入り口と奥底、自分のいる場所と興味のある人のいる場所。

伝統を守るものがいない!

本曲に興味を持つ若者がいない!

 

まあ、まあ良く聞こえてくる言葉です。

さて、これも業界側、教室側の言葉ですよね。
尺八を習いたい、吹いてみたい、興味がある、という方は、一体どんな風に思っているのでしょうか?

考えたことありますか?

伝統に興味を持ってもらうために、本曲に興味を持ってもらうために、そのためには何が必要か考えたことありますでしょうか?

 

いきなり深いところに興味を持つわけない!

とまあ、結論が表題ですが。

まあ、そういうことです。

 

自分が長く業界にいる、どっぷりつかっている人ほど、忘れています。

そう、初めての人、興味を持ち始める人、ってどうなのか。

もっと言ってしまえば、世間の認識、そして、自分たちの感覚とのズレやギャップです。

 

じゃあ何に興味があるのか、というと。

 

尺八です。

 

尺八そのものです。

流派のことだって知りませんし。

有名な演奏家の名前だってたくさん知りません。

名曲の名前だってしらないでしょう。

 

でも、音をだし見てみたい、尺八の音色にひかれて、、、というのが原始的な動機です。

 

 

もちろん、スタートから流派のことを理解していたり、有名な演奏家の名前を知っていたり、本曲がやりたくて、という人もいるかもしれません。

でもそんなのごくごくわずか、まれのまれです。

 

ぼんやりとした興味、

ぼんやりとした尺八のイメージ

 

それを具体化していくこと、ハッキリ言えば、「好き、楽しい」という気持ちを育てることが一番のミッションなのです。

 

僕のお話をします。

かくいう私、中学生のときにはじめて尺八を手に取りました。

そのとき、流派のことも知りません、曲もしりません、演奏家の名前だって一人も知りません。

もっといえば、尺八の音を聴いたことがありません!!

 

でも、誰もやっていない。

 

というワードで、やったら目立つかなという下心いっぱいの動機で吹き始めました。

もちろん、音楽も好きだったし、尺八をはじめてみて、実際に吹いたときに、これだ!と思いました。

 

流派のことはなんとなくわかるようになりました。
曲のこともなんとなくわかるようになりました。
流派のこともわかるようになりました。

ずいぶん時間がたってからです。

基本的には自分が吹くことに一生懸命なんです。

免状をもらうこと、試験を受ける、ということがモチベーションになったと思います。

「好き」だったかというと、正直微妙です。

 

だから、一度やめます。

 

大学で再開し、そこで好きになります。
名人と呼ばれる演奏家の演奏に触れる機会もそこではじめてだったし、流派の違うプロの名前なんてずっと知りませんでした。

そして、師匠の音、演奏に出会って現在です。

はじめの動機、そしてどう変化していくか、何年もかけて楽器に触れてゆきます。

そのサポート、お手伝いができる役割ってだいじなのではないでしょうか?

 

僕が指導させていただいている新潟市ジュニア邦楽合奏教室だと

新潟市には、市が運営するジュニアのための邦楽合奏教室があります。

子どもたちが一生懸命邦楽合奏に取り組んでいます。

 

どこかで習っていた子が集まって、とかではありません。
業界の人は、わりとそんな風にかんがえるのではないでしょうか?

本当にゼロから、楽器を始めます。

そして、卒団までには邦楽合奏をバシッとかっこよく決める演奏が出来るようになります。

子どもたちも卒業していき、入れ替わりながら、成長してゆきます。

高校生で、どんな合奏曲を演奏するかとしたら、

「ディベルティメント」「こどものための組曲」「夏の一日」などなどの、往年の邦楽合奏の名曲が演奏出来ます。

 

ここでのポイントは、邦楽合奏、ということです。

子どもたちは、みんなと合奏する、ということに楽しみを感じ、なかまと音楽を作ること、そしてその楽器を好きになってゆきます。

 

それが今のアプローチです。

 

