番中に成長して急激にうまくなったんじゃないかとおもう団員もいるくらいでした。

集中した、気持ちの乗った演奏、アイコンタクトをしてほしいときにしっかりとこちらを見てくれていること、目の片隅に入っているであろう指揮の指示に対応していること、全力で演奏していること、合奏団として音を作ってくれたこと、一丸となって演奏してくれたこと、挙げたらきりがありませんが、去年と比べても大きな成長がそこにありました。

本当によい演奏でした。
みんなよく頑張ってくれました。

毎年、そう思います。
毎年、ジュニア邦楽合奏団史上最高の演奏をしてくれます。
常に伸び続けてくれています。
かっけーな、みんな。

 

ただ、毎年とても心配しますw
たくさんの方に聴いてもらいたいというブログを書いた翌日の前日リハーサルでの気の抜けた演奏。

僕の考えとして、大事なことは、できること、練習してきたことをしっかりとやる。ということだと思っています。

できないことはできなくていいんです。

できないことを急にやれと、僕はいいません。
できることをしっかりとやる、その連続の中で、グンと力がのびて、できなかったことが急にできるようになると僕は考えています。

レベルにあった内容の目的をもち、それをしっかりと達成することで、次の目標がはっきりと見えてきます。

定期演奏会をむかえるまでに、パートでの練習もあり、オーディションもあり、合宿もあり。
そんななかで、一緒に作ってきた音楽を演奏する、その結果をしっかりと出すことを僕は大切にします。
本番では練習でやってきたこと以上のものができるわけありません。
だからこそ、練習でやってきた成果をしっかりと発揮することが大事なのです。

前日のリハーサルでは、かなり強い言葉で団員を注意しました。

「手を抜かない!100パーセントで演奏しなさい!集中して、なんとなく時間を過ごさない!」

舞台でのリハーサルは普段と違うので、気持ちも散漫になります。
うれしくてテンションも上がります。

そんな状態で過ごしたリハーサル、演奏に意味はありません。
ただ時間が過ぎただけです。

さらに、本番だとお客様もはいります。
ご家族、友達、気になるあの子も見に来ます。
手なんか振ってきますw
そんなときのうれしい気持、キョロキョロ、ふわふわした気持ちをもう一度集中しなおせなければ、一年に一回の演奏会でただ時間が過ぎただけになります。

それではいけません。
この定期演奏会で卒団する団員もいます。
このメンバーで演奏できるのは最後です。
一人一人の団員にとっても一生に一回しかない大切な舞台なのです。

一回一回の合奏で、舞台での合奏で、急にうまくなることもあります。
そのチャンスを逃さないでほしいとも思っています。

スイッチの入っていない前日のリハーサル。
当日がとても心配でした。

すんごい、心配でした。
いろいろ悩み考えました。
問題点はわかっているので解決するためには、どんな言葉をかけてあげたらいいのか、どんな言葉が最適なのか、口の悪い僕だとかえって逆効果になる可能性もあるのでないか……、とーーーっても悩みました。

 

で、当日のこの演奏。

 

当日のリハーサル後、それなりにいい状態だったので、僕自身はあまり言葉にせずに楽屋に戻りましたが、団長、副団長をはじめ、高校生の団員が中心となって気持ちを作り、事務局のみなさんの適切なアドバイスで舞台の上での取り組み方が、1つにまとまりました。

そのおかげで最高の状態になって、本番に臨めたのだと確信します。

楽屋にも舞台の上で話をしている声が聞こえてきましたが、正直涙がでそうでした。

舞台裏でも、各教室の講師の先生方のサポートや、卒団生のお手伝い、保護者のみなさんのご協力もたくさんあって、団員たちは安心して舞台での演奏に集中できています。

団員はなんとも思っていないかもしれませんし、なかなか気がつきにくいことですので、こういった裏方のみなさんの力に感謝できるとまた大きな成長になります。
なので卒団したら、どんどん手伝いに来てほしいです。
保護者のみなさんだって、客席で聴きたいでしょうから、卒団生ができることはなるべくやってゆけるようになってほしいと願っています。

