このように考えると、尺八を吹いている状態、いい音で、楽に吹くときには何をしたらいいかが、少し具体的に見えてきます。
あてにしていたヒント、頼りにしていた考え方が、うまくいかない理由、邪魔しているもの、だったりするかも知れません。
僕はこのように考えています。
僕はこのように生徒さんにお話ししています。
そして、出来ています。
うまくいっていない状態を解決して出来るようになります。
この話が、「嘘くさい!間違っている!?そんなわけない!」と思ってしまった方こそ、落ち着いて冷静によんでくださるとうれしいです。
前回の記事も読んでいただけると理解も深まるので、お時間のあるときにぜひ読んでください。
尺八の名人が、「尺八は息を吸いながら吹くんだよ。」といった言葉を極意としてお話ししています。
これを、循環呼吸と勘違いしてしまう人もいます。
それは全く違います。
もう一回、書きますね。
循環呼吸とは違います。
それは、まったく別の技術です。
そのように思ってしまった方は、その思いを忘れてください。
尺八の吹き方に関して、いろいろ調べていらっしゃる方だったら、
息を吸いながら吹く、息をすったまま吹く、息を吸った状態で吹く、といったような言葉を聴いたことがあるんじゃないでしょうか。
この言葉は、「吸った状態のまま、吹くこと」を意味しています。
それを聴いたとき、ピンときましたか?
変なこといっているな、とおもいませんでしたか?
はぁ?
そんなこと出来るわけない。
って感じですよね。
結論を書くと
・安静時呼吸の息を吹く・吐くと思ったらずっと、しおしおモード。
呼吸筋が全部、吸う、吐く、を行っている。
・尺八を吹くの「吹く」動作に切り替えるとすぐに。ぱんぱんモード。
呼吸筋が役割を分けて、吸う、押し出す、を行っている。
あなたは、吸った状態のまま、吹いていますか?
尺八の、吹く、動作は、空気を押し出している。と考えた方がいいと思います。
吸った状態を保ちながら、空気を押し出している。
だから、一般的な「吹く」「吐く」といった素直な動作をしてしまうと、しおしおモードになります。
とはいえ、特殊で、特別な、呼吸法、で行っているわけではありません。
日常動作でやっている動作ですし、その延長線上にあります。
うまくいかない人は、その動作をすればいいんだ、と気がついていない、知らないだけです。
なので、大丈夫です。
できます。
吸った状態とは、何を行っているか。
吹くとは、何を行っているか。
これをちゃんと理解しておく必要があります。
そんなことできるよと、自分のおもっている動作でおこなってしまうと、全然違うことを行っている場合があります。
分解して、考えましょう。
さあ、これを僕なりに深掘りしていきます。
くじら式では、呼吸筋で「息を吸う」「出す」の役目をするものを分けましょうとお話をします。
くじら式って急に言い出しましたが、そこはまあ、おいておいて。
呼吸筋というものがありまして、呼吸をするときに使う、反応する、動く筋肉です。
横隔膜・内外肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹直筋・腹斜筋などです。
通常の場合はこれらがほとんど全部動いて、呼吸が行われます。
吸って、吐いて、のときに全部が動きます。
しおしおモードになる大きな理由は、吸って吐いてを呼吸筋全部で行っているときです。
吸っている力・筋肉が弛緩して息が出る状態になっています。
息がでてしまうことに積極的な状態です。
力強く積極的に息がでるのではなく、でちゃう、もれちゃう、持続できない、という感じですね。
尺八を吹くときには、これらの役目を、吸う役目、押し出す出す役目、分けるようにします。
いくつかある呼吸筋の吸っている力・筋力の収縮を持続させたまた、それとは別の呼吸筋で、息を押し出す役目をしている状態になります。
これは、積極的に力強く持続する息を押し出す、という言葉があてはまります。
で、その役目の分け方です。
息を吸う役目は、横隔膜・内外肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹斜筋など
