連続ブログ小説 きれいな石 第2話「石はどこにある?」

「え!?」

 

もう、完全に意味がわからなかった。

 

 

石探しは孤独そのもの。

石探しは走ってきてこそ。

 

あんな奴になにがわかるんだ。。。。

 

どう返事をするかと考える前に、頭の中にいろいろなことがよぎった。

 

 

「こっち、こっち、ここにいいのありますよ。」

 

こちらが応える前に、あいつは次の言葉をかけてきた。

 

いやいや、そんな場所にあるわけないよ。

何がわかるんだとおもいながら、その場所に行くと。

 

 

え!

 

 

今まで見たことのないきれいな石があった。

こんな場所を探そうと今まで思ったことがない。

だって、前に石を探していた河原では、誰一人として近寄らなかったような場所だ。

 

 

だから、僕は初めから、そんな場所に、きれいな石があるわけがない。と思っていた。

 

 

でも、あった。

 

 

「ほら、こっちにも」

 

 

そこも、僕にとっては思いもしない場所だった。

何でそんなところにきれいな石があるってわかったんだ。こいつは。。。

しかも、どうして僕に教えてくれるんだ。

黙っていた方が、独り占めできるのに。

 

 

「私も前は走ってここにこの河原に来ようとしていたんです。」

 

 

不意に自転車野郎がしゃべり出した。

 

いや、男じゃない!

アレ?女の子?

 

 

「でもさ、走ってたらしんどくて。自転車にのる練習をしたんだよね。」

 

不意を突かれた。

石を探すなんて男がやるもんだと決めつけていた。

 

 

あの子も、走ってたのか。

走るのを辞めただけで、石を探しに行くのは諦めてなかったってこと??

 

諦めずに、自転車に乗る練習をしたのか。

 

「で、すぐ自転車にのれて、河原にもすぐ来ることが出来たんだ。

だから、河原のどこにきれいな石があるかを探す時間がつくれたんだよね。」

 

なんと。

僕が、河原にたどり着くために一年かけて走ることに夢中になっている内に、自転車女子は一年間、石を探していたってことか。

 

 

「君がさ、一生懸命走って、なんとか走って河原に来る姿を何度もみてたから、もし河原で会えたら一緒にさがそうと思って。」

 

 

 

こいつ、めっちゃ、いいやつじゃないか。

 

 

 

僕は、一年かけて走ってたどり着くようになった。

前に石を拾っていた河原での経験にたよっていたら、この河原できれいな石を見つけるために、また一年かかったかもしれない。

 

でも、それをあっさり教えてくれた。

 

思いもしないところにある。

 

いままでの河原の経験にたよっていてはいけない。

 

 

 

そう思った瞬間に、僕は川の中にむかって走り出した。

 

 

 

きれいな石は河原にある。

 

 

誰が決めたんだ。

 

 

川の中にあるかもしれない。

 

 

 

ずぶ濡れになることなんか気にならなかった。

きれいな石を探す楽しさが一気にあふれてきた。

 

走ってきたことは決して無駄じゃないとおもう。

自転車女子の言葉をどう受け止めたか。

 

 

それは、僕次第だ。

 

 

「一緒に石さがしませんか?」

 

 

そうだ、石を探すのが楽しかったんだ。

いま、ずぶ濡れになっているけど、帰りは寒くてしょうがないかもしれないなと思っても、楽しくてしょうがない。

 

 

あった。

 

めちゃくちゃきれいな石が。

 

 

「私も川の中なんか入ってみようなんて、探してみようなんて思わなかった!!すごいよ!」

 

思いもしない近い距離から声がして、僕は尻餅をついた。

どうやら、自転車女子も僕につられて川に入り込んだみたいで、僕のすぐ側で叫んでいた。

 

 

完全にびしょ濡れだ。

 

 

「たき火でもする?」

 

 

といって、差し伸べられた手をとって、僕はいった。

 

 

「そうだね。

 

 

もしよかったら、今度、僕に自転車の乗り方教えてくれませんか?」

 

 

 

 

「私でよかったら、もちろん!」

 

 

そういって、照れくさそうに彼女は笑ったんだ。

 

 

 

 

 

つづく。

 

 

※今日のごはん写真

尺八に関するブログを書いてきたこのブログの読者さんにならば、何を書いてもなにかが伝わるということがわかりました(笑。

好き勝手にお話を書いていきます。
いい話にするも、例え話にするも、鯨岡さん頭おかしくなった、ネタが尽きた、と思われても知らん(笑。

僕も、自転車女子も、いいやつですね。

きもちいい。すがすがしい。

相手にとってどんな気持ちが生まれてしまうか。
その言葉が、相手にとって、いやだなと思うこと、マイナスなイメージをつくることになるなって、想像できたら、思うだけにしておく。
漠然と自分の意見を発言するのと、対象がハッキリした言葉のやりとりや表現になるのは、大きく違う。

相手がどう思うか。
想像力のない人は、無自覚にひとを傷つけ続けてそのことに気がつかない。
○○をする奴がわるい。主観的な正義の立場にいると思えるから疑いもしない。

僕は、傷つけられた、と思う前に、自分が傷つけたのかもしれない。って思うようにしたい。
同じ失敗を繰り返したくないから。

 

【アイキャッチの写真募集します!!??】
みなさんのごはん写真、くじらさんの似顔絵!?など、TwitterのDMでコメントを添えて送ってください!
ブログのトップ画像で使用させていただきます。

尺八に関すること、もちろんそれ以外でも、質問・疑問もいただけたら、それにも僕なりの考えや体験談をお答えいたします。


尺八ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
上達のお手伝いさせていただきます。お問合せ、お待ちしてます!

☆Twitterあります!フォローよろしくお願いいたします。

尺八:鯨岡徹のTwitter
https://twitter.com/kujira108

☆YouTubeあります!チャンネル登録お願いいたします。
いさなミュージックチャンネル
https://www.youtube.com/user/isanam

 

 

 

 

TOP