 

( ゚Д゚)

 

話がとりとめもなくなってしまうなぁ。
あふれすぎてるなぁ。

個人的な思いがあふれすぎているブログにお付き合いいただいてありがとうございます。
ただいま、新潟市ジュニア邦楽合奏団、第23回定期演奏会について書いております。

 

曲のこと書いてゆきます。

「砂山ファンタジー」この曲は中級合奏メインで演奏しました。
難曲です。手が難しいとか、そういうものではありません。砂山の主題が変奏されて音楽が進んでゆくのですが、どんな場面を、どんな音楽をつくるか、しっかりかんがえないと、一瞬で飽きてしまう曲です。
練習中でも演奏している団員自らがすでに飽きているという場面に何度も出会っています( ゚Д゚)コラ

そんな中で、団員に物語を考えてもらいました。
最初は探り探りで物語を作っていましたが、どんどん荒唐無稽なお話ができあがってゆきました。

よし、じゃあそれを感じ取れるように弾くぞー、といって合奏したときの生き生きした感じ。

一番よかった演奏が、物語を作った直後だったので残念ではありますが、本番もそれに次ぐような演奏となりほっとしました。

子どもたちが知っているもの、子どもたちが想像できるものを元に音楽を表現することはとても有意義です。
そこを手がかりに、感受性や想像力が育ってゆき、知らないことでも、五線譜から受ける印象、響いている音、ハーモニーから、いろいろな形で表現をしてゆけるようになるのだとおもいます。
結果的にそうなったのか、そうなるように計算していたのか、この曲を中級というレベルのために作ってくださった川崎絵都夫先生の仕掛けの妙であり巧みだなと、我が師匠をあらためて尊敬いたしました。

「子どもの四季」初級合奏の演奏です。
なんども演奏している曲ですが、今回は暗譜で舞台にたちます。
楽譜をしっかり見ながら演奏するということを僕は重要なことだと思っています。
その上で何度も練習した結果、覚えたものはとても強いです。
覚えるための練習は僕は意味がないと思っています。覚えただけの演奏というのもよくあります。
今回の初級の演奏に関しては、楽譜を読み、自分のパートの役割を理解し、他のパートの音も理解して合奏する目的で暗譜できたと思います。
また新しい曲にチャレンジするときの楽譜を見るということに新しい意味が生まれるのではないかととても楽しみです。
そんなことからも、今後はその他の川崎絵都夫先生委嘱作品はすべての曲を暗譜した状態でバキバキにアンサンブルできるようになるといいなと思います。

「北国雪賦」上級合奏の限定メンバーで演奏しました。
これは難曲も難曲、大人でも苦労する現代邦楽の名曲です。
卒団するメンバーの取り組み方、それに引っ張られるように努力する後輩メンバー。
すごくよい状態だったのではないでしょうか。
卒団する二人は、うまくなった!とはっきりと言えます。
練習した努力、本番当日まで頑張ってきたことが音になってました。
気持ちの入ったとてもよい演奏でした。

音色、響き、音から生まれるメロディ、テンポの揺れ、メロディの揺れ、複雑なリズム、変拍子、しかもそれがめまぐるしく変る( ゚Д゚)、少人数での高度なアンサンブル……。
この曲で子どもたちに経験してほしいことは達成できたかなとおもっています。
演奏できなかった団員もいるので、卒団生の抜けたメンバーでの演奏、また別の機会にもできたらいいなと思っています。

