「息継ぎの場所は守った方がいいですか?」適切な課題設定をしよう。

生徒さんからこんな質問を受けました。

「息継ぎの場所ってやっぱり守った方がいいですか?」

という質問です。

 

これ、なかなかに大事な話です。

 

独学の人はもちろんですが、指導する立場の人も、判断をまちがってしまうと、地獄になります。

確実に成長を妨げます。

 

僕の考えです。

・指定された息継ぎの場所以外でも息継ぎしてください。

・指定された場所以外でも息継ぎできるようにしてください。

・どこでも息継ぎできるようにしてください。

ということです。

 

つまりは、

 

息継ぎの場所を守らなくていいです。

 

ということです。

 

これは、決して、

 

守る必要なんかないぜ、自由だぜ!

バカバカしい!

 

といっているのとは違います。

 

最終的には守ることができるようになりましょう。

だし、

どこでも切れるし、どこでも息継ぎが出来るようになりましょう。

息継ぎをする、しないを自分で決定できるようになりましょう。

を目指します。

 

息は足りなくなったら吸うでいい。

もちろん、息継ぎの場所なんて、僕はどうでもいいのです。

 

基本的なスタンスは、息はなくなったら吸えばいいんです。

 

まずはそれです。

勘違いしてはいけないのは、

限界まで頑張って不自然な状態になって息を吸う。

ではないです。

余裕がある段階で、自然と吸いたくなったら、吸うです。

 

こんな風になっていたり、かんがえていたりしませんか?

 

・息継ぎの場所が指定されているから、苦しいのに我慢して吹くことを優先してしまう。

・尺八は音を伸ばす楽器だから、短く吹いて息を吸うのはあり得ない。

・参考にしている音源はここで息継ぎをしているから、マネをしよう。

 

これ、基準がおかしいですよね。

 

自分の自然な状態を無視していませんか?

すべて、外的な要因です。

 

じゃあ、なんだ、出来るようにならなくてもいいのかってんだ!!

 

って言いたくなりますよね。

 

すごく冷たく聞えますが、

今、出来ないことを頑張っても、出来ないことを繰り返すだけなんです。

今できることで、どれだけクオリティを高めるか、が大事なんですね。

 

そして、

出来ることをもっと出来るようにする。方が大事です。

 

つまり、楽譜に書かれた息継ぎの場所を守ることによって、

音が悪くなる、

リズムがとれなくなる、

息絶え絶えで体の使い方が悪くなっている、

という現象がおこってしまうことのほうが、失っているモノの方が圧倒的にあります。

 

息継ぎを守っていることを目指しているのか?それとも、息継ぎがどこでも自由に出来ないからつなげてしまっているのか?

出来ないことはやるな、という言葉は、

上達すること、練習することを否定している用に聞えますが、決してそんなことはありません。

 

・尺八は長く音を伸ばすモノ。

・息継ぎの場所はぜったいに守るもの。

・参考にしている音源(プロの演奏)と同じようにするもの。

 

この考えは、上達を妨げます。

実際に尺八を吹かない部外者が、このようにアドバイスをする場合もあります。

独学ならまだしも、指導者が、こう思っていたら、大変です。

 

今の実力、今できること、今の状態で、いい音をだして、いい演奏をするのが大事です。

息継ぎをまもって、いい音にならない、いい演奏にならないとしたら、守らなくてもいいですよね。

 

いやいや、守った上で、いい音、いい演奏をするんだ!

それが向上心だ!

 

というもっともらしい言葉が考えられますが、

そんなことしていたら、一曲、二曲を、何年も練習することになりますよ。

 

今は出来なくてもいいんです。

今は出来なくても、力がついて出来ることが増えます。

 

今できることの見極め。

出来ることの積み重ねの先に、出来ないことが出来るようになります。

 

また、息継ぎに関してはいろいろな問題の原因も隠れています。

 

 

さあ、今一息で演奏しているところを息継ぎを増やして演奏しましょう。

 

どうでしょうか?

 

あれ?

 

うまくいかない?

 

息継ぎを増やすことって実は簡単なこと、出来ない人がやることではないかもしれませんよ。

長く一息で吹くことは、上手だからやっていることではないかもしませんよ。

 

 

息継ぎをすることが

苦手だから、

上手く出来ないから、

息継ぎを避けるようにして、

長くつなげて一息で吹いていませんか??

 

これ、いい状態だと言えますか?

 

できるない。

できるけどやらない。

 

は大きく違います。

 

さて、あなたはどっちですか???

 

 

僕の話を改めて考えて見てください。

 

出来ていると思っていることは、本当にできているんでしょうか?

出来ないからしてしまっていることではないでしょうか?

 

結局、リズムがおかしい、音が悪くなる、という結果につながるんだったら、改善修正した方がいいです。

 

息継ぎの場所をまもって、一息で吹くことを目指すのではなく、どこでも息継ぎをする練習をした方がいいです。

 

ではごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

ここまでは、ぜったいに息を吸ってはいけない、という曲だってあります。
じゃあそれは、それが出来るまで、吹くことはダメなんでしょうか?

そうですね、人前で演奏するのは辞めた方がいいとおもいます。

今できることで、取り組むことはとっても大事です。
そのことによって、また別の要素を学ぶ機会があります。

息を長く伸ばすことばかりに注目されます。
息を長く伸ばすことばかり大切な目標のように考えられています。

でも、逆はできますか?

短く発音できますか?
メロディを、フレーズをすべてブツ切りで演奏できますか?

どんなに練習しても、なかなか上達につながらない、リズムがわからないという方は、逆の発想で取り組んでみてください。

そう、息を長く伸ばすことだけが問題解決の手段ではありません。

短く、ブツ切りで演奏する、これは同じくらいに、いやもしかすると、それ以上に有効な問題解決の手段になります。

 

※今日のごはん写真は、第3回「月ノ雫演奏コンテスト」でドイツ賞を受賞した紅茶さんの提供です。
ケーキおいしそう!

 

 

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