三曲合奏とか江戸時代とかそのあたりに作られた曲を演奏するときの「だいたい音感」トレーニング

尺八で古典を演奏するための音感

尺八を始めたばかりの方でも、「黒髪」とか「六段の調」とか江戸時代に作られた曲を演奏する場面に出会うことがあると思います。

もう今はそんな先生は少ないかもしれませんが、先生によっては、黒髪・六段の調が手ほどの基本として、取り上げられることもあるので、いきなりなかなか大変だなと思うこともあります。

尺八の魅力に嵌まってしまった方は、江戸時代に作られた三曲合奏をするのが大好き!という方も多いと思います。

そこでも問題になるのは、音程です。
特に、都山式で紹介すると、ツの半音(今後半ツと書きます)やハの半音(今後半ハと書きます)に頭を悩ます方はおおいのではないでしょうか。

これまで、だいたい音感を身につける中で、頭の中でメロディを描いて、その音を探しましょう、ということで、基本運指のロツレチハのだいたい音感を身につけましょうと説明してきました。

じゃあその応用で、半ツ、半ハが出てくる知ってる曲をやれればいい。。。。

のではありません。
江戸時代の音楽を演奏するための「だいたい音感」ですから、なるべく昔の雰囲気に近い、江戸っぽい、古っぽい、タイムスリップできそうな曲のほうがいいのです。

江戸時代の曲をただただ、楽譜に書いてあるとおり演奏するのでは意味がありません。
それはもはや形骸化した伝統です。
当時の音楽は、当時の生活様式、文化様式とともにあります。
すこしでも当時の生活様式や文化様式に近づくことがそれっぽくなるヒントでもあります。

 

着物???正座?ちょんまげ???

 

なかなか実際にするのは難しいですから、音楽だけにしましょう。

とはいえ、今取り組んでいる、黒髪、六段の調などのメロディは簡単に思いつきませんよね。
その曲ばかり練習していても効率が悪すぎる、知らない曲ですから、それに近づくための準備や練習が必要です。

 

割とみんなが知っていて、ちょっと昔っぽくて、ぎりぎり僕たちをタイムスリップさせてくれるメロディ。

 

 

 

( ゚Д゚)

 

 

「さくらさくら」を練習しましょう。

めちゃくちゃ吹いてください。

アホほど吹きましょう。

春になるまで吹きましょう。

三曲を活動の軸とされる場合、初歩の内で音程が心配な内は、基礎練習にしてください。

 

尺八の方は、レで始まるさくらさくら、ハではじまるさくらさくら、2種類のさくらさくらを練習してください。

 

半音の感じ、半音の艶、半音の色、なんかをこだわって、こだわって、自分がタイムスリップして江戸時代を生きているくらいのつもりになって、じっくり味わってみましょう。

これも、楽譜見ない方がいいです。
頭の中でイメージした音にする、という気持ちが重要ですし、江戸時代に楽譜はありませんから(笑。

チューナーも見なくていいです。
だって江戸時代にチュー(略。
チューナーにあわせることが目的ではないので使いません。

思い描いたメロディに当てることが目的ですから。

そして、必ず録音して確認しましょう。
(やば、江戸時代にないけど(笑。これは上達のためには欠かせませんので)
ご自分の思い描いた「さくらさくら」ですかね?

ご自分の頭に思い描けた「さくらさくら」を演奏できていますか?

現代の音楽感覚、平均律の音楽の中にいるのが当たり前ですから、本来の昔のみなさんの音程感覚に近づくのはとても大変なことです。

それでも、すこしでも、私たちを、その時代の近くにつれていってくれる「さくらさくら」は、江戸時代の曲を練習する前にその音楽の音階の要素を感じさせてくれます。

300年も前の音楽をやろうとするのですから、手がかり、ヒント、はしご、近づけてくれるものが必要です。
「さくらさくら」からすこし、ごくわずかですが、近づいていって、だいたいの「六段の調」ができて、「黒髪」ができるようになって、少しずつ、江戸時代の人になってゆきましょうw

そうしたら、形骸化した三曲合奏ではなく、すこしでも当時の伝統を受け継いだ三曲合奏になるとでしょう。

 

ちなみに、

レで始まる「さくらさくら」は、ロ 半ツ レ チ 半ハ ロ の音階で作られています。
この音階も死ぬほど吹いておいた方がいいですね。

ハで始まる「さくらさくら」は レ 半チ ハ ロ 半ツ レ の音階で作られています。
もちろんこの音階も、輪廻するほど吹いておいた方がいいですね。

 

やることは、わかった、やってみたら、音程とるのむずかしい!なかなか思った通りの音程にならない!ということもおおいでしょう。

では次回、半音(都山式、琴古流だとメリ)の音を出すときのことを改めて考えてみる。を紹介してゆきます。

 

では、ごきげんよう。

 

お箏の方も半音の押しでなど練習したいときは、平調子で調弦をとったら、調弦されている音で全部を弾くのではなく、~やよいのそーらーはー、の「い」にあてはまる音は半音の押し手で作ってみる、さくら、の部分も全音の押し手で作ってその感じをつかむのにはいいかもしれません。


ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
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