尺八を吹くときの口の中は、どうなっていたら良いと思いますか?

口の中が広い方がいい。

 

これは定番の考え方だと思います。

ぼくもそのように考えています。

 

なので、口は縦長に伸びるイメージで口を閉じています。

 

あれ?

 

縦長に伸びても、口を閉じれるの?

 

開くんじゃないの??

 

はい、とても素直なご意見です。

 

口の中は、骨が動きます。あごが動きます。

口の外、唇は、別に分離して動きます。

 

だから、みなさん、ごはんをこぼさずにモグモグできるのです。

 

口の中が縦方向に広くなったり狭くなったりを繰り返しながら、しかも口は閉じています。

 

 

縦長の広い口の中を作りながら、唇を閉じる動作は、これまで日常的に使ってきた動作なのです。

 

ごはんを食べた回数、ごはんをかんだ回数分、尺八の練習をしていたと言っても過言ではないのです。

 

でも、残念ながら、この動作を積極的に、演奏時に持ち込める人は少ないです。

 

 

理由は、ある1つに言葉に縛られているからです。

 

 

教則本にも書かれるような言葉ですし、多くの人が口にします。

 

唇は軽く横に引く。

唇は微笑むように軽く横に。

 

などなど。

 

なぜ、横に引くのか、微笑むような口はどうして必要なのか、を具体的に説明もせず、動作だけをやれ、といいます。

 

僕も、この言葉にずっとずっと悩まされていました。

 

今思うと、なぜ、この具体的な理由を伴わない動作にとらわれていたのか、不思議に思います。

言われたこと、書いてあることを素直に守っていたのかもしれませんし、自分の考えの中で、その方が、なんとなく息が力強く出そうに思っていたのかもしれません。

しかし、そんなことはなかったのです。

 

また良く出てくるアドバイスがあります。

 

甲音を吹くときには、唇を締めればいい。

水道のホースを潰すと水は遠くまで飛ぶよね。

 

といった、言葉もそれを裏付けることになったかとも思います。

たしかにそうです。確かに最もらしいです。

 

でも、考えて見ると

唇を締める。しめ続ければ、良い結果につながるか??と言えば、しめ続けたら、息は流れなくなります。
ちょうど良いところで、止めなければ、それ以上の良い結果にはつながらないのです。

水道のホースだって、潰しすぎたら、遠くまで飛びますが、届く水の量は極わずかです。
そして、潰しすぎたら水は流れません。

つまり、過ぎたるは及ばざるがごとし。というわけです。

じゃあ、ちょうど良いところで、止めておけば良いじゃないか。という話で一件落着です。

 

でもね、ちょっと違うんです。

 

もちろん、全く締めていない唇ではだめです。

ある程度の結果を伴う閉め方を実践できてからの話です。

 

その先に行きたいんですよ。

 

 

さらにもっとフォルテしたいんです。

でかい音出したいんです。

 

必要最低限の圧力を生み出す閉じ方をしていれば良いことに気がついたその先です。

 

 

水道の蛇口をさらに開いて、

水をもっと大量に流して、

流れを止めない、

ちょうど良く加速させ、

圧力を高める状態でキープしたいんです。

 

こうなったら、もう横に引く唇では、制御しきれないのです。

対応できないのです。

 

横に引いた唇は「い」と発音する口です。

口の中も狭いので口の中にたまる息の量もわずかです。

 

そうなると、僕の出したい音には届かないのです。

 

そこで、縦に伸びた口の中が広い口が必要になります。

これは、「お」が近いです。

 

 

ごはんを食べている様子を応用するとできます。

 

このときに唇を閉じる筋肉が、横に引いて唇を閉じていた筋肉とは違う部分を使っていることに気がつきます。

「い」の発声の口で唇を閉じる

「お」の発声の口で唇を閉じる

 

あきらかに、「お」で唇を閉じているときは、「い」で活躍していた筋肉はほとんど使っていないのです。

 

あくまで僕の感覚ですが、口を横に引く筋肉そのあたりだけが頑張っている状態から、口の周り全部が力を合わせて唇を閉じている筋肉の動きに変っていると感じたのです。

分散された力で閉じているので、疲れも少ないですし、力んでいる感覚もあまりありません。
ですが、ほどよく力を込めることができて、流れる息がより効率を上げる補助をできます。

 

口の中は、広い方がいい。

 

という、結果を知っている方は、多いと思います。

 

それなのに、口の中が狭くなってしまう「い」の口で吹くことをスタート、基準にするのは無茶しているんじゃないかと思います。

不自然を引き起こす原因になっていると思います。

「お」の口でスタートすることは、口の中は広い状態で吹き始めることができます。

 

 

喉を開け、という謎の動作の指示を、「い」の口で吹いている人にするから、混乱します。

 

「お」で吹くことができれば、吹奏時に目指す、喉を開く→つまり口の中を広くすること、にスタートから連動します。

 

 

 

ここまでくると、上達することを阻害する言葉で、それなりに音が出るようにして、上達しにくい状態をいかに引き延ばすか、と考えて作られた言葉達のように思えてきさえします。

 

 

でも、

憧れの○○さんが言っている。

教則本に書いてある。

みんな言っている。

昔からそうだ。

という理由だけで、具体的な理由や、知っている理想型から導かれる予測から目を背けます。

 

 

不自然な状態から、理想型を目指すので、ねじれが生まれます。
意識しないと、実現出来ません。

 

自然な動作で、理想型が生まれるのならば、意識せずとも、理想状態が実現出来ます。

 

そっちの方が楽じゃないですか?

 

 

口の中を広くして吹く。

 

このことが良い状態だとわかっているのなら、試して見てください。

あなたの口の中が大きくなるのはどんなときでしょう?

あ、い、う、え、お、それぞれ発音してみるとすぐにわかります。

 

 

明日は、ベロのことを書きます。

「おいら、ベロっていうんだ、怪しいもんじゃないよ」の妖怪人間ベロではなく、舌のことを書きます。

舌は、どうなっていたら、いい状態なのでしょうか???

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

尺八を吹くために特別な動作なんてする必要ないんです。

ごはんを食べるとき、麺類をすするとき。
もうこれができているから、すぐに応用できるのです。

これまで生きるためにやってきた、ごはんモグモグ、麺チュルチュル。
これが、まさか、尺八を演奏するときに応用できるなんて。

尺八を吹く事を、常に訓練してきていたわけです。
一見信じられないようなこの話を、そうか!なるほど!と思って、その気になれるひとは、一気に上手くなれると思います。

生きるために、栄養をとるために、ごはんモグモグ、麺チュルチュルしてきたわけです。

もしかすると、生きるためではなく、尺八を吹くために、ごはんモグモグ、麺チュルチュルしてきたのかもしれないです。

そう思ったら、尺八を吹いていないことがなんともったいないことかと感じませんか?

お友達を誘って、みんなで、仲間と、たのしく、尺八吹きましょう!

ごはんを食べる、麺を食べる、すべて練習につながるだなんておもったら、楽しくてしょうがありません。

さあ、みなさん、練習しましょう!(といってラーメン屋にいく、ことだってできます)

 

 

【アイキャッチの写真募集します!!??】
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