綺麗で、良く響き、息が充実して鳴っている音を一個見つけて広げてゆく。

あくまでこれは僕の感覚でしかありませんが、

乙音、甲音すべての音を一つなぎで同じ音質音量になるように吹く

ことを意識する場合、乙音の方をかなり気をつけて吹いています。

 

まずは、気持ちの良い音、響き、鳴り方、音量、吹いている実感、しんどくない、気持ちよく伸ばせる、などの要素を持つ音を1個でもいいので見つけます。
それが、僕は甲音のレ、乙のチでした。

甲音は外吹きになりやすいので、思いっきり吹けば、普通にすぱーーーーっと音がでて気持ちいいです。
なので、甲音を吹くときに使っている息の力とか圧力とかそういった(あくまでイメージ)ものをそのまま、乙音に持込みたいと思って乙音を丁寧にしっかり吹くことに意識をしました。

おなじように、乙のチは思いっきり鳴らすことができたので、それも中心の音として、甲音とスムーズにつながるように練習をしました。

 

甲音のレ→4孔開けの甲音のロ(爆鳴らし)→乙音のハ

という風に思いっきり吹いている感覚の維持と音色の維持、一息でつなげて感覚を保つようにしました。

4孔開けの甲ロは、使わない方がいいと、子どものころに、教えられていました。(当時の先生は流派の型を守ることを優先していたからだと思います。型に厳しかったです。)
東京へ福田輝久先生のところに習いに行くようになったら、「甲ロは4孔を常に開けなさい。」と教えられました。
・どれだけ吹いても音が割れない状態の感覚
・唇が閉じて抵抗を感じて吹き込んでいるように感じる感覚(これは間違い)
の違いが音として実感できます。間違った吹き方をすると、甲ロのオクターブ上、ピ、の音になるからです。
(まだまだ4孔開けのロにはいろいろな意味があるので、またあらためて紹介しますね。)

これで、4孔開けの甲音のロ、乙のハの鳴り方がかわりました。

もともと鳴らせていた乙のチと連携させて、乙のレ、ツ、ロとじわじわと感覚が一致するようにして行きました。
(乙ロを爆鳴らしする状態になるには時間がかかりました。)

「4孔開けの甲音のロ」これはここでも大きな役割、指標となってくれました。

吹き込めば吹き込んだ分だけ大きな音になる。
音がひっくり返ったら、スピードが上がりすぎ、唇が閉じた、など望まない状況ができたことがすぐわかります。

かなり癖のある特徴的な吹き方をしている自覚もあります。
わりと無理矢理鳴らしている部分もあるかもしれません。

良い楽器(泉州尺八工房の尺八など)をもつと、効率のよい鳴らし方を楽器がある程度教えてくれる部分もあります。

 

楽器を初めて吹いたときにでていた、乙音、あれは音がでただけです。

尺八になれてきて、乙音を出そうとおもっているのに、うっかりでる甲音。
そのあたりから、ようやく「尺八を吹く」ということに慣れてきてでた音の始まりかもしれません。

音の出やすい状態を楽器に教えてもらい、それに寄り添うように、楽器を乗りこなして行く感じ。
わがままに吹いているだけでは、得られない感覚かと思います。

音の練習で乙音を吹く練習、もっといったら乙ロを吹く練習が重要視されますが、出しにくい音を練習するのはあまりよくありません。

うっかり吹いたら甲音がでるのなら、その音がきれいに鳴り、響くようにその音を中心に練習されて問題ありません。

楽な吹き方で綺麗に鳴って、息があっという間になくなる感覚もなく、充実してふける音、の状態を中心に、すべての音が出せるように考える。

 

しんどい吹き方をずっと練習していても、楽になることはないかも知れません。
いい音が出る状態が僕はとても気持ちよく、楽に感じたので、上手くいったかもしれません。

楽に吹ける状態の「楽」とは何かの勘違いがないように気をつけてください。

 

ではごきげんよう。


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