音は上達することでよくなっていきます。変化していきます。ご自分の変化に合わせていますか?

先日、「僕なりの尺八ワンポイント」の熱心なファンの方から、メッセージをいただきました。
熱心なファンの方とか自分で言ってしまってすみません。でもめちゃくちゃうれしいので、浮かれさせてください。

わーーい。

わーーーい。

ありがとうございます!

 

( ゚Д゚)

 

さて、落ち着きました。

そのメッセージにお答えするなかで、これは紹介したほうがいいかもしれないな、と思ったことがありますので書きます。

 

尺八を練習していると、過去の自分の成功が、足を引っ張る場合があります。

 

ということです。

ひとつ、ためしに想像してみてください。

僕が尺八を始めたのは、30年ほど前です。

その当時、中学生の鯨岡少年の「尺八を初めて手に取ったときの吹き方、当て方」をいま現在の、よい年齢になった鯨岡中年が同じようにしているでしょうか?

 

していません。

 

これだけ、時間が空くと、昔と同じように、つまり初心者のころと同じようにしてないだろ、ということは容易に想像がつきます。

ですが、日々の成長、日々の変化、となると、主観ではなかなか、成長に対応するという必要性を得られていないことが多くあります。
レッスンを受けている方は先生がそういった変化に気が付いて、良い状態に導いてくれることがありますが、自主練集だったり、独学の方だったりするとそれはなおさら難しいのです。

 

そもそも、尺八の音、というのは、初めに出た音、で固定されますか?いいえされません。

最初に音が出た状態から、本人の成長によって、尺八本体と成長した本人がプラスされて楽器として成長してゆきます。

 

尺八+本人=音色

 

尺八+本人=音色

 

尺八+本人=音色

 

尺八+本人=音色

 

尺八は同じなのに、本人が成長すれば、音色が良くなる。

これが尺八です。

極端な表現ですが、尺八は単体として楽器という状態ではないです。
演奏する人(の下唇)と組み合わさって、ようやく楽器になります。

演奏者の技量が上がれば、当然ほかの楽器と同じように、音色は向上してゆきます。

ただし、尺八本体が楽器として不安定である以上、演奏者の技量の変化による変化は、ものすごく大きな変化、なので、その変化にたいして演奏者が対応すべきことが多くなります。
(音色に対して尺八の役割が少ないという意味ではありません。かといって高い尺八を買えば、すぐに上級者の音色になるわけでもありません。このこともまた改めて解説します。)

で、この成長、変化ってのは、日々、その瞬間、起きています。

 

初心者、中級者の段階ほど成長の変化は起きています。

 

伸びしろが大きいから、成長も変化も起きやすいのです。

うまくなっているということです。

息の流れがスムーズになった。
ちょっとした筋力がついた。
ちょっとしたイメージの変化で息のスピードが上がった。

これらの変化、成長が、その瞬間瞬間で起こっているのが初心者であり中級者です。

その小さな成長・変化に合わせて、最適な結果を導けるように要素を変化させて対応させているかどうか?

過去の自分(今より下手な自分)の成功体験(ともすると癖)にしがみついて、レベルアップするチャンスを逃していないか?

ということなのです。

そして、上級者はこの事実に気が付いているので、日々、吹き方、当て方、をその日の様子に合わせて、一定の結果を出せるようにしているのです。
プロや上級者として求められる一つの要素は、ブレがすくないこと、安定している、ことだと僕は考えます。

日々、その日の様子、コンディション、いろいろな要件に合わせて、最善の結果、最善の音色を出せるように細かく調整しています。

 

よくある足の引っ張られ方としては。。。

・少ない息でも音が出やすかった歌口と唇の近い位置。
→これは、少しでも息が強く流れる、早く流れるようになると音が出にくくなります。音がが出にくくなるから、強い息、早い息をつかわなくなってしまう。

・ちょっと息が強く、早くなったら、歌口を離したほうが音が出やすくなった!
→この成功体験のおかげで、吹きつらいフレーズ、出にくい音になったら、つい歌口を唇から離して(カリ)しまう。

・唇に力をぐっと入れたら、音が大きくなった!
→もっと大きな音を得ようとしたときに、どんどん唇に力をいれてしまう。

・唇に力をぐっといれたら、甲音がでた!
→出にくいときは、唇に力をいれればいい!大甲音がでにくいときは、もっともっと唇に力をいれれば音が出る!と思ってしまう。

・唇の力を抜いたら乙のロがでた。
→もっと脱力してゆけば、もっと立派な乙のロが鳴るはず!とおもって、唇の力を抜き続けて息が漏れ続ける。

などなどなど。

 

これらは、ある段階においては、一つの結果を出してくれますが、長い目でみると、足を引っ張る要素になります。

こういったものを表現の一つとして手に入れるのはいいことです。

ですが、これがすべてではないのです。

 

「本当に達成したいこと」を実現するときには、新しいこと、できなかったことを手に入れようとします。
そんな風に考えてみたら、過去の自分、下手な時の自分の成功体験は足を引っ張ることがあるのではないかと思えてきますよね。

 

次回は、どうやってそこから脱出するか。

「過去の成功、過去の自分を振り切るには!」について書きます。

 

ではごきげんよう。


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