曲の指導、楽器の指導・曲の練習、楽器の練習。

尺八のレッスンをしております。

尺八のレッスンをしていて気をつけていることがあります。

 

楽器を扱う、ということにしっかりと重点をおく。

技術を身につける、ということに重点をおく。

曲ができるようになる、ということだけが目的にならないようにする。

 

ということです。

 

曲の練習をしながら、技術をみにつけてゆく。

曲の練習をすれば、技術がみにつく。

 

似たような言葉ですが、僕は大きく違っていると思っています。

上達の差にもなりますし、指導の差にも大きくでると思います。

 

 

僕の場合のお話をします。

 

曲を練習しながら、そのなかで出てくるリズムや、必要な技術などを取り上げて、レッスンすることがあります。

それは、もちろん、なんの目的もなく、必要な技術やリズムだけの基礎練習をするだけでは、つまらないだろうな、と思うからです。

 

そこで、気をつけているのは、

 

練習してもらうと思っている曲の中で必要になる技術、リズムの練習を、それとなくウォーミングアップに仕込むことです。

このときは、ただシンプルな基礎練なので、なんとなくできています。

ただ、どんな場面で必要なのか微妙にわからないので、ただなんとなくできた、というだけです。

 

 

そして、実際に曲を演奏しているときに、その技術や、リズムの理解が必要な場面になった場合、どうなるとおもいますか?

多くの場合は、できません。

なので、はっと止まったり、できなかったときに、ウォーミングアップでやった動作のことを思い出してもらいます。

 

ここで、ようやく、基礎練の効果がでます。

曲の中では急にできないのですが、基礎練では同じことができていました。

 

そう思った瞬間に、曲の中でもできるようになります。

基礎の応用なので、できるようになります。

 

もしかすると、このときだけ、うまくいっただけで、すべての場合に通じるかわかりませんが。

 

基礎練習、基礎としての技術が身についたから、曲の中でもできた。

 

という経験したときの、身につき方はとてもよいものになります。

必要な技術の基礎的な部分をしっかりとみて、シンプルな練習をしておくと、基礎は応用につながります。

 

そういったレッスンの組み立てがうまくいったときは、やった!と僕も手応えがあります。
しかし、まあ、そういったレッスンがうまく毎回できるわけではありません。

 

曲の中で出てきた、できないことを、その瞬間の練習で対処することもあります。

その場合は、別の曲や別の場面での応用につながらない場合があります。

一夜漬けとか、その場しのぎ、という表現をするとわかりやすいかもしれません。

 

また、曲の練習をしている、というモードになっていると、基礎練という感じの練習に戻った、という感覚は生徒さんのモチベーションも下がってしまいます。

時間をかければちぐはぐとしてしまい、その曲だけでしかつかわないこと、みたいに勘違いしてしまう原因にもなります。

 

 

曲を練習しながら、技術を身につける、というやり方は、順をおって身につけたい物が身につかないことも想定しておかなければいけません。

身につけてもらいたいことを絞る。という考え方も必要です。

あれもこれもと、同時に身につくことの方が希です。

 

もちろん、習熟度によって取り上げる課題や問題点、改善点は違います。

習熟度によって、その配慮がなければ、身につく物も身につきません。

できることをできるようになる。

できないことをできるようになる。

は、物凄く違うのです。

 

できること、

で、

できるようになる。

 

アホみたいな言葉ですが、これはなかなか重要な考え方だと思います。

 

 

レッスンを受ける側としては、

基礎練習ばかりは、つまらないですが、曲ばかり演奏することでは、必要な技術が明確に身につかない場合があります。

 

曲が演奏出来るようになること

楽器の技術が身につくこと

 

は、同じではありません。

 

 

曲を題材に、楽器の技術を学んでいるのか

 

曲を演奏することそのものを学んでいるのか

 

 

これを勘違いすると、身につく物も身につかず、目的すら達成できません。

 

初心者から上級者まで学びの段階によって課題は大きく違います。

 

レッスンを受ける側が意識しておくと良いことは、

身につけたいこと、できるようになりたいこと、をシンプルに絞ることです。
自分で設定するのでも良いです。

そして、そのできるようになりたいことを先生に伝えてもいいと思います。

できること、からかけ離れていすぎたら、難しいかもしれませんが、

できることをふくらませてゆく、拡張してゆくことでできることなら、とっても意味があると思いますよ。

なにより、自分ができるようになりたいこと、自分自身が意識することは、とっても重要です。

 

上手になりたい。

 

上達のためには、大事な一言です。

 

でも、その一言を構成する要素はなにか。

きっとたくさんあると思います。

 

コツコツコツコツコツコツ、1つずつ身につけていきましょう。

 

今、何の練習をしているのか。

何を身につけようとしているのか。

 

目的がハッキリしない練習はやめましょ。疲れるだけです。

もし、上達せずに悩んでいる方はそうして下さい。

 

 

あ、もちろん、楽しい!が一番です。

練習していると、というつもりはまったくないです。

 

尺八を吹いているのが楽しい、から吹いているんです。

 

となるのが、悩まなくて良いですよ。

 

好きな曲を好きなように吹きたいから。

 

最高です。

 

 

技術と曲想、表現をつなげる、ということも言語ができないと、良いレッスンにはならないかなーなんても思います。
多くの場合は、曲想を演奏者に丸投げして、演奏者が解決する、みたいな乱暴な話になることでしょう。
コンクールとか挑戦するレベルならいいかもしれませんが。
これだって、熟練度によって違いますからね。
音楽や楽器の面白さ、楽しさ、発見の大チャンスですよ。
丸投げしかできない指導者は、なにをそれで指導している気になっているんでしょうかね。
また、これは別の機会にお話ししたいと思います。

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真
今日はすこし抽象的な話、言葉遊びみたいなお話でした。
演奏することは、一つ一つの小さな技術の積み重ねによってできていて、それらをいかにコントロールするかで、音楽をつくります。
演奏をしていると、音楽的表現が、曲想が、といろいろな話に広がってゆきます。
でもね、そんなこと、思い悩んでも仕方ない時期に、思い悩んでもしんどいだけです。
むしろ、そこに思い悩めるぐらい楽器の技術あるのか?と思い直してください。
音楽、という壮大な問題に立ち向かうのではなく、1つの技術、1つの知識、をコツコツ身につけていきましょう。

できる、わかるを積み重ねていけば、いつの間にか大きな問題を解決しているはずです。

できる、わかるの積み重ねの方が楽しいですよ。
だって、できるし、わかるんだから。

ものすごく大きな問題を解決しろっていきなり出す指導者はどうかとおもいますよ。
優越感に浸りたいだけでしょうか?ダメ出しをして気持ちよくなりたいだけでしょうか?

楽しい、好き、という気持ちを育てていける指導者に目指してがんばってゆきます。

 

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