さて、尺八の歴史はどうだったんでしょうか?

しばらく、江戸時代、明治期のお箏の話を書いていましたが、「おまえさんは尺八演奏家なら、尺八の話をせい。」という声もあるかと思いますので書きます。

 

というか、尺八演奏家だからこそ、箏の業界のだれからもマークされていないだろうとおもって、箏の話を好き勝手書いたわけでして。

僕よりももっと尺八を詳しい方は当然大勢いらっしゃって、尺八演奏家の僕がなにか書こうものなら、いろいろ揉めるかもしれないと思ってびびっておりますが。

 

ま、考え方は人それぞれ、ということで、開き直ってかきますよ。

 

遡れば、いろいろあってキリがありませんので、ある程度はっきりしているところから書きます。

 

尺八は江戸時代には普化宗の虚無僧が独占して、まあ現在のいわゆる「古典本曲」という尺八の独奏曲を吹いていました。

で、そのとき、尺八は、楽器ではなく、法器、であるとしていました。

つまり、法要や托鉢のために使う器具であるから、一般人が吹くことも、他の楽器と合奏することも禁止されていました。
これは、普化宗が禁止っていっていただけでなくて、幕府に、江戸幕府にそのように認めさせていたのです。

だから、江戸幕府が町人百姓が尺八を吹くことを禁じていました。
(禁止令が出るってことは、江戸時代も虚無僧以外も吹いていたってわけです。)

 

ですがね、普化宗が廃止になるってのは、有名な話でして。

明治四年に普化宗は廃止になります。
というか、江戸幕府が終わり、明治時代になったら、幕府の禁止令ってのは全くもって意味がないわけですし、当時の日本において、楽器(まあ、尺八は普化宗にすれば法器ですが)の種類ってのは、圧倒的に限られているわけで、教養やたしなみ、娯楽として尺八を手にする人たちもいたわけです。

普化宗の廃止にともない、翌年に托鉢は禁止されます。

 

廃止ってのは、自分たちでやめます。っていうのとは違います。

政府によって、やめなさい、って言われるものです。

 

尺八は、普化宗において、法要、托鉢を行うための法器です。

普化宗が廃止になり、托鉢が禁止されたら、それ以外に使っちゃいけない尺八ってどうなると予想されますか???

 

 

その際に使用する法器である、尺八の使用すらも禁止される可能性も見えてくるわけです。

 

 

で、どうしたかというと。

 

吉田一調(普化宗の尺八指南役)と二世荒木古童(三曲合奏の名人といわれています)が政府に願い出たんです。

 

「尺八を法器ではなく、楽器として演奏させてください。」って。

 

これによって、一般の人でも尺八を楽器として演奏出来るようになります。

 

で、それまでは、三味線・箏・胡弓という編成が主流の三曲合奏のスタイルが、明治になって、三味線・箏・尺八という編成に変りました。

 

 

生き残りをかけて、法器ではなく、楽器とするという判断をとったこと。

生き残るために、三曲合奏の中に入って、他の楽器と合奏する判断をとったこと。

 

これによって、一般に開放され、音楽的に新たな展開もあり、都山流が生まれる流れになります。
そのことによって、さらに、尺八は普及してゆくのです。

 

生き残りをかけてとった選択肢により、普及し、それまでとは違う広がりをみせた尺八業界です。

今の我々は、そこからなにを学ぶのでしょうか?

 

その成功例に甘んじているのか?

そのままやるのか?

 

それとも、

今にあったスタイルに置き換えるのか。

 

それとも、生き残りをかけてとった行動は、成功だったのだろうか?

 

 

どちらにしても、過去から学べることは多くあります。

 

尺八、という楽器が人の目に触れることが少なくなり、演奏を聴くこともなくなり、一般の人たちのなかから、その存在が消えかけている(もう消えてしまっているかもしれない)今現在、どうするのがよいでしょうか?

 

まさに、生き残りをかけて、楽器の存亡がかかっていると感じています。

どのような選択肢をとるかは、一人一人、その個人の判断に委ねられると思います。

 

僕は僕のやり方で、過去の事例から、良い面も悪い面も学び、判断し、実践していきたいと思います。
成長も衰退もリアルに感じるし、見ている気がします。

これからは、これから次第です。

 

足を引っ張るような人、冷笑する人、達観する人、は嫌いです。
そうありたい人はそういて下さい。

 

自分の信じる音、信じる音楽を貫いて、尺八の存亡をかけて、チャレンジして、必死で活動していきませんか?

 

 

とか、なんとか、偉そうにきれいごと言っていますが、基本的には自分が喰ってくために頑張ります。

 

僕は、中に向けてではなく、外に向けて。

人が聴きたいと思う音楽、人がやってみたいと思う音楽、人が必要とする音楽、を目指しています。

 

自分が好きな楽器だから頑張ります。
自分が尺八で奏でたい音楽を聴いてもらいたいから頑張ります。

 

そういうことです。

 

1月19日は新潟市で箏・尺八の無料楽器体験会があります。
ぜひ遊びに来て下さい。

1月19日(日)新潟市中央区 燕喜館で「第6回、箏にワクワク、尺八にドキドキ、無料楽器体験会」を開催します。

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真
大阪にいってUSJの帰りに食べた食事です。並び疲れて遊び疲れて、エビをたくさんたべるお店に行きました。
新潟にはないお店なので、おもしろかった。フォレスト・ガンプは見ていないので、見てからもう一回行きたい。
マスコットキャラのルイちゃんがお店のまえで呼び込みしていました。ルイちゃんはエビなのですが、二足歩行です。
かわいらしさと、微妙なエイリアン感のあるキュートなマスコットキャラです。
USJで並び疲れているので、カロリーの前払いが実行されているので、こ食はゼロカロリーです。

 

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