「喉を開く」という言葉をどう理解しているか?

「喉を開く」

 

この言葉、よく使われます。

 

確かに僕も演奏中は、喉を開いています。

ですが、あることをきっかけに、僕は自分の吹奏状態を説明するときに「喉を開く」という言葉を使わなくなりました。

同じように、レッスンするときなどにも「喉を開く」と言う言葉は使わないようにしています。

 

理由は、曖昧だからです。

 

勘違いしている人が勘違いし続ける。
無意味な動作をし続けてしまう。

人によって「喉を開く」という動作が全く違った動作になってしまうからです。

僕が演奏中にしている動作と、全く違う動作をしてしまうんです。

 

「喉を開く」と言う言葉で僕と違う動作をしてしまう人は、多分こんな考えにもつながる人だと思います。

・唇が音を作る

・肺活量が音になる

この考えで、尺八を吹こうとする人は、多くの場合、尺八を吹くのに不向きな「喉を開く」をしています。

つまり、唇は音を作りませんし、肺活量が音にもなりません。

その人たちの想像する動作の「喉を開く」は音に良い影響を与えません。

 

厳しい言葉になるかもしれませんが、もっとわかりやすく言うと

 

・尺八の音がなるイメージを正しく認識していない。

・物理的現象を、自然現象としての出来事を超越したイメージで尺八の音が出ると考えている。

・思考の方向性が、論理的でない。

 

といった感じです。

 

尺八がいい音で鳴らない動作を積極的に行ってしまうタイプといってしまっても良いかと思います。

 

だから、「喉を開く」っていうアドバイスってとっても乱暴な説明です。

なにかそれっぽくて、わかっているっぽいから、その説明を使いたがる人もいるかと思います。

でも、きちんと説明しないと、全く無意味、もしくは、悪影響にすらなります。

 

実際に行える動作ではじめる。

丁寧に説明しましょう。

喉を開くではなく、実際に起こっていることで説明します。

 

 

口の中を大きくしましょう。

「お」と発音しましょう。

 

と言います。

 

ここで、「あくび」を持ち出す人がいますが、あくびは、無意識で行う動作のなので、ハッキリ言って意識して再現するのはかなり難しいです。

 

無意識で行ってしまう動作で、無意識に状態ができあがる。

 

再現性が低そうに思えませんか?

 

出来るかもしれませんが、まれ、だと思った方が良いですね。

出来る人が出来る動作だと思って方が良いです。

 

なので、単純な説明がスタートです。

 

口の中を大きくしましょう。

「お」と発音しましょう。

 

意識して行える動作で、無意識にその状態を作れる。

 

こちらの方が再現性は高いとおもいませんか?

 

これが、スタートとしては最善だと考えています。

そこから、育てていく、育っていく、と思わないと、いけません。

その人それぞれの感覚のあるもので、動作を共感してゆくのが理想です。

 

 

それでも、普通に行った動作でうまくいっているか心配なのか、へんなアレンジが加わってしまう場合もあります。

 

「お」と発音してくださいといっても、

 

え?普段そんな風に口動かしているんですか?

 

え?「ひyh」みたいな発音にきこえますけど、「お」って言ってくださいね。

 

といったことも起きます。

 

自分が想定している、自分が思い込んでいる、動作に支配されているとこうなってしまいます。

 

こうなってくると何を練習するかというと、

 

やらなくて良いことをやめる練習になります。

 

「喉を開く」という言葉に振り回されて、やらなくても良いことをやり続ける。

変化が生まれると信じて、やらなくても良いことを、練習してしまう。

 

きっと、しんどいと思います。

 

しんどいことをしても上達しませんよ。

苦労したからといって、上手くなるとは限りませんよ。

 

私たちは、サイヤ人ではありません。

※サイヤ人は、体力の限界まで傷ついてから回復すると、戦闘力が一気に上昇する戦闘民族です。例:孫悟空、ベジータ(ドラゴンボールより)

 

 

特別なことをしなきゃいけないと思った方が出来ない自分が傷つかない。
特別なことをしていると思った方が出来ている自分が誇らしい。

心理的に自分を守るためにこのように思ってしまいます。

 

でも、シンプルに素直に動作を行うだけで充分なんですよ。

当たり前の、物足りないと思っているくらいに、普通の動作の連続で充分です。

その効率を上げていきましょう。

多くの場合は効率が落ちているんです。

 

まずは見直したい効率を下げているポイントは

 

唇と尺八の距離が離れている。

息の出る場所と尺八の位置がずれている。

 

これらを冷静に修正すれば、驚くほど効率良く音に変り、そのおかげで、さらに吹きやすくなります。

 

なにかの動作をして「喉が開いた」から音が大きくなった!

なにかの動作をして「腹式呼吸が意識できた」から音が大きくなった!

 

そういったことは、多くの場合、「なにかの動作」によって、「尺八と唇がぴたっとはまった」だけだったりします。

 

試しに、横に寝転がって、空を向いて尺八を当てて吹いてください。

 

きっと、音が大きくなったり、吹きやすくなる人がいらっしゃると思います。

理由は尺八の重さによって、唇と尺八がピタッと合わさるからです。

 

起き上がってその密着感を再現しましょう。

たった、それだけです。

 

吹きにくいところで頑張るからしんどいんですね。

効率良く変化していけば、しんどさはなくなっていきます。

 

なにか、むずかしいこと、特別なことをやって、

尺八を吹いている、と思った方が、

なんかすごいことをしている自分に酔えるかもしれません。

 

実はそんなことないんです。

 

そう思えば思うほど、

上達から遠ざかり、

吹き方をわかりやすく教えて仲間を増やすことから遠ざかります。

 

わかりやすく、共感、共有出来る言葉で伝えることを忘れないように、僕自身も気をつけたいと思います。

考えすぎて、シンプルにしすぎて、逆に難しくなっちゃう可能性すらあるなと思ったりもします。

 

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

もっともらしい言葉、いろいろありますよね。

「尺八は吹くものじゃない。○○だ!」

みたいな。

僕もね、吹く、という感覚じゃないなとは思っています。

でも、やっぱ吹くものだから吹くという言葉でしかお話は出来ないんですよね。
でも極力、吹くとは言わないようにしています。

けども、別の言葉、例えば「吐く」とかとも言いません。

吐く、ってもっと意味不明に陥りませんか?

結局「吹く」といって、尺八の音が鳴る動作が出来る人がいますし、出来ない人もいます。
「吐く」といったら、出来ない人がもっと増えるんじゃないかな、ぐらいに思います。

「吐く」という動作は別にそんざいするので。

なので、僕は、やりましょ!音出しましょう!行ってみましょう!と言うようにしています。
とはいえ、わかっている人には、もう「さあ、思いっきり吹きましょう!」とかは言います。

結局、言葉遊びにしか過ぎないのですが、混乱しないようにしていきたいなと思います。

僕が「吹くものじゃない、○○だ!」というとしたら、ブログを一回書いて説明出来たら短い方ですね。
ご希望があれば書きます。

 

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