息のコントロールのみで、音量の変化、音程の安定にこだわるわけ。

唇に力を入れたら、甲音が出た。

唇に力を入れたら、音が大きくなった。

 

これらは、一つの変化としては素晴らしい経験をされたと思います。

この変化をもたらした、この動作をもっと極めていけば、大きな音もでるし、高い音も楽々に吹ける様になるだろうと、思ったのです。

 

でも、僕は、これで大失敗をしました。

 

音を大きくするために、もっと唇に力を入れればいいと、思ってしまったのです。

高い音をだすには、さらに唇に力を入れればいいと、思ってしまったのです。

 

もっと大きな音、をだしたい、もっともっと、唇に力をいれて、息を強くして!!!

甲音、大甲音、パキンとならしたい、もっともっと、唇に力を入れて、息を鋭くして!!!

 

結果どうなったかというと、ある程度のところまではできるようになっても、その先のない状態、行き詰まって、まさに息詰まりです。

息の流れがただただ悪くなるだけ。

 

唇の変化による音量の変化は音程の安定はまやかしで、音色も変化していて、純粋なものではないと気がつくのにずいぶん時間がかかりました。
擬似的に得られている音量の変化、音質の変化によって音量が増えているように聞こえているだけ、そこになかなか、気がつかなかった。

それも一つの音色なのでムダではないのですが、いかに面倒なことを苦労して吹いていたのか、もっと楽に息が流れてもっとらくに吹ける状態があることに気がつかなかった。

 

唇の変化で得られた結果では、もとめたい効果はまったく得られません。

 

でも、

その先を越えてゆきたい。

その音を越えてゆきたい。

そう思うには、もっと別のアプローチが必要だったのです。

 

なので「息の流れを優先すること」を考えました。

 

スタートライン、基準となる音、自分の土台となる音、そのものを見つけることが重要なのです。

そして、その音、その音色が、大きくなる、小さくなる、という変化ができるように身につける。
楽器の個性、メリ音、カリ音の個性、に音色の変化を委ねるのではなく、自分でコントロールする。

 

 

一つの唇の状態は、ある程度の息の量の範囲、ある程度スピードの範囲が決まっていると僕は考えて吹いています。
唇の状態が変ると、その息の量の範囲、スピードの範囲も変ります。

 

唇の状態の変化が音色の変化だと考えています。

一つの唇の状態で、基本的な音色をつくり、その唇の状態でコントロールできる息の範囲がその基本の音色からの微妙な音色の変化。

大きく音色が変るときは、唇の状態が大胆に変る、というふうに大げさに考えています。

 

車が走るスピード。

自転車が走るスピード。

人が走るスピード。

唇を変えてしまうこと、車、自転車、人、と表現しました。
さらにいえば、車での、軽自動車とかスポーツカーとか、いろいろイメージしても良いと思います。
それぞれ、想定できるスピードの範囲があります。

同じ時速60キロのスピードでも、車のと自転車のと人のとでは印象が全然ちがいますよね。

乗用車で60キロのスピードを出すのはとても簡単ですよね。
なので、これが僕は通常の音色と考えています。
たとえ、甲音、大甲音だろうと、想定される範囲(実際の車だと法定速度とか、燃費が良い速度とか)のスピードしか出さないように考えます。

唇を変えずにどこまでの大甲音が鳴らせるかを練習します。

大甲音がならない、出しにくいと悩んでいる人ほとんどの方は、簡単に唇を変えてしまいます。
唇の形をかえたら、今までのっていた車の操作方法とかわってしまいます。

息の流れが変ります。

だしにくい、吹きにくい、さらにやりにくくなりませんか?

 

音楽の表現と関係なく、いままで自転車だったのに、急にスポーツカーで走り出したり、車を降りてみたり、トラックで走ってみたり。

しかもその乗り物に不釣り合いなスピードで走っている。

 

めちゃくちゃおかしなことが起こっています。
そしたら、音も音楽も、吹いている状態だっておかしな状態だって気がついてください。

音色の変化どころではありません。
音楽をしている中で違う楽器で演奏しているような。

 

 

 

でも僕はやってみたいこともあります。

人が時速60キロで走る。
実際にみたら、物凄いことだと思います。

限界を越えた音、常識を覆す音、といったところでしょうか。

いつか、そんな音が出してみたいと思います。

 

まとめるとですね、、、

唇が頻繁に、必要以上に変化すると、音が出やすい状態、を壊すことにもつながります。
唇の変化は息の流れを優先して、息が仕事をしやすい状況に自然となるくらいの変化、従属的な変化のみでよい。

音が出やすい唇の状態で、息がその音を効率良く鳴らせている状態、というのを徹底的に感じ取ることを重要にしています。

 

 

次回は、息の流れを優先することを、感じ取らせてくれた、「狙ったポイントに吹く」という感覚の話をします。

文字でも動画でも伝わりにくい話になるかもしれません。

がんばって書きます。
頑張ってしゃべりますが、伝わらなかったらごめんなさい。

 

では、ごきげんよう。

 

 

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