歌うとできるけど、楽器だとできないの原因を探して、できるようになるまでのステップを細かく砕いてみた。

楽譜を読む、リズムを理解する、ということについて3回連続で話しています。
今日で最後です。

さて、リズムを読めない原因は、そのための練習をちゃんと時間をかけてステップを踏んでしていないから、と結論が出ております。
尺八の音を出すのを苦労したように、研究したように、研鑽したように、楽譜を読むこと、ソルフェージュ、唱譜を同じように練習しないと、できなくて当然と。

じゃあ、どんな風に練習をしたら良いかを細かく分解してみました。

 

譜読み、ソルフェージュの練習は、アホらし、バカらし、真面目にやるの恥ずかし、って思うような内容かもしれません。
でも、着実にできるようになるには、そこから始めるのが一番です。
たくさんのできないことを抱えて、同時にできるようになるのは、至難の業です。

んなもん、誰でもできるわい!ってところでも馬鹿にせずやりましょう。
できるわい!となめているから、その先、その先ができないのです。
すべては、経験の差、蓄積の差です。

 

原因はここにあるかも、一番アホくさい練習だけどやろう!

【ステップ1】
メトロノームを鳴らす。(4拍子、テンポはやりたい曲のテンポでいいです。ガチで行くなら、すべてのステップをもうワンセットを3拍子で)
メトロノームにあわせて手で膝を叩く。

【ステップ2】
ステップ1の状態から、口でカウントをとる。
1,2,3,4,としっかり。

【ステップ3】
手で膝を叩いている状態から、足に切り替える。
口でのカウントもやめない。

【ステップ4】
ステップ3の状態で、体全体を上下に振ってリズムをとる。
当然、口でのカウントも元気よく。

【解説】
このステップ1,2,3,4はかなりアホくさいからやらない人が多いと思います。
ただ、基礎の基礎の基礎ですので、リズム取りにくい原因が、自分でカウントを取ることを放棄している場合があります。
覚えてやります。覚えたらできます。という言葉ですますのではなく、楽譜を読んで演奏するために、自分でカウントをとるために、ステップ1,2,3,4をしっかり取り組んでください。

 

ここはやるかもしれんけど、ちょっと恥ずかしい練習を間に入れるぜ!

【ステップ5】
ここで、ようやく唱譜に入ります。リズムが難しい箇所は、細かいフレーズを見つけて、ゆーっくりカウントを取って、はまるか確認します。
パズルをあわせるようにして確認します。
タイがかかっているところは、休符だと思ってもかまいません。
シンコペーションはどこまで歌えば表拍に戻るか確認しましょう。
16分音符を含む複雑なリズムは、小さなフレーズを見つけましょう。2音だけでもOK。

【ステップ6】
歌います。少しずつでいいです。一小節、見つけた小さなフレーズでもOK。
メトロノームを鳴らします。手で膝を叩きます。

【ステップ7】
ステップ5の状態までいったら、手で膝を叩くのではなく、足でリズムを取るのに切り替えます。
メトロノームを鳴らしながら、唱譜します。
足でメトロノームにあわせて拍を取ります。

【ステップ8】
楽器を構えて歌います。構えるだけでいいです。口につけなくていいです。体を上下に振ってもOKです。
メトロノームを鳴らしています。
足でもリズムを取ってください。

【解説】
はい、ステップ8、ちょっと恥ずかしいですよね。でもこれが重要なのです。
楽器を持ちながら、体を振ってもOK、足でもリズムをとる、全身でリズムを感じながら、歌います。
吹く前に、全身でリズムを感じることを大事にます。

そして、歌っているときに無意識で、フレーズを切っていたり、音をわけていたり、息継ぎをしていたり、している場所に注目します。
歌っているときに、行き切れたー、死ぬー、なんてことなかったですよね。

声でできること、歌だとできること、うん、もう実は半分できているんです。
尺八の息継ぎを特別なものだと思わないようにしてゆきましょう。
しゃべっているとき、うたっているとき自然とできている息継ぎとおなじですよ

無意識でやっているはずです。これがかなり重要になります。

 

 

さあ、いよいよ吹くけど、その前にやれることもあるよ。

【ステップ9】
8の状態では、構えるだけだった尺八ですが、ここで、指を動かします。
全身でリズムを取って、フレーズを細かく切って、歌っているときの無意識の息継ぎをみつけましょう。

【ステップ10】
さあ、今度は歌いません。
9の状態で、口に当てて、心の中で歌います。ステップ8との違いは、「静か」という状態です。
端から見ると滑稽です。レッスンでもあっているのか、あっていないのか、指導者が判断できないという問題がありますが、練習者の中での納得が重要になります。
そして、無意識の息継ぎ、は同じようにしましょう。

【ステップ11】
おめでとうございます。いよいよ吹きます。ようやく吹きます。
ここまで頑張ってきたら、足で、全身でリズムを取りながら、小さなフレーズで息継ぎをしながら、演奏できているはずです。
できていなかったら、ステップを戻してみましょう。

 

もしかすると、まだまだ、細かくできる部分もあるかもしれません。
また見つかったらご報告します。

 

リズムを読むことを優先している練習のときには、音がでなくてもいいです。
音がでないからといって、リズムをとめたり、やり直したりはできません。
音を優先して、戻したり、ゆっくりになったり、まったりする練習は、はっきり言って無意味です。
絶対に辞めましょう。これは絶対と言えます。

音楽はもどれません。

流れてい行く中に身を任せることが大事なのです。

音は後からついてきます。

さて、ここからは、この練習方法をしている場合に言われる可能性のあるドリームキラーを紹介します。
それは、できる人のマウンティングであり、できないこと、難しいことを要求して、着実な成長を阻害するものです。

・ぶつ切りで吹くな。フレーズを長くしろ。

・歌詞をむしするな(歌のある場合)

・音をだせ。

・連続音を吹き直すな、一息で指を打ち直せ(ユル、押す)

・タイを休符に置き換えないで、伸ばせ。

・体を動かすな。

・足でリズムを取るな。

などなどです。
これらは、次第にやってゆけること、やらなくてもできるようになることです。今すぐにやらなくていいです。

ちょっとできる人は、できなかったときのことをすっかり忘れてしまっているんです。
できるようになるまで、人それぞれ時間の差はあって当然です。

できることを、できるように、着実に踏みしめながら、上手になってゆきましょう。

 

初級者と上級者の違いはたくさんあります。

しかし、良い音程、良い音色で吹くことは、初心者のときからできます。
小さなフレーズでもぶつ切りで吹いている間は、良い音を連続して並べることができます。

フレーズを無理して長くしようとしたり、リズムを間違えてどんどん先に行こうとしたりすると、途端に下手くそに聞こえます。
音が死にますから。

小さな○、小さな成功を積み重ねる感覚で吹いてください。
できないこと、できることをしっかりと理解して、自分のできるかぎりの良い演奏をしましょう。

 

できないことは、センスがないからではないです。才能がないからではないです。
できるためになる適切な練習をしていないからです。
問題点、壁をできるかぎり細かく砕いて、できるところまで、分解しましょう。
指導者は、適切な課題、適切なヒントをどれだけ提示できるかが重要です。

生徒:練習してきます。

先生:練習してきなさい。

の前に、適切な練習かどうかが大事です。

 

 

過去にリズムに関して書いた記事もいくつかあります。
https://kujira.office-isana.jp/blog_cat/rhythm/

こちらも参考にしてください。

 

ではごきげんよう!

 

 

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