尺八を吹くときは、唇を合わせますよね。
その隙間から流れる空気が音に変わりますから「口は閉じる」ということがとっても大事になります。
ですが、「息を出す」とも、考えてしまうわけですから、「息の流れる穴」を用意しなければいけないと考えてもしまうわけです。
まず、言っておきますが、
僕は
「息の流れる穴を用意する。」と考える必要は全くないと考えています。
なので、初心者の方、独学の方、息の流れる穴を用意して、口を開こうとする意識は、闇に葬ってください。
なので、僕の場合、尺八を吹いているときに大事な意識は、「口を閉じ続ける」という意識だと考えています。
息が流れていれば、口が閉じ切ってしまって、息の流れを止めてしまうことはありません。
息の流れを止めてしまうのは、閉じすぎる唇です。
息の流れを拡散するのは、開こうとする唇です。
「唇を閉じ続ける」という意識をもてば、「開く」という意識は消えます。
「閉じすぎる」を消すにはどうしましょう。
必要な意識は別に必要な意識を
僕が考えているのは、「唇のことを忘れる」ことです。
忘れるためには、別のことを考えます。
「口の中は広く」です。
恋に破れた心を立ち直らせるには、その恋のことを考え続けるのではなく、次の恋に向かうことです。
もし、そんな気分になれないなら、別のこと例えば、今までやらなかったことに挑戦するとか、読書するとか、凝った料理をしてみる、とか。
なにか、別のことに意識を向けると、直接的に向き合わずにすみます。
完全に忘れるのは時間がかかりますものね。
別のことに意識をむけるってのは、大事なことです。
話を戻します。
例えば、口の中の歯、前歯も奥歯もくっついていたり、接近していては、良くないです。
「口の中を広く」と思うことと「唇は閉じ続ける」と思うことが、ちょうどよくバランスをとってくれます。
二つの要素を意識することで、「○○しすぎる」ということは、回避することができるでしょう。
僕がお話した、二つの要素の逆を書いてみます。
「口の中はせまく」
「唇は息の流れる穴をつくるために開く」
これに近づいていく、類似するような発想は、おそらく、演奏の邪魔になります。
○○しすぎるを回避するために必要なのは知識。
一つのことだけにこだわると「○○しすぎる」という現象が現れて上達を妨げます。
問題点を解決するには、多角的に考えたほうがいいでしょう。
○○しすぎるのをやめるために考えること、は直接的に「○○しすぎるのをやめる。」と考えるだけでは難しいと考えます。
とくに「○○する」のが一つのポイントでもある場合です。
尺八を吹く場合、「唇を閉じ続ける」という意識は重要です。
これしか知らない。という状況では、別の意識を用意して、しすぎるを回避できません。
問題なのは知識不足。
重要な要素をいくつか知っておくとそれらのトータルバランスによって、望む結果、良い結果が得られます。
そして、僕のブログでは良く書きますが、
原因を、わかりやすい何か一つのせいにしない。という考え方です。
出来ない理由、うまくいかない理由を、漠然としたものにゆだねるのはとっても楽です。
肺活量とか、腹式呼吸とか、呼吸法だとか、尺八は難しいとか、才能とかのせいにするのも同じです。
え?
腹式呼吸というのは、具体的なのではないですか?って。
まったく具体的ではありません。
めちゃくちゃ抽象的です。
そんなものが具体的な解決だと思ったらだめです。
具体的な解決方法が提示されると、それがすぐにできないと、ダメ、みたいな風に思ってしまったり、出来ない自分にがっかりしてしまうかもしれません。
そんな必要は、一切ありません。
そんな風に思ってしまうことを避けるために、上達を遅らせる方が悲しい出来事です。
思い込みや、固定概念を捨てて、具体的な解決方法で問題に向き合ってみましょう。
やみくもに、むやみやたらに、必死になっていたときより、手応えが確実にあるはずです。
必死になっている方が、やってる風になりますが、それはただやってる風なだけですので。
じゃあ、「唇は閉じ続ける」と「口の中は広く」はどうするん!!!
大丈夫です。
安心してください。
この動きは、もう皆さん日常の中で、やっています。
ものすごいやっています。
やれない人は、たぶん、周りから嫌われます。
確実に嫌な印象を与えています。
くちゃくちゃくちゃくちゃと。
クチャラーなんて言われているかもしれません。
わかりましたか??
何かというと、
「ご飯を食べるときにもぐもぐする動作」です。
食べているものが、外に出ないように唇は閉じています。閉じ続けています。
その状態で、よく噛むために、顎が動いて歯が動きますよね。
口の中が広がったり、狭くなったり。
見事に唇を閉じ続けて、口の中が広がる状態を体験しています。
一日に三回もです。
いや、三回どころか、咀嚼回数だと思うとこれはすごいことになっています。
物心ついたときには、もうやっているわけです。
小さなときは、くちから食べ物がこぼれたりしたかもしれません。
でも、もうそんなことがないくらいに上達しています。
尺八を吹くために必要な要素は、もう何年も、生きている年数ちかく経験しているのです。
それを応用しない手はありません。
「口の中を広く」「唇は閉じ続ける」をうまく意識して、いい音色で楽に気持ちよく尺八吹きましょう!
それではみなさま、また、、、
え?
唇の閉じ方が、ご飯を食べるときと、尺八を吹くときで違うんです、って?
やろうとしても、なんかちがうんです。って?
はい、いい気付きです!!
これ、気が付いた人は、さらに伸びると思いますよ。
違うからできない。とやろうともせずに決めつけてしまった人は、もったいない。
また、あらためて唇の閉じ方。口が閉じた状態。に関してお話します。
長く尺八を吹いている方でも、気が付いていない場合がありますよ。
では、ごきげんよう
※今日のごはん写真
ひさびさに尺八のワンポイントというお話になりました。
たいへんお待たせいたしました。
尺八に関するアドバイスっていうのは、先生からも、尺八仲間同士でも、ネット上でもたくさんあります。
一つだけをみて、その一つだけでうまく解決することもあれば、その一つのせいで、深い悩みに突入してしまう場合もあります。
そんなときは、一つのことだけで考えないようにしてください。
尺八の音が気持ちよく、楽に、鳴らせる状態というのは、いろいろな要素がバランスを取り合って成立します。
もし、一つのことに迷い込んでしまったら、別の面から見た考え方、ヒントも参考にしましょう。
変な組み合わせにならない限り、いろいろなアドバイスは、一つのことを実現するために向かっているはずです。
何を実現するのか、なにが本質か、を見逃さないようにしながら、アドバイス、ヒントを有効に生かしてゆきましょう!
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