価値があると思ってもらえてようやくイスが生まれる。価値がないと判断されたらイスはなくなる。奪われるのではなく、なくなるの。

業界の中で評価されることを選ばず、業界の外での評価を得てゆくことを選んだと昨日のブログで書きました。
そのお話をもう少し踏み込んで書いていきます。

これは、あくまでその時代、そして今とある地方における一例なので、すべてに当てはまるわけではありません。
地方で音楽で生きていこうと思った大馬鹿者の戯言だと思ってやさしく受け止めてください。

 

仕事を「イス取りゲーム」と考えている人、多くないですか?
あるイスを何人かで奪い合う。
つまり、イス=仕事はすでに存在している。

僕は、そう考えません。

「イス作りゲーム」だと思っています。
つまり、イス=仕事なんて存在していない。

という考えからスタートしています。

業界の中での仕事、というイスを考えていると、そのイスを奪うとか取るといった考えになるかも知れません。
そうではなく、業界の外での仕事、活躍の場、をイスとして新たに作って行こうと思いました。

 

ものすごくありがたいことに、業界でも一般にも無名な薫風之音をゲストに呼んでくださることもあります。

だから、めちゃくちゃ一生懸命やります。
楽しんでもらいます。呼んでいただいた方が、呼んでよかったと思っていただけるように。

評判が良かったので、また来てください!といわれると、めっちゃくちゃうれしいです。
そうなると、いままで、和楽器を相手にしなかった方たちが、和楽器を見てくれるようになります。

 

まだまだ、作れます。
まだその段階だとおもいます。

 

取り合う状態まで、まだいってないのに、取り合おうとしている。
取り合うものすらないのに、誰かがとってるから、自分のイスがない!とヒステリックに叫んでいるように思えます。

 

13,4年前の活動をし始めのころは、一生懸命、イスを作りました。

外から見るとそれは、イスを独占している、と見られていたかも知れません。
「あるものを全部とっていった」「安いギャラで引き受けている」「ノーギャラでやっている」などと言われたこともありました。

いや、違うんです。全部逆です。
「全部新しく作って行った」「ギャラは値下げしなかった」「ノーギャラは断る」としてやってきました。

納得してもらえる価値があるとわかってもらうように努力をして、いままでなかったイスをたくさん作ったんです。
だから、独占しているように見えるかも知れませんが、それは、他にも分けることができるイスなんです。

イスに居座るのではなく、どんどん回してゆくこと、一定のクオリティを満たし、新鮮味のあるものを提供できるように、回してゆくことが必要だと思います。

ただそのイスで演奏するには、条件があるんです。
誰でもいいわけではないのです。

価値がない、とおもわれたら、そのイスはなくなってしまいます。
具体的に説明すると大変ですが、覚悟や責任や、価値があると思われる結果を出さないと行けないのです。
自分のためにやることではなく、主催者、お客様、その趣旨、を満たす結果を出すことに心を注げることだと僕は思っています。

 

目的を達成するために適切な手段をとる。
依頼を受け、お金を受け取るということは、とても責任の伴うことです。

 

いいものはいいから。

伝統は価値があるから。

 

そんな根拠のないもので、お金をいただく責任は果たせないと思います。
イスも作れません、にどと、同じジャンルに、イスをつくることも期待されないでしょう。
信頼をつくるのには時間がかかります。ですが信頼を失うのは一瞬です。

 

そして、こつこつやれば、まだまだイスを作れると思っています。
イスを作り続けるには、多くの仲間と力を合わせないとできないなと、思っています。

 

実際に僕はたくさんの演奏家の仲間の力を借りて、主催者さんに、こんなこともできますよ、あんなこともできますよ、いろんなことができますよ、と紹介してきました。
お互いが演奏家としてキャリアアップ、力をつけて行くというなかで、安いギャラでも引き受けてくれて本当に助けてもらいました。

そんな経験からも、
同世代の仲間の力を借り、次の世代の力を借り、その次の世代の力を借り、次の世代の演奏家が、プロとしてのキャリアを積んでゆけるようにつなげてゆくこと
がとても重要なんだと思っています。

 

この話、もう少し続きます。
なんかお付き合いいただいてすみません。

新しい年になるとか、センター試験の時期とか、もう数ヶ月で新年度になるとか、そういうこともあって、進路、就職する、音楽の道に、とかで悩んでいる人もいるかな?と思って、自分のすこし青臭い経験や考えを書いています。

 

ではごきげんよう。


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