規格が統一された、同じ機能を持った楽器が作られることによって何が起こるか。というお話をしております。
もし興味があったら、前回の記事も読んでみてください。
さて、一定の規格、品質で作られた尺八。
プラ管「悠」
3Dプリント尺八
泉月メタル尺八
AireedX
これらは、それぞれの価格帯における、基準を示すことになると僕は思っています。
同一価格帯においては当然、それ以上の価格においても、これらの性能は超えていること。
そして、そこにどんな付加価値をつけるか。
というのが、今後の竹製の尺八に求めらるでしょう。
竹であることにほとんど意味はないです。
装飾、竹の模様、見た目とか音に関係ない部分だったり、
○○鑑定とかの保証だったり、
個人の顔に合わせたオーダメイドのようなものだったり、
どんな付加価値をつけるかが大きなポイントになります。
あとは、その楽器のコンセプトですね。
すくなくとも、楽器としての性能勝負という部分がかなりシビアになってくると思います。
そのブランド、製作者の基準とする性能にまで引き上げること。
単純に言えば、見た目は悪いけども、性能は同一価格帯においてはワンランク上まで引き出している。
とかいった感じですかね。
ちょっと例え話。
ユニクロのウルトラライトダウン、めちゃくちゃ暖かいです。
めちゃくちゃ安いです。4000円ほど。
で、世の中には、4万円のダウンコートもあるし、40万円のダウンコートもあります。
ユニクロのウルトラライトダウンの10倍の暖かさをもって、4万円のダウンコートは売られているでしょうか?
100倍の暖かさをもって、40万円のダウンコートを売っているでしょうか?
10倍、100倍の性能に対して、値付けはされていないと思います。
ほとんどの場合が、付加価値ですよね。
総合的な暖かさにはわずかにしか差が出ないが使っている素材の金額は何倍にも上がるから金額が上がる。
その暖かさが必要な人は、性能が金額に比例しなくても、伸びた暖かさを優先します。
暖かさに関係ない部分で、良い素材を使ったから金額があがる。
たとえば、ジッパーの素材がいいものだとか。
そして、ブランド、
これらは、どの付加価値に、価値を感じるか、ということ明確にしてくれます。
じゃあたとえば、ユニクロのウルトラライトダウン100倍の性能があるものとして、宇宙服を考えて見ますか。
(実際どうか知らんけど)
そうなってくると金額は、1億円です。
実際に100倍の性能をだそうとすると、そんな風に変わることが考えられます。
ここで、大事なことは、
金額と性能、そこへの付加価値。
そして、目的とどのレベルで合っているか。
竹の尺八の存在
竹で作る尺八の求められる性能、個性、特徴、コンセプト、そういったものの明確さがハッキリと必要になってきます。
楽器の購入に選択肢のない世界だった尺八において、10万円以下の楽器が増えること、うーーーん、そうだな、5万円以下の楽器がふえること、はとっても重要だと思います。
そして、それが、統一された均一な品質であること。
初心者から20万円近い尺八を買うことが求められるような世界はもう終わりかもしれません。
入門用だからと、3,4万円くらいで、音が出にくい、ピッチが安定しない、上達を妨げる、ような尺八を買う時代はいい加減終わらないといけません。
「悠」「泉月メタル」は、趣味としてずっと使える楽器だと僕は思います。
これらは、入門用であり、これで満足できる人はずっと満足できるし、楽器のせいでダメ、ということは正直ないのではないかと思います。
でも、もっと吹きやすい、もっと操作しやすい、もっと自分が求める音が出る楽器があれば、僕はそれを使います。
それが、金額の高い楽器になっていかなければ意味が無いと思います。
基準を超える性能を目指して製作すること、
コンセプトを明確にうちだして製作すること、
ポジティブな思考です。
竹の尺八の目的を、統一された規格で精算されるモノとの低価格競争にするのは違うと思います。
役目、役割を明確にして、超えていく、という思考が解決につながると思います。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
安いモノは初心者用で、高いモノは上級者がつかうもので、プロも使うモノでといった考え方に意味はないと思います。
他の楽器の世界を見てみると、尺八はとてもリーズナブルだと思っています。
プロが使えるレベルの楽器は、40万あれば購入出来ます。
これが、違う楽器の世界だと、100万でも安い楽器、安物を使っているとマウントをとってきます。
演奏家というなら、人前で吹くなら、何百万、何千万の楽器で演奏しなさい、ぐらい言ってきます。
もしかすると、違う楽器の世界の人は、尺八って安くすんでいいですね、ぐらいの嫌な言い方してくるかもしません。
いやー、僕本当に尺八を選んでよかったと思います。
1万円台で、高性能の尺八、過去の名管といわれたもののコピーが手に入るんです。
それが「悠」。コピー元となった管なんて、1万円で絶対に買えませんから。
そして、3万円ほど出せば、楽器として設計された泉月メタルがあります。
そして、AireedXがあれば楽器としての性能は、ほぼ充分満たしているでしょう。
高くても40万あればいいんです。
ちょっと、お金の話ばかりになりました。
楽器がいくらだ、なんだ、尺八は安くすんでいいですねとか、他の楽器で40万なんて初心者レベルの楽器ですよ、とかをドヤって来る人だっていちゃうんです。
でも大丈夫です。
尺八は、楽器そのものだけが楽器ではありません。
尺八と吹き手が一体となってはじめて楽器となって音色がします。
尺八は、きっかけ、一部にしかすぎません。
尺八を手にし、楽しく吹いている私たちは、もうすでに何倍もの価値があります。
ま、金額でなんたらと比べることしかできないのはつまらんです。
音をきこう。音楽をきこう。
自分の音を出そう。自分の音楽をしよう。
プライスレスです。
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