僕は、そこまで重要なことではないと思っているんです。
息は足りなくなれば、吸えば良いんです。
だから、短い時間で大量に吸う、みたいなことも出来なきゃいけないとも思う必要はないと思います。
尺八を吹くために特別な息の出し方をしているとも思いません。
なんとか呼吸とか、なんとか法、みたいなことをしているとは思いません。
まったくもって普通の動作だと思っているんです。
で、その普通の動作というのが、
これじゃ、だめだろ。
これじゃ、つかれるだろ。
という判断があって、普通にやる動作になっていると思います。
しんどい息の使い方を自分で選ぶことはない。
わけです。
とはいえ、僕は長く尺八を吹いていますので、多くの方は、
尺八を吹く期間が長くなって、そのなかで身につけたから、もう特殊な呼吸法を会得しているから、そんなことが言えるんだ。
と思いたいと思います。
でも、決してそんなことないと思います。
僕も昔、かつては、何か特別な呼吸法があるんじゃないかと思っていました。
普通のやり方じゃないから、普通じゃない音が鳴るはずだ!なんて。
当時の僕にいってあげたいですね。
普通にやりなって。
変なことしなくて良いよって。
何か特別なことをするから、と思うと特別なことを練習して身につけているっぽい感じがして、練習している実感がえられるんですよね。
でも、それって余計なことをする練習をしているだけなんです。
演奏するときに必要な反応というのは、自然に起こる動作なんです。
条件がそろったり、要素のバランスがとれれば。
自然と起こる反応だと。
唇の穴が大きすぎると息はどばっと出てしまって長続きしない。
唇の穴が閉まりすぎていたら息が詰まって流れない。
丁度良い状態が確実にある。
丁度良い状態になれば、ほとんどのものが自然と反応して、良い状態になっていこうとすると。
動かない物、意識できない物を動かそう、コントロールしようなんてそもそも無理なんですね。
それぞれいろいろな動作の作用、反作用的に、自然と体が反応するわけです。
結局、僕は余計なことを考えるのを辞めました。
○○を意識しながら、吹く。
っていうのはちょっと違うかなと。
もちろん、経験として体験することは大事です。
そうすることで、何が起こっているか、ということを知ることが出来るかもしれませんし、
自分でその反応が起きないように邪魔をしていることに気がつくかもしれません。
いろいろな状態を経験するきっかけで、起こる反応を知り、スイッチとして使えるようになれば良いとおもいます。
こうしなきゃいけない、と思い込んでしまって、見過ごしていることに気がつく必要はあると思います。
例えば、
口から息を吸って、もう吸えない、と思ったら、最後に鼻から吸ってみる。
→鼻から吸うと自然と口を閉じること、もう吸えないと思ってももうちょっと入るスペースがあること。
そのあとに、口を開けて空気が体から出ないようにしてみる。
そして、一気に体の中から空気を吐き出す。
それらのときに体で起こっていることを冷静に感じてみればいいだけです。
これらの出来事を、つねにいつも実感してる必要はありません。
それを大げさに拡張しながら、尺八を吹く必要もありません。
おしゃべりしているときは、もっと上手に息をすっていますよ。
音を出すのを辞めて、ぱっと口を開けたら、息を吸おうと思わなくても息がすっと体に入ってきますよ。
すごくないですか?
吸おうと思わなくても息が入ってくる。
僕達は、吸おうと思って、吸わないと息が吸えない生活をしていませんよね。
勝手に息が入ってくるのに、無理に吸う動作をするから、変なことが起きるとおもってみたらどうでしょう。
演奏をすると思うと、確かに、しっかりと、息を吸うという動作が必要な場面があるかと思います。
そんな場面ってそんなに多くないと思います。
でも、日常のほとんどの場合は、息が足りないなと感じたらすでに吸っているんです。
尺八のおとを出すのを辞めて口が開いた瞬間に、ぱっとブレスは完了しています。
というか完了すると思ってください。
体が勝手にいきを短く補給してくれるのに、それを邪魔するかのように、息を吸う動作をする。
こんな声が聞えてきそうです。
「いま、吸おうと思ったのに、
なんかわざわざ息吸う動作をするから、
吸う気なくなったわーーー」って
良くあると思いますよ。
「いまやろうとおもったのに」現象ですよ。
勉強、掃除、お風呂に入る、などなど、この一言でけっこう揉めますよね。
自然と起こっていることをもう一度観察してみてはいかがでしょうか?
自然な動作、自然な反応を邪魔している”あなた”がいませんか?
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
なんらかの呼吸法が出来るから、尺八を吹けるのか。
いいや、そんなことないですね。
そんなこととは無関係に尺八を吹ける様になったあとに、なんらかの呼吸法や、体の動きを後付けしているように思えます。
しんどくない息の出し方、圧力のある息を持続して唇から出す息の出し方、そう思って取り組むだけで大きく違います。
そうおもって動いたからだがどうしているか。
意外と僕達の体は、最適な解に導いてくれます。
邪魔をしているのは、自分自身の場合が多いです。
よけいなことをしない。
もうなんだか尺八を吹こうとしない、とかまでいってしまいそうですが違います。
尺八は吹きましょう。
そのうえで、余計なことはしなくても良いんだと、考えている方がいいです。
やるべきことは、楽器が教えてくれます。
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