吹けば吹くほど、自分には、わからなくなり、そこで考え出したのは、下唇でした。

クセにクセを重ね、クセの大渋滞を起こしている状態にたどり着いた僕。

いわば、クセの果て。

クセの果てで、ようやく鳴るようになったバキバキバキバキの音!出したかった音。

しかし再現性か低く、いつでも鳴らすことができない。
楽屋ではバンバンバキバキ、本番ではヒョローリーー。

このままではあかん!とおもい、いろいろなクセを取る?再現性の高い吹き方、安定性のある吹き方を得るためにいろいろなクセを辞めるようにしました。

(ここでいうクセ、ってのはいわゆる癖ではなく、独特の感じ、とか個性的な感じとか、そういう言葉で受け止めてください。)

 

僕のクセの始まり、それは、

唇を横に引く

という吹き方です。

楽器を吹くなら、吹くような口じゃなきゃいかん、という考えが強かったんだと思います。
口を横に弾くという方法で吹き、そこそこ上手くなってゆくわけですから、それを考え直そうなっておもいませんよね。

 

ですが、

 

まずは、そこを直しました。

師匠の福田輝久先生からのアドバイスで「下唇がうごきすぎるね」と言われました。

 

正直

 

 

でした。

 

動き過ぎる!?

 

ただ動くだけでなくて、動き過ぎる!!

 

過ぎると言うことは、すんごい動いている、ってことだろ。

すんごく動いてるのに、

自分は動いている自覚ゼロじゃないか!!!

 

これは、そうとう凄い感覚の違いになってるぞ!と。

 

で、僕は下唇を尺八に委ねる吹き方を練習しました。
下唇が動かないように叩き込みました。

下唇が動くことに敏感になろうと。

練習方法があるのですが、ちょっと文字だと説明しにくいので割愛します。
(いつか動画で紹介したいと思います。)

上唇が閉じるだけで、息の流れを感じて、音が鳴る感覚にも敏感になりました。

 

そうすると、すべてが変りました。

すべてが自然に反応し始めました。

 

それは、クセの強さで動かしていた部分が、自然に導かれて反応し始めました。

なので、自然と動く強さを大きくしたり、小さくすることがしやすかった部分もあります。

 

自然に音がでるという吹き方、に変えなければ、クセの強さは、バランスが悪く、あくまで再現性の低い吹き方にしかならなかったと思います。

 

楽に息が流れるように、自然に体が反応するようになって、音がバリバリバリバリと鳴り始めました。

 

 

尺八を始める方には、僕のような苦労はあまりして欲しくないなと思っています。
苦労を強いるレッスンがまだ多いかも知れません。

 

自然と上手くなる。

初心者の内から、正しく体が反応して行く。

バランスのとれた感覚を得ながら、音色とともに自然と成長して行く。

 

そういった観点でレッスンを薦めて、スムーズに上達してゆけるように指導したいと思っています。

 

自然とそうなる。

自然に強化されて行く。

慌てずに、じっくりと成長して行く。

 

後に続く人が、素直に成長し、回り道することなく成長し、さっさと当時の僕を追い抜いて上手くなって欲しい。

僕もまだまだ上手くなってきますので、追い抜かれることはありませんが、当時の僕は、過去の僕はどんどん追い抜いて欲しい。

 

その手伝いはどれだけでもします。

 

初心者にわかりやすくとはいえ、効率がわるくて、プロがやっていないことを教則本に真顔で書いているのはおかしいですよ。
古い知識のまま、甲音を出すときは「唇を締めればいいだけ」だなんて真顔でアドバイスしてるレベルの低さ。
そんなこと誰もしていない。

唇を締めた時点で、そのとき出している乙音と甲音に音量の変化が、音質の変化が起ってしまうじゃん。
それらは、まさに下手に聞こえる理由。

下手になる吹き方のアドバイスしてどや顔決める人がおおいですから、気をつけましょう。

 

伝統のもの、和楽器だから、昔の技術が正しい、昔から言っているから正解。と思い込まない方がいいです。

いろいろなものが変化しています。

楽器を扱う技術の上に、伝統的なものを吹くときに必要な技術、古典を、本曲を吹くときに必要な技術。ポップス、アニソンを吹く技術。
なぜ音が出るかを理解して、楽器を扱う技術そのものが大きな基礎です。

 

 

ではごきげんよう!

 

 

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