本日は「尺八の音程」に関する持論を展開します。

今日はかなり偏った持論なので、気分悪くなる方もいるかもしれませんし。

たしかにそうだ、と思う方もいるかもしれないし。

あ、それも一理あるから気をつけようって思ってくださるありがたい方もいるかもしれないし。

 

というお話になります。

どうぞ、ご注意ください。

話題は「尺八の音程」にまつわるお話です。

「初心者が尺八の練習をしてだんだん上手になっていく」その成長の過程において「音程」はいかに身についていくかという僕の考え方でもあります。

 

僕の尺八の音程に関する考え方

尺八のレッスンの際に僕は絶対音感的な音程の指摘はほとんどしません。

絶対音的な音程の指摘、例えばチューナーを見て基準を442Hzにして、針が真ん中にぴったりこないと絶対ダメ。という考え方です。

 

相対音としてズレが目立つ場合は、指摘をします。

その際には、必ず、音程がズレてしまう理由と、改善方法も含めて指摘をして、一緒に練習をしてなおします。

チューナーをみて基準を442Hzにするまでは一緒です。

で、音を出して、針がぴったり真ん中に来なくて、高くなっていても低くなっていても、その時点では別に何も言いません。

ポイントになるのは、別の音を出したときです。

別の音を出したときに、最初に吹いた音と比べて、同じように高い、同じように低い状態だったら問題ないと判断します。
さらに、その他の音を吹いても、同じように高ければ、同じように低ければ、問題なしとします。

 

指摘したり、修正する場合は、それぞれの音がバラバラに高かかったり、低かったり、する場合です。

 

つまり、ロツレチハと吹いて、全体的に高ければ、また全体的に低い場合は別に気にしません。

ハだけがやたら高くなっているとか、レだけがやたら低いとかの方が問題です。

 

なので、そうなる理由を指摘して、なおす方法、なおすポイントを一緒に確認しながら、練習します。

 

なぜ、絶対音的な指摘をしないか。

答えは単純です。

 

今はまだ、初心者だからです。

 

尺八は、人と尺八が合わさって、ようやく楽器としての機能が実現されます。

人の力が伸びれば、楽器としての機能が伸びる、安定してゆく、確定してゆきます。

 

尺八の音が成立するには、演奏者の力、が六割近く(もっとかもしれない)必要だからです。

 

尺八は、はじめたばかりで吹いた音と、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後で大きく変化します。
(もちろん、この変化の幅を極力短くすることを目的としてレッスンしています。)

吹く人間の能力で、同じ楽器を使っても、同じ音程に必ずなるわけではありません。
一方で、能力が同じ、基準を超えた吹奏力があれば、同じ楽器なら音程はほぼほぼ揃うわけです。

ピアノや箏など、調弦が決まっているモノだったら、初心者が弾こうが、上級者が弾こうが、モノが落ちて鍵盤が押されようが、絃が振動しようが、出る音程は同じです。

※ここで「いいや、そんなことない。」と思う人もいるかもしれません。
ま、そんなことないならそんなことないでいいです。
だから、こそ、初心者の尺八の音に厳格な音程を求めるのは間違いなんです。

たしかにそうだ。と思った方は、そもそもが違うことを理解されていると思います。
もちろん、初心者と上級者ともに同じ音が出たとしても、初心者の演奏と、上級者の演奏には圧倒的に違いがあります。
それは、音程の話ではありません。

 

尺八は、初心者の状態から、練習して、変化していきます。

 

成長することそのものが相対的なのです。

 

相対的であるからこそ、1つの基準、絶対的な基準を「絶対音による音程」におくことは、求めることは危険だと僕は思っています。

 

「絶対音による音程」は、目指す結果で良い。

尺八は、演奏する人間が成長することで、楽器として成立してゆく、安定してゆくことが、前提の楽器なんです。

そして、正しい音程で演奏を行うために、練習をしていきます。

でも、それには順を追ったステップが必要なんです。

 

演奏するための土台

 

この構築を無視して、絶対的な音程だけを求めるのは、成長の阻害でしかありません。

 

つまり、絶対音的に音程だけを合わせることは簡単だからです。

 

ただその際、多くの場合は、正しい構え方からはずれたり、健全な吹奏感からはずれたりすることが伴います。

音程を正しくすることを目的にしてしまうのは、大きな間違いなんです。

 

音程を外してはいけない。

音程を正しく吹かなければ行けない。

 

これにとらわれてしまったら、のびのびとした、リラックスした、心地よい演奏はできません。

だいたい、縮こまります。萎縮します。楽しくないです。

 

ここで、決定的な考え方です。

例えば、悠を使っている初心者の方が音程が低いと言われて「カリ」という動作を強要されて吹かなければならなくなりました。

さて、同じ悠を使っている上級者は「カリ」という動作を伴って演奏しているでしょうか?

 

してません。

 

じゃあ、初心者の方がするべき動作は「カリ」ではないです。

 

上級者がやっていない動作をやる必要ありません。
初心者だから仕方ない、とかじゃないんです。

やらなくていいいことなんです。

だって、上級者は「カリ」以外のことで、問題解決しているんです。
初心者が学ぶべきは、そっちです。

 

「カリ」で吹いて、音程を合わせることは、学ばなくて良いことなんです。

音程が低い問題を解決する手段は「カリ」という動作ではないからです。

 

なので、無理矢理チューナをみながら、針が真ん中に来るようにして吹く練習をしなくて良いんです。

結果的にそうなるように練習をしていく方が大事です。

 

尺八はちゃんと調律されていますから。

 

相対的に音程がずれて聞える場合は、なおすべき現象が起こっています。
それは、運指、構え方、吹奏モードの変化によって起きるからです。

それを続けているとなおせない癖になります。

だからこそ、僕は相対的に音程が合っていれば良しとします。

相対的に音程がずれていたらなおします。

 

とりあず、きょうはここまで。

ちょっと話が長くなりそうですので、つづきはまた後日にします。

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

考え方の違いがある方もいるかと思います。

僕は、音程を全く無視してもいい、ということをいっているのではありません。

だからこそ、効率良く、早く、土台を形成して音程を安定させるメソッドを考えています。
とはいえ、その成長、変化には個人差もあると思います。

何を練習することが、本質につながるか。

そこが、重要です。
それしかありません。

 

【アイキャッチの写真募集します!!??】
みなさんのごはん写真、くじらさんの似顔絵!?など、TwitterのDMでコメントを添えて送ってください!
ブログのトップ画像で使用させていただきます。

尺八に関すること、もちろんそれ以外でも、質問・疑問もいただけたら、それにも僕なりの考えや体験談をお答えいたします。


尺八ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
上達のお手伝いさせていただきます。お問合せ、お待ちしてます!

☆Twitterあります!フォローよろしくお願いいたします。

尺八:鯨岡徹のTwitter
https://twitter.com/kujira108

☆YouTubeあります!チャンネル登録お願いいたします。
いさなミュージックチャンネル
https://www.youtube.com/user/isanamusic

TOP