四孔開けしてるのに甲のロにならない場合、それは尺八にとって不自然な吹き方かも知れない。

4孔開けのロで、甲のロが出ないケースがあります。

こんな音です。

自然とこうなってしまう。
こうなる以外がない。その他があるなんて考えられない。

という方もいらっしゃるかと思います。

僕の場合、僕の自然な動作で吹くとこの音はでません。
甲のロが自然とでます。
この音を出すにはいつもと違った吹き方をしないとでません。

どんな吹き方をしているかというと、

極端に尺八の中に息を入れるような感覚で吹く。

そうすると、上の動画のような音(乙のハの半音に近い音)がでます。

 

僕が自然に吹いた場合は、

ぱかーんと甲ロがなります。
乙音も同じようにでて、乙ロから4孔を開けると、スコーンと甲ロになります。

 

 

さて、4孔開けでこの謎の音(ハの半音に近い音程が出ています)がでていても、4孔を閉じると甲のロが鳴ってくれます。

では、この状態で他の甲音を吹いてみます。

前半の吹き方、音程も悪いですが、窮屈な音色です。雑音も多い。
後半の吹き方は、僕が自然と吹いたらこうなります。

 

尺八の音の出る原理として、甲音は乙音と比べると自然と息が外に多めにでるようになります。
(これは、カリ吹き、メリ吹きとかそういう動作では決してないです。)

ですが、前半の吹き方の場合は、息が中に入るように(僕の場合は極端に意識して)吹いているので、尺八の音の出る原理に対しては不自然なので、聴いていても吹きにくそうです。

 

自然と吹いて、4孔開けの甲ロが、甲ロにならない方の場合には、

つまり、甲音が出にくい吹き方で、甲音を吹いている、可能性があります。
尺八にとって不自然な吹き方です。
この吹き方で上手になろうと頑張るより、尺八にとって自然な吹き方をした方が、すぐに上手くなります。

僕の場合は、これは、極端に意識しないと、こうなりません。

 

ヒントは「息が、音が甲音に鳴りたい方に向かって吹いてあげる。」といった感覚でしょうか。

 

ですが、自然とこうなる方もいらっしゃると思います。

自然と吹く。という言葉は、

 

尺八の音が鳴る原理に対して、自然と吹く。

自分の体の動きに対して、自然と吹く。

 

といったように両方存在します。

なので、これらが、重ならないといけませんね。

 

自分の自然な動きが、尺八の音が鳴る原理に対して自然。

 

これは決して、尺八を吹くのになれろ、とか、不自然を自然にしろ、という言葉では決してありません。

 

それぞれの人の中のある、たくさんの自然の動作のなかに、尺八にとって自然な動作があるということです。

 

尺八は息が音に変換されます。

息がスムーズ流れることを優先しなければいけないのに、唇を強く閉めたり、唇を巻き込んだり、口の中をかみしめたりはしません。

そんな単純なことからも、出したい結果に対して、自然な手段をとっているかどうかを考えてみてください。

 

上手くなってゆくということは、自然な動作が効率よく成長してゆくということです。

その自然は、普段の動作の自然からスタートして、10メートル、50メートル、と、どんどん先に進んでゆくという感覚です。

 

スタート地点にいるのに、むりして、50メートル地点に行こうとするとそれはおおきな不自然です。

進行方向も逆を向くのか、斜めを向くのか、まっすぐなのか、100メートル進んだつもりでも、斜めに進んだら100メートル以下の距離しか進んでいませんし、逆向きなら、マイナス100メートルです。

楽器に対して自然な方向に向かって、自分に対して自然な動作の中のもので、じっくりと固めてゆくことをオススメします。

 

長くなりそうなので、続きは次回にします。

 

 

 

ではごきげんよう。


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