かつては、和楽器の一般的な習得方法で技術を身につけてきた人が、邦楽合奏に取り組む、という流れだったかもしれません。

いまは、生活様式も、音楽文化も、全然違います。

 

今の子どもたちが

 

楽器を好きになる。

技術を身につける。

 

ということを考えたら、必然とこれまでの方法とは違う手法をとらないと意味が無いと、悩まずとも考えずとも導き出されるでしょう。

 

子どもたちは、知識として古典などを演奏します。
でも、それが合奏の骨組みを支えている、演奏の技術を支えているとは思えません。

合奏の骨組み、演奏の技術を支えているのは、楽器が好きという気持ちと、楽器を演奏するためのおおきな土台の基礎力です。

 

古典の一曲もしらなくても、本曲をふけなくても、

 

誰よりも和楽器が好きで、合奏団が好きで、演奏するのが好きな子どもたちに育っていると思います。

 

五線譜で、尺八四重奏、三重奏で、パプリカ、lemon、ポップス、アニソン、とかいろいろ吹いていますよ。
できること、できないこと、ハッキリしていて面白いじゃないですか。

 

 

深いところにあるものは、尊いものとして価値が上がっている

伝統だとか、流派だとか、本曲だとか、そういったものは、現代の生活様式、音楽文化のなかにおいて、距離感があります。

圧倒的にです。

 

時代が違います。

 

だからといって、価値がない、と僕は言いません。

 

より、価値のあるもの、になったと思います。

 

そこに興味を持ち、そこに力を注ぐまで、育った人は、貴重です。

 

簡単にたどり着けて、簡単に学ぼうと思うものでは無いと思います。

 

 

そんな時代です。

 

 

尺八に触れている中で、何に興味を持って行くか、何に興味をもってもらうかは、生徒さんの選択肢でもあるし、指導者の広い見聞の中にあると思います。

 

 

1つのことにこだわって、価値感を押しつけるようなことがないように考えて見てください。

答えは、習いたい人、興味を持った人、今目の前にいる生徒さんの心の中にありますよ。

 

尺八を好きになってもらう。

 

とてもシンプルで、わかりやすいミッションです。

 

 

誰のために教えるのか?

 

シンプルに考えれば、業界の思惑や、指導者の思惑なんて、そこには一切必要ありません。

 

 

ではごきげんよう。

 

 

【中止となりました、延期します】
2020年3月20日(祝・金)に、新潟市で「尺八ワンポイント講座」を開催します。

講師は、わたくし、鯨岡徹と尺八基本吹奏総論の著者の鈴木隆也さんをお迎えします。
詳細は追って発表いたします。
ぜひ、この機会に基礎力アップいたしましょう。
ご予定あけておいて下さい!
※新型コロナウィルス感染拡大を防ぐ観点から、3月20日の開催を中止とし、延期といたします。
延期の日程はまた改めてご案内します。

 

※今日のごはん写真
とんかつです!かつやです!
久しぶりに食べました。やっぱりロースとんかつは美味しいですよね。
とんかつ、キャベツ、白いごはんと豚汁。最強です。
四天王ですね。四天王に守護されたカロリーは、そう簡単に人の体に入ることは出来ません。
四天王に守護されたカロリーはお皿の上にのこり、四天王がみがわりとなり、体に取り込まれます。
なので、このロースとんかつ定食はカロリーゼロです。
テーブルの上の壺に入った漬物を添えるとより強力な陣、五芒星が発生して、カロリーはマイナスになってしまいます。
六芒星になったら、自分のカロリーと引き換えに、もう一枚のロースとんかつが召喚されます。

 

【アイキャッチの写真募集します!!??】
みなさんのごはん写真、くじらさんの似顔絵!?など、TwitterのDMでコメントを添えて送ってください!
ブログのトップ画像で使用させていただきます。

尺八に関すること、もちろんそれ以外でも、質問・疑問もいただけたら、それにも僕なりの考えや体験談をお答えいたします。


尺八ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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