連続ブログ小説 きれいな石 第1話「石をさがすのが楽しい」

きれいな石が拾える河原があるので、そこまで出かけて行きます。

 

歩いていきます。

で、河原できれいな石を探して帰ってきます。

同じように、きれいな石を探しているらしい人もいます。

 

なかなかきれいな石は見つかりません。

 

きれいな石が見つからないときの方が多いです。

でも、きれいな石を見つけるとうれしいので探しに来ています。

 

 

きれいな石を探しているときが楽しい。

 

 

そう思えていたので、探しに来ていました。

 

 

石がなかなか見つからないから、拾いに来るのを辞める人もいます。

石が見つからなくても、石を探しているときが楽しいから、とずーっと続けている人もいます。

 

それぞれの楽しみをしていればいい。

 

でも、きれいな石をみつけたい!という思いが強くなってきました。

探していることが楽しいだけじゃ、満足できなくなったんです。

 

歩いていけるところ範囲で別に良ければそれでいい。

自分の範囲で、自分の中で楽しんでいればそれでいい。

 

 

と思っていたのですが、

 

 

きれいな石をひろいたい!という気持ちが強くなってきました。

 

そう思えてきたら、探しているだけで楽しい。といっている人たちが、やせ我慢しているように思えてきました。

僕もかつては、それでいい、と思っていた。

 

でも、僕はきれいな石が拾いたいとおもってしまった。

 

そうすると、

 

この河原ではダメだ。

 

ここではきれいな石が拾えない。

 

別の河原にいかなければダメだ。

 

という気持ちがつよくなってきました。

 

 

どうやら、もう少し離れたところに、もっときれいな石が拾える河原があるみたいなんですよ。

でもそこは、自分の行動範囲を少し離れたところ。

 

歩いて行くにはちょっと時間がかかる。

門限までに帰ってこれない。

 

で、走ることにしました。

 

気がつきました。

走るとしんどいんです。

 

しんどい思いをして河原についても、どうやら時間が足りない。

石も満足に探せない。

きれいな石を探す時間を多くかけたい。

 

汗だくになって走っている姿は、見られたもんじゃない。

ハーハーゼーゼーで、汗だるまが必死こいているわけです。

 

んで、石も満足に探せない。

 

今は走るのがしんどいけれども、走る練習をすれば、いつか、しんどいのがなくなるんじゃないかって。

 

そうしたら、充分に石を探せるんじゃないかと思ったので、走るのをずっと続けました。

 

しんどいけど。

 

最初の1ヶ月は、しんどいです。ずっとしんどいままです。

 

なかなか、走るのにも慣れてきません。

 

同じ目的で河原を目指す人もいるようで、走っている人たちもよく見かけます。

 

2ヶ月たって、走っている人たちが大分減りました。

脱落していったのか。

 

しんどいもんな。

たしかにしんどい。

僕もしんどい。

 

石拾いなめんな。

 

石拾いはしんどくてこそ意味がある。

 

きれいな石を拾うために、あの河原まで走るしんどさを耐えれない者がきれいな石を手に入れる事など出来るわけがない。

 

 

3ヶ月たちました。

走るのには慣れてきたのですが、石を探す時間が一向に増えない。

 

走るのになれたとはいえ、しんどいです。

 

 

6ヶ月たちました。

もう走って河原を目指す人はいなくなりました。

 

走っているのは、僕だけです。

 

少しずつ、河原で石を探す時間も増えて、きれいな石が拾えるようになりました。

 

 

1年たちました。

走って河原にたどり着くことにしんどさはなくなりました。

走り続けるうちに、なれてきたのでしょう。

 

努力のたまものです。

辛いことを耐えて乗り越えてきたからこそです。

 

きれいな石を思う存分拾うことが出来るようになりました。

 

ただ、最近けしからん連中が増えてきました。

あいつは、自転車にのってやってくる。

 

自分の足で走ってきてこそ意味がある石拾いなのに、なぜ自転車で来る。

もちろん、僕だって自転車はもっているよ。

でも、乗れなかったんだ。

 

だから、走ってここに来ることにしたんだ。

 

あいつらに本当の石拾いの楽しさなんかわからない。

きれいな石なんか拾えない。

 

そう思っているのに、楽しそうに石を拾っている。

僕よりもきれいな石を見つけて帰っている。

 

 

僕は、一年かけたのに。

 

 

自転車に乗って楽して河原に来ているくせに。

あんな奴が。

 

 

そう思いながら、石を探していたら、あいつが声をかけてきたんだ。

あの自転車にのってやってくる、楽して石を探しに来る、あいつが。

 

 

「一緒に石さがしませんか?」

 

 

って。

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

※今日のごはん写真

急にへんなのが始まりましたが、まあまあ、お付き合いください。
受け取り方は人それぞれでということで。

石を探すのが楽しいのに、走ってしんどい、を耐えることが目的になってしまった僕。
しんどい思いをしたから、きれいな石が拾えると思っているかもしれません。

走るのを辞めた人は、本当に諦めたのでしょうか。

諦めたのは誰でしょう。
僕は、自転車を持っているのに、乗れないから、と諦めていませんでしたか?

 

しらんけど。

 

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