尺八を吹いていると、しかも演奏家してるとなると、聴かれることがおおい。
「アレですか？お父さまも、代々尺八を吹かれるようなそういう家柄なのですか？？」と。
「いえいえ、仕事熱心な家族思いのサラリーマンですよ。」って答えるのですが。
やっぱり、尺八みたいなドマイナーな楽器をやろうとするとそんな風に思われるよね。
「代々の家柄の」という認識や考えは、伝統楽器とかだとすんなりと受け入れられるような設定なんだなと思います。
そういえば、僕は中学生のときに尺八をはじめたんだけど、そのときなぜかわからないけど、学校の音楽の先生に「芸大に行こうとでもおもっているの！？」みたいな結構、いやーーーな感じで言われた記憶があるんだよね。
尺八、趣味ではじめちゃだめなん？
芸大にいくとかそういった目的ないとやっちゃだめなん？
これも、突然尺八始めるってのはおかしい！っていう考えかたなのかなって。
芸大にいくとか特別な理由がなければ、そんなものやるわけがない。という考え方。
その先生とは相性が悪くて、どうやらそういうのが生意気に感じられたみたいで、音楽の成績をウソみたいに悪くつけられたなぁ。
でも学年が変って、音楽担当が別の先生に変ったら、ちゃんとした成績つけてもらえて良かった。
演奏家してます。
プロです。
っていうのも信じられないみたいで、「そんなわけないでしょ」とか「たべれるわけないでしょ」とか言われたなー。
タダであれしろころしろ、とか言う人に限ってそう言うんだよね。
食べれなくしてるのあなたみたいな考えの人でしょ、ってよく思いました。
ちゃんとしている人ほど、駆け出しのころの僕にもギャラを出してくれたなぁ。
ありがたいなと思うし、ちゃんとしている人だなって尊敬する。
代々伝わる家柄だから、みたいな何か特別な理由がないと、できないだろという思わないと自分の考えや経験からかけ離れているから納得できないんだよな。
というか、代々伝わる家柄だったら、僕には無理ですよ。
使命があるから、すんごく大変。
僕には無理。
僕は僕のことを一生懸命やるだけしかできないから。
だから、そういう方のことはマジで尊敬の思いしかない。
演奏家であること、音楽家であること、これって別の音楽ジャンル、だったらどんな反応なんだろう。
もっと、無理、って思うのかな？？？
んなわけない、できるわけない、って思うのかな。
伝統楽器だから、伝統なら、代々なら、家柄なら、出来ると思えるのかな。
音楽家も職業です。
個人事業主です。
スターになりたい、とか、代々の家柄の人になりたい、とかじゃなければ、ふつうに実現できる仕事だと僕は思っています。
想像できる範囲のことに置き換えて考えれば、そこまで現実離れしたことではないと思う。
何が言いたいかというと、まだまだ、世間の認識って頑な何だなって。
そして、和楽器は、趣味でOKなんですよ。
音楽がやりたいな、と思ったときに選択肢の中に入れていい楽器なんですよ。
特別な理由がないとやっちゃいけない楽器ではありません。
（もちろん特別な理由があってもいいですが）
和楽器は日本の楽器だし、民族楽器なんだよね。
いちばん身近にあるはずの楽器。
でも、それが今は、距離のある楽器、何か特別な楽器になってしまっている。
伝統という言葉を都合良くつかって、楽器としての面を塞ぎ込んだり、上達のヒントや近道を研究しなかったり、ポピュラリティの高い音楽を目指すことを否定したり。
どうしてそうなったか、どうしてそうなってしまったかを考えてみれば、和楽器がいちばん身近にある楽器に戻る日も来るかも知れない。
時間はかかるかも知れないけど、自分の活動を通じて、すこしでも、なにかでも、一矢報いたいと思っています。
和楽器を趣味として楽しもう。
和楽器で音楽を楽しもう。
めっちゃ、いいじゃん。
ではごきげんよう。
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