子どもたちをレッスンしているととてもたくさんの発見や気づきがあります。
とても素直ですし、とても不思議です。
わかること、わからないこと、も複雑です。
いちばんこわいのはわかったふりをしてしまうことです。
なので、もう一回って聞いていいし、わかりませんって言っていいよと、常に言っています。
でも、そのもう一度とか、わかりません、ということも子どもたちにとってはかなりのハードルなんですね。
そんな風に僕自身も思っていたし、わかっていたつもりでした。
僕がそうおもっていても、それでも言いにくいんだなと、心の底から思いました。
大人の方も、意外と陥ってしまっている思考傾向があるかもしれません。
優先するものが、ずれてしまうと危ない。
音が出ないことを失敗だと思っているのは、本当によくないですね。
そうすると、音が出ない、と知った。という成功に思えると100倍違います。
でも、そうなることが怖いんだと思います。
「音が出なかったら恥ずかしい、怒られるかもしれない」
もちろん、僕は音が出ないからとは怒らないし、恥ずかしいともしていません。
一切。
「いいねぇ!!」しか正直言いません。
あほみたいですが。
でも、なかなか、その気になって乗ってきてくれないと困るんですね。
「そろーっと吹いて取り合ず出た音」にずーっとしがみついている状態に何もないことに気が付いて欲しいんですね。
上手くもならないし、しんどいままだと。
とりあえず、音が出てるからいい、と思うのか。
あの音が出したい、ああいう風に吹きたい、と思うのか。
プロや上級者の演奏や音を聞いて、
「あれ、どうやら、自分のやり方とは、違うやり方をしているかもしれないぞ」
と思うことがスタートですね。
伸び悩んでいる方にはっきりいます。
「その吹き方では限界があります。変えましょう。
下手な状態の過去の自分の成功体験をいかに振り切るかが勝負どころです。」
レッスンの時間をどうすごすか。
・その時間が終われば、終わること。
なのか、
・連続する時間の中にある、一回で積み重ねて継続していくこと。
なのか、どちらの考えでいるのかで大きな差がでますね
その場で終わることと思っていたら、出来ないこと、わからないことがあっても、その場をやり過ごせばいい、と考えやすいです。
そういった考えになってしまう理由をちょっと逆算して考えてみると、
分からないことが悪い。
聴きなおすことが悪い。
一度で理解できないことが悪い。
わからない、できないこと、が恥ずかしい。
といった感覚があると、大きな原因になってしまうのかもしれないと思ったりもします。
だから、取り合ず、やり過ごそう、と思ってしまう。
でも、その後、大変なことになってしまうのは、火を見るより明らかです。
その場で解決する、その場で理解する。ように可能な限りこだわったほうがいいです。
連続すること、積み重ねること、と思えば、わからないことをわからないままにしておくことの怖さが分かると思います。
もっと自然に、もっと楽しく。
ゲームをクリアしていくような感覚で、適切な課題(小ボス、中ボス、大ボス)と適切な練習(レベル上げ)をしましょう。
わかったふりでやり過ごすのはやめましょう。
確認してみましょう。聴きましょう。
そうすることで、いろいろなことが見えてきます。
尺八を吹くために、楽譜を理解するために、必要な知識や理論。
細かく聴いたり、確認したら、あいまいな根拠、あいまいな理由しか出てこないものは、その程度のものかもしれません。
あなたの成長の足を引っ張る、まともな理論の顔をした邪魔者かもしれませんよ。
今、身に着けている技術は、あなたのやりたいことを実現してくれますか?
やりたいことができない、うまくいかない。と感じることがあるのなら、その技術は不完全なモノかもしれません。
そのやり方で出来るようになるかもしれませんが、できないかもしれません。
自分のやりたいことをやりたいように出来るようになる技術なのか、理論なのか。
やりたいようにできない、なぜかうまくいかない技術なのか。
センスとか才能とか、そんなんじゃないです。
どっちを選んだかです。
歩いていくだけで出口にいける道を選択しているか、自分で掘り進めないと出口にいけない道を選択しているか。
ちょっと長くなりそうなので、明日も「子どもたちを指導していて気付いた話」を書きます。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
とはいえ、楽しく吹くのが一番です。
僕は、尺八がしんどいことが前提の楽器だったら、ここまで続けていません。
もちろん、いろいろな意味でも、しんどいことも、苦労することもありました。
でも、そのしんどいことは、僕のしたいことではなかったので、やめました。
苦労することを苦労しても、上達につながらなかったので、やめました。
はっきりって、やめたら、上手くなりました。
自分が自分の目指す尺八を吹くことを願ったら。
どこかの誰かの「○○せよ。○○して当たり前。」という言葉は、もうすでに必要のない言葉かもしれません。
(もちろん、僕の言っていることも含めますが、手段、技術の身に着け方としては論理性に自信があります。)
自分の吹きたい尺八の音や音色は自分の中にあります。
表現したいものは自分の中にあります。
それがなければ、技術も身につきません。
技術は手段です。
達成したい願いがあるからこそ、手段を身につけます。
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