尺八を吹くときに「唇の穴の大きさ」の変化が適切に、柔軟におこなわれているか。

今日の記事は、昨日の記事と関連しています。
とはいえ、今日の記事を読むだけでも楽しめるように書きます。

もし、興味を持っていただいてもっと知りたいと思われたら、ぜひ読んでみてください。

尺八を吹くときに、ありえないと思っている状態が、実はありになる。

 

「唇の穴が広い」状態を解消することで音色を安定させる。という考えは初心者のころにはとても大事な指針となります。

ですが、そのことにこだわりすぎると、頭打ちをしたり、やりたいことが出来なくなる時期がやってくるかもしれません。

 

「唇の穴が広い」を解消することの目的は何だと思いますか?

 

息が出過ぎないようにする。
息の速度を上げる。
息を節約する。
etc.

いろいろ出てくると思います。

どれも、正解のようで正解ではないんですね。
ある場面においては正解、という感じです。

 

息が出過ぎている場合は、息が出過ぎないためにするし、

息の速度が遅い場合は、息の速度をあげるためにするし。

息が無駄に使われている場合は、息を節約するために、やっているわけです。

 

つまり、心地よく音が鳴るための要素のバランスをとる、ためにやっているのです。

何のためにやっているか、バランスをとるために、やっています。

 

いまの問題を抱えた状態は「唇の穴が広い」ためにバランスが崩れているので、バランスのとれた状態、というものを実現するために「唇の穴が広い」状態を解消するわけです。

 

なので、「唇の穴が広い」を解消するわけですから、「唇の穴を狭くする」「唇を閉じようとする」という動作で、良いバランスを探すことになります。

 

 

さて、いろいろある要素のバランスをとる。という考え方ですから、別にその中の1つである「唇」にこだわらなくても良いわけです。
唇とは別の要素を変えることによって、バランスのとれた状態を成立させてもよいわけです。

初心者の場合は、まずは、「唇」の問題を解決するのが楽なので、そこに注目されることが多いと思います。
ですが、中級者、上級者ともなってくると、また別の方法で、バランスをとることを考えてみることができます。

 

 

唇の穴が広くてもバランスがとれている状態はどんなときでしょう?

 

 

つまり、「唇を閉じる」ことで、バランスを調整するのではなく、他の要素をうごかして、バランスがとれるようにするというときですね。

 

それは、

 

1つは、息の量を増やしたとき。

唇の穴の大きさに見合ったしっかりとした息の量を出せれば、びしっと鳴った音色で音量が増えて、音が安定して吹けます。

ひょろひょろっと抜けてしまう少量の息だから、息が続かない、音にならない、しんどい。になっているわけです。
そこを、穴の大きさに見合った、たくさんの息がしっかりと流れれば、そこは解決するわけです。
(というか、息の量にみあった穴が発生すれば、問題は解決します)

 

いやいやいや、
音量を大きくするときに、私は唇の穴を広げるなんて思っていません!
むしろ、閉めるっておもっています!

という方もいると思います。

 

それはですね。

・大量に出る息に負けないように、唇を閉じようとする意識がうまれている。

この感覚はは良い感じかなとおもいます。
とても自然な反応です。

音を出すために必要な本質を捉えているからこそ起こる反応です。
増えた息に反応して、口は閉じようとしているが、ある1つの状態を保たれている、結果的には、唇の穴は広がっているわけです。

音質の変化がなく、音量の変化だけが起きていれば、理想状態です。

 

・実際に唇の穴が小さくなっている。

これはあまり良くないかんじですね。
通常状態の吹奏状態がもっと良くなる可能性もあります。

穴を小さくして、音量が大きくなって聞えた場合は、音量の変化よりも音質の変化だと思ってください。

音質までもが変化してしまうのは、狙った変化ではないですよね。

 

音量変化の理想は、通常状態で吹いている音色のまま、音量がふえること。
つまり、バランスのとれた状態をそのまま拡大してゆくことを目的とするわけです。

 

もう1つは、メリで吹いたときです。
唇と歌口の距離が近い状態です。

初心者が、音程が低い状態で、安定して吹いている、という状態をよく見かけると思います。

これは、唇の穴が広い状態で、充実した吹奏感を得られている、だから、音が続く、安定している。
けれども、これは、吹奏状態が”完全に”安定しているのとは大きく違うんです。

歌口と唇の距離が近い状態において、安定したバランスをとれているだけ、なんです。
あくまで、限定的なものなんですね。

音程は低いけれども安定して吹けている、息が続いているからと、安易に音程修正のために”歌口と唇の距離を離す”ことをさせた瞬間に、吹けなくなることが起きる場合があります。

これは、距離が変化したことによって確実にバランスを崩してしまったからです。

なので、初心者の方が音程を修正するには、唇と歌口の距離が近い、メリ気味を直すだけではダメなんです。
全く意味がないんですね。

変化した要素に合わせて、さらに変化が必要なわけです。

 

いやいやいや、
メリを吹くときに、私は唇の穴を広げるなんて思っていません!
むしろ、閉めるっておもっています!

という方もいると思います。

 

そんな方は、メリの状態をどうやって吹いているか。

それは、息を減らして、バランスをとっているわけです。

唇の穴を小さくする、もしくは、息そのものを減らす、などでバランスをとっているのです。

だから、一音メリの音量が少なくなるわけです。
半音メリ系の音ですら、音量が減ってしまう人は、よりその傾向は強いでしょう。

 

メリだろうが関係なく、大きな音を出せる人いますよね。

メリ込んだ瞬間に吹き込んで、印象的なナヤシなんかをする人もいますよね。

グッとくるような。

 

どうやっているのだろうか?とふしぎに思えていたかもしれません。

やりたいのに出来ないな、、、と思っていた方もいるかもしれません。

 

唇を閉じる、息を減らす、という考えでは実現出来ないんです。

 

種明かしの1つとして、唇の穴を広げる感覚、唇の調節で、バランスをとって実現していたのです。

 

 

別のアプローチをとっていらっしゃる方にこそ、演奏の幅、表現の幅を広げるために、発想の外にあった「唇の穴が広がる」をとりれていただけるとうれしいですね。

確実に演奏の質、音楽の質がワンランク上がると思います。

 

 

ではごきげんよう。

 

 

 

※今日のごはん写真

今日の話で、絶対に注意した方が良いポイントがあります。

「唇の穴」を先に作るのは絶対にNGということです。

広い、狭い、と話をしていますが、主体は息です。
息に従属する形で、唇の穴が生まれることをまずは考えてください。

多くの問題点は、唇の穴を先に作るから、生まれてしまう問題でもあります。

今、表現したい音、音色の息が先に流れて、それを支えるために唇が反応します。

口を開けた状態から、ゆっくり口を閉じながら、息をだしながら、吹きながら、音を出してみましょう。

音が鳴る瞬間、息が充実する瞬間、息の支えが生まれる瞬間、いろんな瞬間があります。

それが、いまだしている息のバランスがとれた瞬間です。

 

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