あの人のような音で、音色で演奏したい。
そんな想いは誰にだってあるかと思います。
憧れの音色。
それは1つの練習のモチベーションになります。
でも、一歩間違えると、危ない欲求となり、自分の状態を悪くしてしまう可能性があります。
今日はそんな話をしたいと思います。
とはいえ、科学的な根拠があるわけではありません。
僕の推測や、経験からのお話になります。
じゃあ、そんな話は聞かなくていいや、という方もいるかと思います。
ですが、ご自身の取り組み方にも科学的な根拠があるかというと、、、、ですよね。
もし、興味があったらすこしお付き合いください。
音色を作るのは何か?
結論から言うと、これはもう声のようなもので、その人の骨格、体がつくると思います。
そして、尺八そのものです。
結論から言えば、同じ尺八を手にして、同じ骨格を手に入れなければできない。ということです。
もちろん、多少のマネをすることはできると思いますが、それは、マネです。
素直に、自然に、自分が発生させる音色、ではない。ということです。
ということで、
「あの人のような音」を目指すことは、僕はしなくていいと思っています。
目指すくらいはいいか、完全に音色をコピーしたいと考えること、唇の形を真似しようとすること、そういったことはやらなくていいと思います。
じゃあ何をするのか、「自分の音色を好きになる」ことと「自分の音色を磨く」ことです。
人の音色をマネしようとしたときに、唇の形、唇の穴などに注目をされるひともいます。
そして、その形を自分で作ろうとしたり、再現しようとします。
それ、めちゃくちゃ大変じゃないですか?
ある程度吹ける人なら、もうすでに、自分で出せる音色があります。
自然と出る音、自然とする動作で発生する音です。
その動作を崩してまで、何か別のモノをマネして、外見をマネして、同じような音がでるでしょうか?
唇の形、穴の形を分析するにしても、物凄く表面的な要素です。
それだけで、同じような音が出るとは思えません。
外見をマネすることもポイントではなりますが、絶対的な要素ではありません。
自然とする動作で発生する音、というのがとても大事です。
声だってそんなモノです。
その声をどう操るか、を考えて、歌いったり、気持ちを伝えたりします。
あの人の声が素敵だからと、外見をまねしても、声には反映されません。
自然と出る声、をいかに魅力的に育てるか。です。
自然な動作で発生する音、何度繰り返しても、必ず再現される音、それを育てていって欲しいと思います。
尺八は一本一本違う。
人の骨格は一人一人違う。
ということを考えていて、知っているのに、音色をマネしたい、と思ったときに、そんなことをすっかりわすれてしまった行動をしてしませんか?
僕の目指すところは、尺八の音を、自分の声のように自在に扱えることを目指します。
自分の声は、自分の声です。
だれかの声をマネして出したい、とおもって出るモノではありません。
外見の操作ではなく、本質を操る力。
それは、自分が自然とする動作で出る音、としっかり向き合うことで見えてきます。
それをしっかり育てることです。
最低限の均一な状態すらクリアしていないのに
さて、ちょっときびしめな話をします。
みんな同じ音で個性がない。
とか、いっちゃう人いませんか?
そんな風に言うと、なんかかっこいいから、言いたくなっている人いませんか?
そして、それはどっちの意味でしょうか?
音色としてボーダーラインを超えていない状態でしょうか?
ボーダーラインを超えた状態でしょうか?
超えていない状態なら大問題です。
でも、超えているのならそれは全く問題ないと思います。
むしろ、
均一な音色、ボーダラインとなる、最低限の音色は出せるようにならないと。
と、僕は思っています。
そこめがけて、練習するのはまるで悪くないです。
むしろ、推奨すべき行動です。
その水準を満たすための努力もせずに、均一な音色を否定し、つまらないと断罪し、とんちんかんなアプローチで周りを混乱させる発言をするのは辞めた方がいいとおもいます。
そんなのは尺八じゃない、尺八とはこういうものだ、という思い込みが強い人ほど、効率的な技術アップのルートを外れていきます。
まあ、本人がそれでいいなら、それでいいかと思いますが、そのスタイルで指導したり、他人をはかるのは、いかがなモノかとおもいます。
だれもが、基準を超える演奏はできます。
個性や、魅力的な音色は、その先に存在します。
もっともっと先です。
目指すべきところをしっかりと目指しましょう。
音楽に使える音色、そこまで自分の音色を育ててからがスタートラインです。
他人の音色に憧れるのもいいと思います。
でも、もうすでに、自分にしか出せない音色を発生させているのに、なんてもったいない考えなんだろう、と思う場面にも出会います。
まあ、考え方は人それぞれです。
が、自分が楽に発生できる音、自然な動作で無理なく発音できる音、そのものを否定することなんてしなくていいです。
自分の音色、それをどうやって育てていくか。
ということを考えましょう。
だからこそ、僕は素直な発音や、日常動作からと共通する動き、再現可能な動作、無理をしない、ということにこだわります。
憧れの音色、あの音色が出したいからといって、
その奏者の唇の形、唇に出来る穴の形、それに執着心をもつのはちょっと違うかと思います。
最適な状態は、人それぞれ違います。
目ではなく、耳でその音色を聴きましょう。
そして、耳でその音色に近づくように体を動かしてください。
憧れているのは、音色ですよね。
音色を再現する、に、外見をまねることは重要な要素ではありませんから。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
自分の出している音を好きになりましょう!という話でもあります。
僕は僕が出している音が大好きです。
だから、続けていられます。
自分の音が嫌い、なんて悲しいじゃないですか。
個性による音色の違いは多少あるかと思います。
でも、基本的に出ているのは、尺八の音色です。
尺八の音、尺八の音色を楽しみましょう。
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