さてと、七孔尺八について僕の考えを書いてゆきます。
学問的とか歴史的とかそういったものではないので、ご了承ください。
音符に関しては都山式で書きます。
音量、音質、すべてをコントロールして思ったように音が出せる!
良くあるご意見で、こんなのあります。
「ツの半音、ハの半音、あの音色こそが尺八の醍醐味!」
ごもっともですね。
でも僕が思う尺八の醍醐味はそこじゃないんです。
だから、尺八の好きな部分がが違ってるので、その価値観じゃないんです。
違うだけなんです、でもお互い間違いじゃないですよ。
僕が尺八を吹いていて感じる大きな特徴、好きなところは、見出しの通りなんです。
「音量、音質をすべて思ったとおりにコントロールして音が出せる。自分の声のように操れること。」
吹き込んだら吹き込んだ分、音量は鳴るし、そっと吹けばそっと鳴ってくれる。
表現したいように表現できるところに魅力を感じています。
尺八にはいろいろな特徴があります。
そのいろいろな特徴をどのように(好きとかきらいとか、どうでもいいとか)捉えているかということです。
確かに、ツの半音、ハの半音、は尺八の特徴です。
でも、(尺八本曲を除いて)音楽の特徴ではないです。
機能的制限で得られた音色で満足していたら、音楽的に必要な音色を考える機会を失ってしまいます。
良く鳴っている音色の間に、機能的制限で音量や音色が変化したツの半音、ハの半音が時折出てくると、それだけで音楽の表現がされているような気がしやすいのです。
ツの半音、ハの半音が出てくるとその部分で音色が変化して、音質が変化しますから、表現している気分になります。
一方で、全音系は何も考えず、ばびゅーっと鳴らすだけ鳴らす。
これは、楽器の機能的制限で得られた音色や音質は、真に音楽的表現といえるのですか?という問いかけです。
そのことをしっかりと考えて、五孔の奏者で演奏している方たちはごく一部です。
ほとんどの場合は、その先に進めていません。
で、そういったトッププレイヤーならば五孔でもツの半音、ハの半音を同じ音量、音質で使いこなしているように吹いていらっしゃいます。
技術でリミットをはずそうとしていらっしゃいますから、ほんと尊敬します。
こういった方たちは、七孔で吹いている僕のことを刺してきません。
音楽的表現を求められたときに、リミットをどう外すか、考えているからです。
最終的には同じことを考えているからです。
僕はどうしても、五孔で同じ音程がでる、それなりに音量がでるとはいえ、それでも本質的には違うなと感じたので、五孔でも七孔のように吹けるから必要ないという考えには僕はなりませんでした。
僕が尺八の魅力として感じた
「音量、音質をすべて思ったとおりにコントロールして音が出せる。自分の声のように操れること。」
をツの半音、ハの半音は楽器に制限をかけてくるんです。
そのときに、機能的に制限されることは大きなストレスになるんです。
僕が好きな尺八の特徴を消してしまう、特徴ってことなのです。
七孔で吹くことによって、僕はすべての音に音楽から求められる表現で吹くことができます。
なので、尺八の特徴とも言うべきメリ、カリといった動作をすべての音に使いながら演奏します。
メリカリを多用しているというのはこういったことです。
もちろん、補助孔を使わないで五孔の指使いでツの半音、ハの半音も鳴らすときもあります。
選択肢が増えているんです。
音楽的にもとめられた表現を、自分がこう表現したいという思いをすべて尺八の音に変えます。
その特徴も含めて、尺八だから、好き嫌い言うな!
じゃあ、尺八じゃなくていいじゃん。
フルート、とかサックスとか、ほかの管楽器でやれよ!
とかいいうから、もう意味がわかりません。
僕は、めちゃくちゃ尺八が好きなんです。だから尺八で吹きたいんですよ!
てか、この楽器を手に取っている人間に言う言葉じゃないでしょ。
ならば、最初からフルートとかサックスしてるわ!
他の楽器でやればいい、とか言う人の考えが全くわかりません。
尺八はいわゆる尺八でなきゃいけないんですかね?
明治期に守るということで一つの成果は出たかもしれませんが、もう守るだけで生き残れる時代ではないのですよ。
平成でなにか一つの答えは出たんじゃないかと思っています。もう平成も終わろうとしているのに。
(この話題だけでもながくなるからこの辺で)
シュウマイの上に乗っているグリーンピースは苦手だからそれを外して、シュウマイを食べる。
シュウマイの本質はグリーンピースだから、グリーンピースも含めてシュウマイ、グリーンピース外すんだったらシュウマイ食べないで餃子たべろ!
いや、シュウマイと餃子はちがうやろ。
って話です。(もともとグリーンピースは数を数えやすいからのっているという話ですが)
七孔は、僕の好きな尺八の特徴である「思いっきり吹いたら思いっきり鳴る、そっと吹いたらそっと鳴る」の制限を外し最大限にしてくれます。
当然、五孔の指使いもできるし、すべての音に均等な音質から、メリカリの操作を入れて、自分の表現をかけられる、こだわることができる。
ツの半音、ハの半音に限らず、他の音でも、指使いや昔からの固定した考えだけで、音色・表現が制限されている音があります。
その音がなにか、ぴん!ときた方とは、お話が合いそうです。
ツの半音、ハの半音の音色、尺八の鳴りにくい感じ、機能的制限などが好きな方に、
じゃあ、地なしの古管の方でいいんじゃないですか?
中途半端な地入りの現代尺八じゃ、魅力殺してますよ。
音程がとれてないですし、そんなハンパな感じだったら七孔にしたらいいんじゃないですか?
って僕は、絶対にいいません。
僕はそういう目的で七孔にしているわけじゃないですから。
みんなそれぞれ、尺八のたくさんある特徴のなにかに魅力を感じています。
尺八が好きだという気持ちは同じなんです。
自分が好きだと思う部分は誰からも制限されるものではないのです。
七孔の尺八を吹いていて「おもちゃみたいな尺八」と言われた若かりし頃の僕、さぞ辛かっただろうに。
みなさんは、尺八の何が好きですか?
どんなところが魅力ですか?
それを改めて考えてみたら、昨日よりちょっとだけ上手な演奏、人に伝わる演奏になるかもしれません。
文字数も多くなってきたので、まず今日のブログはこのくらいにしておきます。
まだまだ書きたいこといっぱいあるのですが、この話題ばかり続いても興味のない方もいらっしゃいますので、不定期でまた書きます。
とげが多くなってきそうなので、気をつけて書きます。
攻撃しているわけではないです。
固まってしまった筋肉を解放する針のようなものと思っていただけるとうれしいです。
新しく始めようとしている方には、自分もそう思う!みたいに、背中を押せたりできたりしたらいいなと思います。
大事なのは自分のこだわりです。
この楽器で何を表現したいか。
それは自由です。
枠の中だけで、制限されて、だれかにやれと言われてやるものではありません。
ではごきげんよう。
ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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