メタル尺八のことが話題になってきております。
先日もTwitterにて東京新聞の記事を紹介しましたら思わぬ反響。
誰でも音が出る「メタル尺八」 東京の工房「もっと気軽な楽器に」 (東京新聞) https://t.co/oG42OhfYjE #linenews
— 鯨岡徹【薫風之音】 (@kujira108) August 16, 2019
結構なリツイート、いいねをいただきました。
自分で考えたネタ・話題よりも、共有Tweetが反響あるのは複雑な気持ちですね(笑。
(楽器経験が理数系の学力を上げるとかいう記事を共有したときも反応でかかったなー。やっぱ内容とか興味引くし面白いもんなぁ。)
とはいえ、それくらいインパクトのある記事なんだと思います。
・誰でも音が出る、
・メタル
・気軽な楽器
それらの言葉を受けるのが、その言葉と真逆の位置にあるような存在、
尺八
ですから、認知的不協和しまくっているので、興味も引くだろうし、心の整理もつけたい。
誰でも音が出るぅ?そんなわけないだろ!っていう声も多いですね。
認知的不協和を整理するためか、解消したいからか、でるわけない、鳴るわけない、演奏できるわけない、と話は飛躍していることに気がつかず期待やハードルを勝手にあげてきます。
音が出る段階と、音を鳴らす段階と、演奏できる段階は、全然違います。
どんな楽器でも、練習が必要ですよ。そのこと忘れないでください。
その、音を出す、というスタート地点が、とても簡単になっている、というものを、すぐ鳴らせる、すぐ演奏できる、に考えている人もいそうです。
そうでなくても、それでも尺八なら音出ないものだって、って思いたい人もいるでしょう。
確かに誰でも音が出る、というのは言い過ぎかも知れません。
でも、メタル尺八は、一定のレクチャーを受ければ、音は出るとおもいます。
(これまでの尺八も一定のレクチャーを受ければ、音を出すのはそんなに難しくないのですが)
これまでの尺八に比べて圧倒的に、もっと音が出やすい、音の出し方を感じやすい、楽器になっていると思います。
それくらいに、普通の動作を普通にすれば、普通に反応する楽器にまで精度が上がっているということです。
自分勝手に好き勝手にやって音が出ないってのは仕方ないと思いますよ。
なにしてもいいってわけはないです。
でも、この一定のレクチャーで、普通の動作を行えば、音が出る精度まで仕上がっている、というほかのジャンルでは当たり前のことが、尺八という楽器においては実現できなかったのです。
信じられない世界に突入していると思います。
これまでの「尺八」という存在がどういうものだったかをあらためて考えてもらいたいのです。
多分良く分かってない方の方が多いです。
これまでは、極論かも知れませんが、「癖の塊のような楽器を、癖の塊のような演奏者が、癖満載で吹きこなしていた人が名人と呼ばれていた。」と認識してください。
癖と癖が上手く、合致すれば、良い反応が生まれるかも知れませんが、だいたいの場合は、それがかみ合いません。
なので、普通に吹くこと、を指導できない。
普通に吹くことで、普通にいい音をが出る楽器が、良い楽器だという認識が育っていかない。
というような地獄のような時期があったと。
その上、尺八という楽器は、伝統、昔からのやり方、といったものにとどまっていて、
品質がなかなか定まらない。
偶然良いものができたり、良いものをまねしても、同じようにできないこともある。
品質を一定にすることを目的にしても、竹材という自然のものを使うので、どうしても差はできる。
製管師の方は、技術を上げて、尺八を楽器に使用と努力してきていても、なかなか難しい面があった。
そんな中でも、音の出やすい、鳴りが安定する内径、や、歌口の角度や深さなども研究されて楽器は進化してきました。
プラスチック製の「悠」だったり、塩ビ管の「なる八くん」だったりの方が、下手な尺八よりも、いいと言われる理由は、均一の素材で一定の品質のものを作っているからです。
そんな中で、普通に吹くことで普通に鳴る尺八が制作されて、普通に吹くことで普通に良い演奏ができるプレイヤーも増えてきました。
その結果うまれたのが、現時点において常に一定に最高品質を保つものが「メタル尺八」だというわけです。
尺八をふくものからしたら、異常なほどの反応の良さに鳥肌が立ちます。
思った通りに音になります。
いろんな意見があるかと思いますが、僕は素晴らしい楽器、だと思います。
メタル尺八を設計した泉州尺八工房さんには大学生のころからお世話になっております。
代表の三塚さんには、新潟の地方でそんなに上手くもないのにプロになろうとしてるどうしようもない僕の話を聞いていただいたり、アドバイスをいただいたり、背中を押してもらったり、なんやかんやとご迷惑をおかけしたりして、恩人であり心の師でもあると思っております。
三塚さんは演奏家としても、楽器の製作者としても、作曲者としても、指導理論も、トップで活動されています、
尺八への思いや考え方、思想なども、いろいろお話させていただいているので、なるほどと思うことがたくさんあったり、自分の考えは間違ってなかったとおもうこともあったりど、僕はかなり影響を受けています。
だから、メタル尺八に関して肯定的な意見を持っていると思われても仕方ないと思います。
それでも、この「メタル尺八」は、尺八の新しい局面だと思います。
いろいろな技術が進化しています。
進化した技術をつかって、伝統楽器をつくる。
伝統のままである伝統楽器と、今の中にある伝統楽器、両方が必要だと僕は考えています。
業界の中には、「こんなもの尺八ではない。」「伝統に必要ない。」という方もいらっしゃると思います。
でも、僕にとっては、僕の活動にとっては、「ようやく僕の望む尺八が生まれた!」と思っています。
僕はメタル尺八をピカピカに鏡面加工して、ステージで照明をキラキラと反射させながら、薫風之音の曲をバリバリ演奏したいのです。
とアホみたいなことをいってますが。。。
尺八の音がだれでも出せる時代。
その音色、その音楽、で話ができるような時代がようやく来るのかもしれないなって。
ではごきげんよう。
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