同じ乗り物でスピードを上げるという感覚。

尺八の息をコントロールする

 

意味の全く分からないタイトルですが。

初心者の方が初めの方でぶち当たる壁の一つ、甲音と乙音の吹き方についてです。
尺八は、同じ孔の抑え方で、甲音と乙音、を吹き分けます。

さて、どうやって吹き分けましょうか?

シンプルなアイディアを一つ紹介いたします。

 

乙音の息の早さの2倍になると甲音になるという単純な考えです。
スピードを2倍にします。

スピードを2倍にしても甲音にならない場合は、実は乙音の息の速度が遅すぎると考えてください。

 

そして大事なことは、

乙音もしっかり吹きます。
甲音もしっかり吹きます。

脱力したら乙音、力を入れたら甲音、ではないのです。
息を太くしたら乙音、息を細くしたら甲音、ではないのです。

どちらも、間違えやすいアプローチです。

同じ息で、速度だけを2倍にしましょう。
速度だけが2倍になるように気を付けると、いろいろな部分が、補助をして連動して動き始めます。

 

同じ息で速度を上げる感じを、息を乗り物にたとえてみるといいかもしれません。

脱力した息、と、力を入れた息、では乗り物が違います。
徒歩と車、といった違いかもしれません。

 

息の流れ、息の質、息の量、を同じにするという感覚が、乗り物を同じにするという感覚です。

息の流れ、息の質、息の量、が同じ状態で、息のスピードのみを上げます。乗り物のスピードをあげる。

 

乗り物の種類変えません、質量をかえません、単純にスピードを変えます。

乗り物を変えると、音の大きさ、音の質、が変わります。
自転車、バイク、船、馬、などなど。

 

乙音をしっかり大きな音で吹こうとおもったら甲音がうっかり出ちゃった。
これは大正解だとおもっていください。

目指すところは、甲音は乙音より簡単にでる、という感覚です。

 

スピードが上がりすぎたら、甲音はでません。

スピード違反です。適切なスピードがあります。

 

大甲を吹くときも注意が必要です。
単純にスピードがあれば大甲になるわけではありません。

適切なスピードがあります。
スピード調整がちょっと難しい理由ですが、倍音という言葉があります。
(倍音については、Wikipediaの説明でお願いいたします。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3

その音の乙音の2倍音がその音の甲音なので単純にスピードを2倍にすれば音が出ます。
ですが、大甲は、指使いの3倍音などを使って鳴らしているものもあるので、スピード調整がちょっと難しいのです。

例えば、
乙チ → 甲チ → 四(都山)、四のハ(琴古)

乙チの2倍音が甲チ、乙チの3倍音が四・四のハとなります。

高い音だから、大甲だからと思って吹くと、簡単にスピード違反しちゃいます。
スピード違反しないように、息の速度だけを調整するように気を付けてみてください。

大甲ものびやかで、とても綺麗な音で響いてくれますよ。

 

乙音と甲音をしっかりとした音で吹き分けられない小学生に、このように説明したら、上手に吹けるようになりました。

また、大甲を出すのを苦労していた高校生にスピード違反の話をしたら、楽に、のびやかな大甲がでるようになりました。

( ゚Д゚)

車の運転をしたことのない子どもに、この話をしている時点でどうかと思いますが、うまく伝わりました(笑。

車の運転、バイクの運転をするかたならもっとわかるかもしれませんね。

アクセルを踏むだけです。
スロットルを回すだけです。
変化はそれだけで、スピードが変わります。
ご自身の息のスピードを上げるときのアクセルは何か?をシンプルに探ってみましょう。

息の流れを優先します。
作ってから吹くのではありませんよ。

もちろん、音になるところに息が当たっているという大前提があります。
楽に音を出すために、息のスピードという面のみ、簡単に考えてみましょう。

 

では、ごきげんよう。

 


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