息を出す役目は、腹直筋
こんな感じにします。
ってどこだよ、って話になると思うので、こういったサイトをみてください。
https://powerbreathe.co.jp/reason/
ま、腹直筋さえわかればいいかな。
腹直筋、これはおなかです。
いわゆる腹筋。
それ以外のいろいろな筋肉は、息を吸った(吸気)ときに反応している筋肉だと思ってください。
・なんか、この辺に、なんかかんじるな。とか
・なんか、この辺、うごいているかも。
くらいのそんなんでいいです。
息を吸うときに動くのは、呼吸に関する筋肉です。
息を吸ったときに、なんかここ動いているかも、ここに力が入るかも、というものです。
その結果、横隔膜が収縮してドーム状の天井が下がる。
横隔膜は、収縮することによって息を吸う仕事をする、と思ってください。
尺八を吹かないときの普通の呼吸、いわゆる安静時の呼吸は、
吸気のために収縮した呼吸筋が緩み、膨らんだ肺が元に戻ろうとする力で行われます。
この状態で、尺八を吹くと、しおしおモードです。
しんどい吹き方です。
辛い吹き方です。
肺活量で何とかしようとする吹き方です。
安静時の呼吸で尺八を吹いてしまっています。
もう、動作そのものが違っているんです。
尺八を吹くとき、ぱんぱんモードになるのは、
吸気のために収縮した呼吸筋は収縮(緊張)したまま、
腹直筋(おなか)は自分の体の中側にヘコんでいって空気を押し出します。
全く違う動作ですよね。
尺八吹奏時には、腹筋は息を押し出す仕事をする、と思ってください。
吸ったまま吹く、吸いながら吹く、の言葉の本当の意味が見えてきませんか?
実行できそうな現実的な動作です。
そしてそれらは、日常生活の中でもうやっている動作です。
何本かあるロウソクの火を一息で消すとき。
小さなゴミを同じ速度で動かそうと思ったとき。
ストローをくわえて思いっきり息を出したとき。
そして、尺八を吹いているとき!!
なのです。
「吹く」という言葉は、安静時呼吸によっても行うことが出来ます。
安静時呼吸の「吹く」を行っているか、尺八吹奏の「吹く」をおこなっているか。
同じ「吹く」という言葉なのですが、全く違う動作をしてしまうのです。
ここをしっかり理解して整理しておきましょう。
このように、役割をわけることが大事になります。
分けて考えるから、息を吸う筋力を収縮させた(息を吸ったまま)まま、腹筋で息を押し出す(尺八を吹く)ことができるようになります。
次回も、さらにこの話をします。
どうやって実感するか、どうやって練習するか、を書きます。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
今日もここで書きますけど、脱力、ってほんとなんなんでしょうね。
簡単に脱力をアドバイスする人が多すぎて。
無駄な力を抜くのならば、必要な力がどこに残っていないといけないかがわかっていないといけません。
唇に関して、脱力した方がいいよ、といったアドバイスを受けて、唇の力が中途半端になる。
その結果、大量に息を使わなければいけなくなる。
いい音にはつながらないと思います。
それだったら、唇はそのまま閉じることを保って、息の量を減らしてみたら、というアドバイスの方がましな場合が多くあるでしょう。
唇をしっかり閉じること。
これはめちゃくちゃ大事です。
息の流れを止めてしまってはダメですが、わざわざ通り道をあける必要もありません。
そんな口元は、僕にはだらしなく見えます。
言葉がわるくなりますが、出ている音もだらしないです。
吹きすぎる、息を出し過ぎる、いいことありません。
安静時呼吸を激しくやっている動作になっていませんか?
苦しいだけですよ。しんどいだけですよ。
基本的に頭で考えることは、吸ったままの状態でいること、息が出ないようキープすることなのです。
肺活量ではないんです。
動作が違うんです。
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