ここ数日、声帯の話をしております。
そこから展開して、意識してどうこうする、のではなく、動作そのものを考えてみませんか?
というお話をしております。
もし興味があったら、これまでの記事もいくつか読んでみてください。
成長を邪魔するプライド
では、今日のお話。
いくら「声」を出すのと同じだと言われても、納得しない方もいると思います。
尺八は「吹く」ものだから、吹く動作で解決したいんだと。
やりたい動作でやりたい。でも、それは解決方法ではない。
やりたい動作を優先してしまう人、結構多いです。
やりたい動作で出来るのならば、出来るようになるはずなんです。
でも、悩んでいたり、上手くいかないということは、その動作が根本的に違うんじゃないかと疑うべきです。
いいや、これで解決できるんだ、できるはずだ、と思いたい気持ちはわかるんですが、なかなか自分がやろうとしている動作が違うことをしていたと認識するのは嫌なことだと思います。
大人になって、いろいろなことができるようになったのに、できない。
自分がこれだと思っていた動作が、実は違う動作だった。
受け入れるのはプライドが邪魔する人もいるでしょう。
でも、そんなの邪魔なだけです。
いい音で吹きたい、楽に吹きたい、という願いを実現するために学びの途中にいるのなら、学びましょう。
なんだ、違うことをしていたんだ。
とおもえばとっても楽なことです
だって、学んでいる途中なんですから。
できないことをやろうとしているんです。
成長途中、学びの途中にいるあなたにとって、
うまくいっていない自分のやり方にこだわる必要なんてまったくありませんよ。
赤ちゃんがろうそくの火を消そうとする動画をみました。
ちょっとこの動画を見てください。
赤ちゃんがろうそくの火を消そうとする動画です。
これは、米マサチューセッツ州ミドルセックス郡ウェイランドに住む2児の父マイク・ラインハートさん(Mike Rinehart、39)が先日、長男ボーディ君(Bodhi)の3歳の誕生日を家族みんなでお祝いしたときの動画です。
この赤ちゃん、1歳6か月の次男テオ君(Theo)は、兄のやることを何でも真似したがるというこで、ろうそくの火を消すのを真似したがったそうです。
そのために小さくスライスしたケーキとロウソクを用意してその様子を撮影した動画が拡散し、大きな注目を集めました。
一生懸命やっていますよね。
最後は、お父さんが横から、フッと息を吹いて、ろうそくは消えます。
かわいいーーーとか思うのが普通です。
ほほえましい、と思うのが普通です。
さて、ちょっとネジがぶっとんでいる僕は別のことを考えます。
テオくんは、どうしたら、息が出るかわかっていないんだ。ということを考えるのです。
ろうそくの火を消すためにどんな動作をしたらいいか、わからないんです。
だから、「ぶー」って音がでたり、長くがんばったり、
「わー」「きゃー」って声を出しているんです。
テオ君が、ろうそくの火を消そう、とおもってやった動作は、長くがんばるような「ぶー」だったり「声」として外面にあらわれました。
でも、みなさん、わかりますよね。
ろうそくの火を消すのは、長く吹くのは違うと。
「ぶー」でも「声」でも、ろうそくの火は消えません。
そもそも、動作が違うんです。
そう、一歳だから当然。
そうかもしれません。
一歳だから、というより、しらないから、やったことがないから、きっとこうだろう、とおもってやったのが「ぶー」であり「声」なんです。
はい、一歳の子どもと、私たちが尺八を吹くのは比べるのは、違いすぎる、といか言ってしまったらもう絶対に上達の思考回路はうまれません。
そうか、これと同じで、自分がやろうとしている動作は違ったんだ。
と、素直におもえたら、間違いなく上手くなります。
「ぶー」や「きゃー」を何とかして、なんとか頑張って、ろうそくの火をけそうとするのは、効率的でしょうか?
やめとけ、っておもいませんか?
それと同じです。
「ぶー」や「きゃー」とちがう結果になる動作ではだめなんです。
ろうそくの火を消す動作じゃなきゃいけないんです。
彼にとってはやったことのない動作かもしれません。
でも、一度これか!とわかったら、「ぶー」とか「きゃー」の方法でろうそくの火を消そうとは思わないはずです。
尺八の問題、音の出し方、声帯のこと、も同じです。
上手くいっていない人は、違うやり方をしているんです。
ちょとでも音がでたら、それに近いことをしている、同じようなことをしているように思えますよね。
でも、テオくんの動画のように、全然違う動作なんです。
全く違うことをしているとわかっているから、ほほえましく見えるし、みんなが笑っているんです。
尺八を吹くときに「しおしおモード」になっているのは、全く違う動きをしています。
だんだん、よくなる、できるようになるではないです。
違う動作をするんです。
ちょっと心配なのは、お父さんが横から吹いて火を消したため、テオくんは「きゃー」でろうそくの火が消えるとおもってしまったかもしれません。
これが成功体験。
これからしばらくは、「きゃー」と声をだして、ろうそくの火を消そうとしてしまうんじゃないかと心配しています。
尺八は、しおしおモードでも、音がでちゃうんです。
強烈な成功体験です。
動作を変えることできますかね。
音がわずかにでも出ているなら、この状態をやめて、違うやり方をしようと思えないのが多いでしょう。
なかなか、難しいと思います。
だから、切り替えた人が、上手くなります。
だから、上手い人は少ないんです。
最初から、しおしおモードにならないようにレッスンすれば結果も違います。
音がでればいいだけなら別にいいです。
違う動作なんだと割り切ってほしいと思います。
だって、「ぶー」や「きゃー」がだんだんよくなって、ろうそくの火が消せるようになるとは思いませんよね。
「ぶー」「きゃー」とはべつの、ろうそくの火を消す動作をしなければいけない、とわかっているんですから。
明日もこの話題行きますよ。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
明日の話は、偶然にも今日の「ろうそくの火を消す」動作がつながっていきます。
自然と「声帯が狭い状態になる」アクションは、まさにそういった動きでもあるんです。
ご自身でいろいろ試してみて予想してみてください。
こんなことかな?と予想して実感することも大事です。
しんどい状態、苦しい状態ではありませんよ。
こんな感じかなと思ってやってみたときに、変な感じだったら違うって思ってください。
実際にやってみる、想像してみるって、なかなかやらないことです。
ブログを読んだだけでも、わかったつもり、できたつもりになってしまうように、都合よくできているのが人間の脳です。
記事として読む前に、試してみてください。
ろうそくの火を消す動作、尺八を吹く動作、おなじことしていますか?
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