尺八の音は、動作が生み出すのか、必要な要素がうみだすのか。

尺八を吹くときに何を頼りにしていますか?っていうお話をします。

 

自分がどんな動作をしているか。

音が出る動作を再現するのか。

 

といったところに気持ちが行くかと思います。

 

でも、たぶん僕は、それよりも優先していることがあります。

 

 

さて、何を優先しているのでしょう。

 

ブログタイトルを読めばもうその答えというか、対になっていますからわかりますよね。
こうやって文章にすると、そりゃこっちだろ、当たり前だろと思えるのですが、本当に人は不合理なもので、実際に取ってしまう動作は、非効率的な手段だったりするわけです。

 

 

今やっている動作のみにこだわりすぎないほうがいいとおもう。

吹きやすいし、やりなれているし、自分のパフォーマンスが最大に発揮できるとおもっているので、いつもの吹き方、練習している吹き方を中心に考えると思います。

でも、それは、この動作をしよう、と思っているだけではないのです。

 

分かりやすくするために、書くとすると、

 

僕が、やめた方がいい、といっているアプローチややり方でも、

僕、どんな状態でも、音出せるし、演奏できます。

 

たとえば、初心者の人がその外見になっていると、やめたほうがいいですよ、僕がいうような状態でも。

 

 

唇を横にひいても、

口の中が狭くても、

唇がとんがっても、

唇がラッパ型になっても、

丹田を意識しても、

おなかを突き出しても、

腹式呼吸ができていないとなげいても、

 

とりあえず音が出るとかのレベルじゃなくて、ちゃんと演奏できます。

 

 

 

ただやりにくいですが。

 

 

なぜ、できるかというと、

 

「どうしたらいいか、どうなったらいいか」を実現しなければ音が出ないことが分かっているからです。

 

たとえ、効率の悪い状態でも、「○○を○○すると効率の良い状態になるぞ」ってわかっているからです。

 

要素が分かっていなければ、同じ動作をしても、音にはならないわけです。

 

その状況下において、尺八を吹くために必要な要素を、脳が記憶していることを、その状況下で再現しようとするわけです。

 

 

ポイントは、動作を記憶して、動作を再現しようとしていない、ということです。

尺八の音がなるために必要な要素を再現しようとしているのです。

 

じゃあ、普段に僕が話したりしている、吹く動作の説明は、なにでしょう。

 

そうしたほうが、わかりやすいよ。

必要な要素を満たしやすいですよ。

というものです。

 

アプローチしやすいし、理解もしやすくなりますよ。

というものです。

 

 

だからこそ、ただただ動作を真似するだけでは、同じ現象を再現できないものもたくさんありますし、シンプルに動作を真似したら同じ現象を起こせて、必要な要素を共感できる、伝わるものもあるわけです。

 

なので、動作にこだわってしまうと、大事な本質を見失ってしまうことがあります。

 

よくある無責任尺八アドバイスで

例えば、唇の力は入れた方がいい。唇の力は脱力したほうがいい。両方のアドバイスがある問題です。

 

はっきり言ってしまえば、僕は、どちらでも自分の出したい音を出せます。

 

つまり、出したい音に必要な要素がわかっているからです。

 

唇の力を入れても、硬い音も、柔らかい音も、大きな音も、小さな音もだせます。

唇の力を抜いても、硬い音も、柔らかい音も、・・・・上と同じです。

 

その状況で、どうしたら、それが実現できるかを考えるから、できます。

 

結局、今の段階で、どんな要素が必要か、

今の実力で、何ができるか、

をちゃんと理解していないと、アドバイスする側も受ける側もいけません。

アドバイスをする側の方が、おそらく先輩の可能性があれば、ちゃんと考えていない行けません。

 

自分の受けたアドバイスは、自分に何を気付かせるアドバイスだったか。

そのアドバイスの本質は何に向かっていたか。

 

それを理解していないで、自分が言われたことをそのまま他人に伝えるのは危険です。

そのアドバイスで問題解決するとはかぎりません。

 

 

動作の結果、何が起こるか、ということがとっても大事です。

 

 

吹き方、持ち方、外見を真似することには、意味があります。

ただ、そのまんまコピーしても意味がありません。

 

その、様子で何を実現しようとしているか、まで想像力が膨らまないと意味がないです。

 

誰かの唇の形、穴の広さなどを真似しても、同じようになるとは限らない、ということです。

 

 

演奏するときに自分が行っている動作を言語化することはもちろん大事です。

これが第一段階。

 

次は、その動作で何を実現しようとしているかを言語化する。

これが第二段階。

 

 

実現していることは、別の動作でも再現できないか考えること。

実現していることを最短距離でわかりやすく再現できる動作にはどんなものがあるかを考えること。

 

この辺が、指導者に求められる能力だと思います。

 

つまるところ、楽器の理解、原理の理解などが必要なわけですね。

完璧になんて僕もわかりません。

 

すくなくとも、最低限の、常識的な、物理学的に、自然科学的に、論理的な事実を踏まえた理解でなくてはいけませんね。

 

大きな音で吹きたい、とおもっているのに、少ししか息がでない手段では実現しません。
逆もしかりで、バケツをひっくり返して一気に水を出すような吹き方では、音も出ません。

芯のある音色で吹きたい、とおもっているのに、ふわふわの息ではならないでしょう。
芯のある音だからとおもって、針の穴のような唇の穴では実現できません。

柔らかい音で吹きたい、と思っているのに、はやすぎる速度の息ではそうならないでしょう。
逆もしかりで、唇が脱力しきって支えのない状態では、その音色はつくれません。

 

自分の出したい音色を作るにはどんな要素があるかをかんがえていないと、動作から入ってしまいます。

動作は音になりません。

 

上手くいかない原因、スランプの原因にもなってしまいます。

 

たとえ実現できたとしても、やりにくい動作だったら、実現してもやりにくいでしょう。

やりにくい、とわかったら、もうやらないほうがいい、と分かった。

 

だから、やりやすい動作で行う。

 

 

動作を再現するのではなく、どんな要素があるか、を丁寧に考えてください。

そして、その要素をコントロールできる、楽にできる、動作で行いましょう。

 

 

大雑把なまとめとして

初心者、中級者の方は、ただただ外見をまねる、アドバイス・ヒントを実行するのではなく、それは何を実現しようとしているのか、なんの要素に関わっているのかを考えてみましょう。

上級者の方は、動作にこだわるのではなく、表現したい音楽を、楽に、シンプルに実現してくれる要素につながる自然な動作を探しましょう。

 

僕は、可能な限り、わかりやすく、シンプルに、必要な要素が伝わりやすい動作を提案してい行きたいとおもっています。

 

ではごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

最後に書いたまとめですが、僕がまさにそのようにやってきたなと思います。

外見、姿、などを観察してコピーしました。
当て方や口の力の入れ方、首、持ち方、アクションや息継ぎの仕方など。

そこから、何のためにそうしているのか、を感じたり、考えたりしました。

そして、自分の自然な動作で、その要素を実現できるようにしました。
動作を先に決めてではないのです。

自分の音楽が自然にできる、楽に、行える動作を探すようにしました。

○○の動作をしたら、いい感じになった。
でも、しんどいし、神経を使って疲れる。

これは、排除です。
自分のイメージした最適だと思えた動作だとしても。

自分がそれだと思わない動作が楽に自然に自分の実現したい音楽を作ってくれると気が付いたからでもあります。

無理して、練習していませんか?

しんどいこと、つらいこと、たいへんなことを、頑張るのが練習だと勘違いしていませんか?

 

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