「風と光と大地にうた」上級合奏の曲です。
団員憧れの曲、演奏者も演奏しがいのある、聴く側も聴き応えのある全3楽章の新潟をテーマにした大曲です。
これまでも何度か演奏する機会はありましたが、僕はずっと初演を超える演奏は、まだできてないかなと感じていました。
初演では、自分たちのための大曲ができあがった喜びを全力で演奏したこと、諸事情(笑)により必死になって練習しないと本番に間に合わないこと、当時の団員の思い、それらが相まって、かなりの熱量を持った演奏ができたと思います。これも作曲してくれた川崎絵都夫先生の妙であり巧みであると……思います。
実際に初演の録画をみると、その後の演奏の方が、技術的にはよい、アンサンブル的にはよい、のですが、音楽の沸点というのでしょうか、そういったものが初演の演奏が圧倒的に高かったのです。
今回の合奏は、初めて、技術面も、熱量の面でも初演のそれを超えたのではないかと思っています。
1楽章はスプリングコンサート、春フェスタと本番にかけてきたので、なかなかのでき。集中力が欠かないことだけを心配してましたが、よい演奏となりました。
2楽章では、響きから生まれるメロディを意識してほしかったし、ソロで演奏するときの音色、なにより誇りをもって演奏してほしかった。そのあたりがうまくでていてなかなかよい形になったと思います。
3楽章、初めて僕の思い通りのテンポで演奏できました。舞台の上でw
練習では早くなりすぎてしまって、しっかりと演奏できない、勢いに任せてしまうだけの演奏になっていてどうしようかと思っていました。
ところが、練習ではできなかった絶妙のテンポをキープ、本番で急にそのテンポで弾けるようになってしまったw団員たち。
練習と違うから心配にもなったのですが、その時間の流れの中で、十分に音を響かせてしっかり弾いてくれました。
その僕がそうしたかった、勢いもありながら、演奏しやすい、微妙なテンポを、ああ、この感じだったのか、と感じ取ってくれた団員がいたらうれしいなぁ。
団員あこがれの「風ピカ」はもっともっと素敵な音楽になりました。これからの団員の成長でもっと素敵な音楽になるぞと確信しました。
こんな名曲を作曲してくださった川崎絵都夫先生には何度も感謝の気持ちを伝えたいです。ジュニア邦楽合奏団の大切な宝物です。

そしてラストは「たみうたのおと」全員合奏です。
作曲はなんと、わたくし、鯨岡です。
この曲にはたーーーーっくさんの思いを込めました。
ジュニア邦楽合奏教室の演奏会、コンサートの様子、団員のこと、お客様のこと、いろんなことを思い描いて、作りました。
思いっきり演奏できるように、演奏者も、お客様もワクワクして楽しんでもらえるように、一緒に「はいぃ!はいぃ!」っていって盛り上がるように、ジュニア邦楽合奏団のみんなが楽器を好きになるように。
今回の定期演奏会で、聴いていただいたこの「たみうたのおと」は、僕のおもっていた形に少し近づいたかと思います。
演奏してくれた団員たちに感謝です。
一丸となって演奏してくれたこと、ガンガン演奏して、生き生きとした音楽にしてくれたこと、とてもうれしいです。
今後、この曲がジュニア邦楽合奏団の鉄板、アンセムになることを願います。
みんなで演奏できるってすごくいいね!

と、まあながながと書いてきて、まだ書きたいことの半分くらいなのですが……。
もうこの機会なのでいっぱいかきますね。

 

和楽器合奏、邦楽合奏というジャンルは珍しい、あまり聴く機会のすくないものかもしれません。
僕は、お客様にとって、和楽器にあまり縁がない方も聴きやすい、楽しみやすいジャンルだと思っています。
そして、子どもたちが、和楽器に興味をもつ、演奏してみたい、好きになるには適しているジャンルだと思っています。

和楽器は日本の伝統楽器で江戸時代の音楽といった古い時代の音楽がルーツです。
江戸時代と現代での音楽感としてもある程度断絶した部分もありますし、日本の音楽は時代の中で翻弄されて、価値観も大きく変化し、和楽器に対する一般的なイメージ、誤解や偏見も存在します。

まあどうせ、和楽器でしょ。

所詮、和楽器でしょ。

和楽器はアンサンブル向きじゃないでしょ。

和楽器はわからん。

そんなこと言わず、聴きに来てください。
きっとそれを払拭する音楽があります。

新鮮な感動がきっとあると思います。
次は来年のスプリングコンサート、来年の定期演奏会、ぜひみなさんのことをお待ちしています。

おもしろいかも?と一瞬でもおもったら、ぜひ応援してください。
ジュニア邦楽合奏団のファンになってください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

