出来ないことはやらなくてもいいです。
という、もしかすると指導者という立場からしたら前代未聞な発言をしております。
どんな話か興味がある方は、ここ数日のブログを読んでみてください。
出来ないことを出来るようにすること、だけが努力でしょうか。
出来ることをもっと出来るようにすることは、努力と言わないのでしょか。
高い目標を設定することはいいことです。
でも、いきなりそれを目指すのでいいのでしょうか?
世界最高峰の山を登ろう、という目標を立てててなんの準備もせずに飛び込むでしょうか?
100メートルを走るのにいきなり、10秒を切ることをめざすでしょうか?
バク転をしようとおもって、いきなりやるでしょうか?
きっと、順序を追って準備し、その段階段階で出来ることを確実にモノにしてから、つぎのステップに進んで行くと思います。
なにより、命にかかわりますから。
尺八を吹くことは、いのちにかかわりません。
だから、むちゃくちゃなことをやっているのに、出来ないことを出来ないやり方で何度も繰り返してしまいます。
もしも普段の練習を、失敗したら死ぬ、って考えたら、いくつ命があってもたりません。
無限増殖したマリオの残機も0が見えてくるくらい、出来ないことを、失敗するやり方でただただ繰り返しているだけの人は多いです。
上手くなりたい、出来るようになりたい、という向上心を、
努力できるという、能力を、
もっと効果的に使いましょう!
とってももったいないです。
音量を小さくできたら上達なの?
そこはもっとピアノで演奏して。
そこはメロディじゃないから、音量を落として演奏して。
うるさいから静かに演奏して。
まあ、まあ、いろいろ言われるでしょう。
どれも、修正できたら、もっといい演奏になるだろうな、というとてもいいアドバイスだと思います。
でも、
そのせいで、吹きにくい状態が生まれたとしたら、どうでしょうか?
・音色がわるい。
・音程が下がる。
・音がスムーズに出ない。
・小さい音で吹いているのに息が足りない感じがする。
新たな問題点の発生です。
これらを解決するためにあれこれ、なんだかんだと苦労がまっていますよね。
でも、これらを一気に解決する方法があります。
それは、
ピアノで吹かない。
いつも通りに吹く。
いつも通りに、吹いているように、吹く。
それだけです。
失うモノが多すぎるのに、やる必要ありますかね?
出来ないことを無理してやって、多くのモノを失って、土台、基礎を壊して、苦労、しんどいの始まりに足を突っ込みますかね。
フレージングを長くすることは上達なのか?
結論から言えば「その実力、レベル、段階的に進むもので、絶対的なものではない。」ですね。
ですが、迷い人は冷静な判断を失う瞬間があります。
尺八の音を切るとき、フレーズの終わりに関して、「ブツ切りはよくない」というアドバイスがよく出ます。
他には、
そのフレーズは、切らずに、もっとつなげた方がいい。
音を長く続けることが出来るのが尺八だから、ブツブツ切れるのはよくない。
とかですかね。
レッスンしている生徒さんに向けて、すぐに
「ここからここまでは一息で吹ける様になりましょう。」
とかいっちゃう指導者とかも多いんじゃないでしょうか?
「この曲のこの箇所は。ここで息継ぎするのはダメだから」とかも。
もし、本当にそうなのだとしたら、その曲をトライさせるのは間違っていると思います。
どんな段階でも、いろいろな曲に触れて欲しいのならば、身につけている技術、出来ることに合わせて、適切な目標を設定することは指導するものの責任だと僕は思います。
無責任に、フレーズを長くした方がいいとか、とってつけたようなアドバイスをする人もいます。
そんな声に耳を傾ける必要はないと思います。
そのために必要なトレーニングをせずに、そんなアドバイスだけで出来るようになるなら、それはもう出来ることです。
もう出来ることを、あえてやっていないのか、気づいていないのか、というポイントもあります。
出来ることなのに、出来ないようにしてしまうという不合理も人って起こしてしまうんです。
急に音が出なくなる。とかそうですよね。
そういったときに、どうやって見直すか。
安定した状態をつくること、できることをもっと出来るようにする、というのはこういったときに物凄く力を発揮します。
いい音で心地よく吹けていないと、気持ちが悪い。楽しくない、しんどい。ということはもうすでにわかっています。
だから、優先するのは、いい音で、しっかりと吹けているかどうかです。
それなのに、いい音の出る状態を失ってまで、フレーズが多少長くなったことはうれしいこと、気持ちのいいことでしょうか?
フレーズを長くする、いい音で吹く。
これは、2つの異なった問題点です。
一気に両方を得ることはできません。
責任を持たないアドバイスとどう付き合うか
教えたがりさんは、結構気軽に無責任なアドバイスをしてきます。
どんなアドバイスでもうれしいということもあるかも知れません。
自分から湧き上がってくる、こんな風に演奏したい、という気持ちもあるかも知れません。
でも、そこで一旦踏みとどまってください。
今できていることすら、崩してまでやることなのか。
もっと○○するといいよ、もっと○○出来るといいよ、というありがたいアドバイスはそこで受け止めておいて、今できていることをもっと確実にする。
その方が、やりたいことが出来るようになります。
ちょっときつめの言葉を使いますが、これはとても大事なことです。
いい音が出ている状態を崩してまで、ピアノの音が出ても、フレーズが長くなっても、その音は音楽には、使えない音です。
音楽に使える音をだしましょう。
まずは、安定して音楽に使える音を出せるようになりましょう。確実性を再現性を高めましょう。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
出来ることをもっと出来るようになることは、とても立派な努力です。
そして、精神的にも健全です。
出来ないことを出来るようになることの方が、素晴らしいことだという考え方にとらわれるのはいけません。
出来ないことを出来るようにならなければいけない、これって、出来る側がポジションとるためにいっている理不尽な仕組みかも知れません。
出来る側ってのは、実は、自分のポジションを守るために出来るようになって欲しくない、という裏の目的もあります。
つまり、そのやり方では、成長がしにくいのです。
どんどん、楽に、あっという間に、出来るやり方というのは、常識の外にあるかも知れません。
でもその常識ってどうやって形成されたのでしょうか?
もちろん、上手くなりたくない、という希望がある人たちだっているかもしれません。
べつのことを実現したい人だっているとおもいます。
じゃあ、僕はその人の希望を叶えるか、というと、、、
のらりくらりと、てきとうにレッスンしているだけで、収入にもなるから、自分の信念を曲げてやるかというと、やりませんよね。
同じ時間をつかうのなら、楽しみたい人、上手くなりたい人のためにつかいたいです。
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