尺八の違いを知る
さて、ちょっと生徒さんの事例をお話します。
その生徒さんは、ちゃんとした製作者のちゃんとした尺八を持っていらっしゃいました。
仮にS銘としてましょう。
僕が吹くと、バリバリとなります。いい音がでます。これで練習されても十分かと思います。
ただし、少し本当に少し、ちょーっとした理由で吹きにくいのです。
その吹きにくさを感じにくい楽器を新しく購入するかどうかを勧めるのは悩みどころです。
だって、十分に良い楽器がありますから。
丁寧に練習をしてゆけば、その吹きにくさを乗り越えてゆけると僕は思いました。
なので、一年ぐらいその楽器で頑張りました。
あるとき、別の生徒さんが楽器を購入する機会があって、何本かをS尺八工房(あれ、これもSだわw)から送っていただきました。
試しにということで、吹いてみたら。
( ゚Д゚)
「なにこれ、吹きやすい!」
「私も買います!」
ということがありました。
決して安い買い物ではありません。でも、すぐに生徒さんは決めました。
僕が練習で超えられるかとおもっていた、吹きにくさは、生徒さんにとって結構な吹きにくさだったみたいです。
そのちょっとの吹きにくさで練習が大変だったみたいです。先生としては反省です。
「吹きやすい」ということは、練習も楽しいですし、思った通りに音がでること、自分の練習が正しく反映されていることが実感しやすいですから。
練習が楽しくなったそうです。
こうもおっしゃっています。
音を出すための動作がやりやすいかどうかが、わかってきたから、この楽器の吹きやすさがわかったんだ。とも。
なので、もしかしたら、レッスンのスタートと同時に楽器を勧めていても購入されなかったかもしれません。
むずかっしーところです・・・。
そしてそして、
その新しく購入された尺八をつかって一年ほど練習されたあたり。
昔につかっていた楽器(吹きにくいので使うのをやめていたS銘)をふと吹いてみたそうです。
「なにこれ、いい音する!!!」
だったそうです。
吹きやすい楽器で練習したことで、以前の楽器もよい楽器として生徒さんの中でよみがえりました。
さて、ここで大切なこと。
以前の楽器も、新しく購入した楽器もいうなれば、変化していません。
変化したのは生徒さんご自身なのです。
いい音を出せる理由は、練習したからです。
楽器のせいにするかどうか、よく考えてみてください。
楽器のせいではないな、と思ったら練習しましょう。
ちゃんど練習した後にようやく「うむ、楽器のせいだ」と分かると思います。
吹きやすい尺八で練習すると、早くうまくなります。
どうしたら音がでるかを体が早く覚えます。
そういった意味でもよい楽器(値段の意味ではないです。)を購入するというのは意味があります。
あ、でも、そもそも、話にならない楽器を使っていたら、練習する前に、ボーダーラインを超えた楽器を使ってください。
悠、なる八くんは、入門用として最適です。
悠、なる八くん以下の性能の楽器は山ほどあります。
竹製でも、金額が高くても。それは製作者の責任でもあります。
楽器は信頼のもてる工房で、信頼の持てる人と相談して購入いたしましょう。
僕がお勧めするポイントは、
「音が出しやすいかどうか?」
音が出しにくい楽器で練習したってたのしくないですからね。
悠、なる八くんで練習していて、音が出しにくいって場合は、もしかすると考え方や、アプローチの仕方に問題がありますので、僕のブログの吹き方の解説をよく読んで見てください。
もちろん、僕のところにワンレッスンに来ていただいても構いませんよー(笑。
時代が変化してゆく中で、
楽器は進化しています。
吹き手も進化してます。
となれば、当然、指導の仕方も、音楽も変化、進化してゆく必要がありますよね。
たくさんの人が、気軽に尺八に触れて、ぱっと音がでると思ってくれて、自由に、楽しく音楽をするときがくるように尽力したいです。
では、ごきげんよう。
(この話はこれでいったん終わります。)
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