僕は、新潟市ジュニア邦楽合奏教室での活動を通じて、楽器が大好きになってほしいと願っています。
楽器が大好きになってくれることを目的にしてます。

その先にはたくさんの音楽が待っています。
伝統を探求すること、古典を学ぶこと、今を奏でること、新しい表現を模索すること。
どれも、楽器が好き!という強い思いがないと、踏み込めない大変な道です。
古典を勉強したい!とおもうことも、新しい音楽を作りたい!とおもうことも、どちらも学ぶことが多く尊いことです。

合奏すること、みんなで音楽を作ること、かっこいいと思えること、子どもたちの感覚にあったことで和楽器への興味を育てて、その先の広い世界への興味が生まれてゆけばもっとうれしいです。

 

高校3年生は定期演奏会で卒団となります。
今年は二人でした。
あっというまでした。
うまくなったなーとおもったら卒団です。
なにかをつかみかけたら、もやもやっと消えてしまって、またそれをつかもうと練習して努力するの繰り返しだったと思います。
今回の舞台でもそれがあったとおもいます。もっと演奏したい、合奏したいと思ったはずです。
だから、楽器は続けてほしいです。

卒団式で僕は「ジュニア邦楽で青春できた?」と言葉をかけました。
二人は元気よく「ハイ!」と答えてくれました。

僕はずっと和楽器で青春してます。
今後の二人が和楽器が傍らにある時間をすごしてくれるといいなとおもいます。

 

ここからは感謝のコーナーですね。

ながながと書いてきたブログを読んでくださった方、ありがとうございます。
途中で辞めて、数日後にまた読みに来てくれた方もありがとうございます。

 

保護者の皆様、普段の練習から本番まで子どもたちを支えてくださってありがとうございます。
熱い中、ご来場いただいたお客様にも感謝申し上げます。
今後ともジュニア邦楽合奏団の応援をどうぞ、よろしくおねがいします。

 

打ち上げの話にいきます。

打ち上げではたくさんの喜びや感動を共有できました。
子どもたちの演奏がよかったことは、我がことのようにうれしいし、曲のことを評価されてもうれしい。
苦労が報われる時間でした。

今年度の4月から箏の講師に薫風之音の藤崎さんが入りました。
これまでも箏の先生がお二人で一生懸命頑張っていらして、それでもなかなか手の回らない部分もあって、大変苦労をされてきました。楽器の数も多く、ほとんどの場合が、箏1、箏2、十七絃、と3つのパートに分かれますので、練習も指導も大変なのです。それを見事に藤崎さんがフォローしてくれたなと僕は感じました。
藤崎さんは今回十七絃の指導にこだわってくれたようで、団員の弾く十七絃が少しずつバキバキと鳴ってきているのを感じています。さすが。

また、次に向けて、講師陣、事務局が一丸となって子どもたちの成長をサポートしてゆく気持ちもたかまりました!
とてもおいしいお酒でした。

 

来週は定期演奏会の音源を聴いての反省会です。
いま、よかった!とおもっていても、録音をきいたら、あれれ?とおもうこともあるでしょう。

団員にとってそれは、成長したからだとおもいます。

上手にならないと、下手はわからない。

僕は次に目指す目標があるから、ものたりない。

どんな風に聞こえるかな?反省会で録音を聴くのが楽しみだ。
次に向けてがんばろう!ありがとう!7000文字も書いたぞ!

 

ではごきげんよう。

 

 

 

 

飲んで帰宅した後、卒団生からもらった手紙を読んだのですが、その文章の中に、
「ジュニアは私の青春そのものです。」
といった一文がありました。
事前に書いてきたであろう手紙の文章と僕が卒団式で言った言葉がつながっていて、ドラマみたいやな、と一人震えました。

和楽器で青春したっていいんだぜ!

ジュニア邦楽で青春しようぜ!

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