尺八をはじめたばかりの人がけっこう悩む問題としてあるのが
「中指がうごいてしまう。」
という問題ですね。
中指は動かさない。
という説明はされると思うんですが、それだけでは動くんですよね。
最初のころは、そういったことが大きな障害になって、すごく不自由なんです。
動かさないように、と思っていても、ついつい動いてしまう。
まあ、言ってしまえば、
慣れれば動かない。
という、ぐうの音も出ない解決方法で、解決してしまうのですね。
そういった意味でも「慣れる。」って最強のワードです。
でも、これって本当になんだか、丸投げで身も蓋もないんですよね。
僕にしてみたら、敗北宣言したようなものです。
時間が解決する。努力、ガッツ、根性が解決する。
これに依存しちゃダメなんです。
もう違うんですよ。
もう令和なんです。
とはいえ、時間、努力、ガッツ、根性は必要です。
それは標準搭載というか、それを効率良く使いたいわけです。
大事なのはその使い方、方向性。
どうやって、その時間をすごすか。
何を基準にして慣れるか。
感覚を掴むためのヒントは多い方がいい。
ということです。
いろいろなアドバイスが世の中に存在すると思います。
絶対的に1つに集約しない部分があります。
Aというアドバイスでうまくいく人もいれば、Bというアドバイスでうまく人もいる。
少し変化がうまれて、AではなくBのアドバイスの方が効果が出る。
AよりもA’といった微妙に違うアドバイスの方がフィットする。
絶対にこれ、これで決まり、君に決めた!って思い込んでしまうよりも、状況に合わせて柔軟に対応できた方がいいです。
柔軟に対応した上で、君に決めるわけです。
「慣れる」という時間を過ごすための手がかりをどれくらい提案できるか。
上級者が得ている実感をどれだけ言語化して、共感出来るようにするか。
とっても大事になります
1つの事実に向かってい行く方法は、複数あった方がいいです。
気をつけたいのは、1つの事実、に向かってゆくことです。
1つの事実、ということがとっても大事です。
なぜ、その事実が重要なのか。まで考えると、向かってゆく方法も見えてきます。
せっかく尺八に興味を持ってくれました。
それだけでも、かなりありがたい。
そのうえで、吹いてみようとおもってくれました。
もう本当にうれしい。
踊りたくなるくらいうれしい。
そんな人に「まあ、慣れれば大丈夫ですよ。」で終わりにしたくないんですね。
「慣れる」って本当に便利な言葉なんです。
ついつい使ってしまう便利な言葉があるために、無駄な時間をかけてしまうのならば、それは解消しようと考えます。
遠回りも必要、無駄な時間も必要。
これも、便利な言葉です。
でも、本当に無駄な時間は誰だって過ごしたくないですよ。
さっきも書きましたが、
時間、努力、ガッツ、根性は必要です。
時間は有限です。
遠回り、無駄な時間、はゴールに向かっているなかで発生していなければ意味がないと思います。
生徒さんが僕に言ってくれました。
「尺八で長く音を出すための練習をしないで、短い音出しをしてください。といわれたときは、信じられなかった。
でも、それをしていたら、いつの間にか、楽に音が出るようになって、ながい音も楽に伸ばせるようになった。
遠回りかなと思ったけども、それが道のりとして正しかったんだなと思いました。」
この言葉を聞いたときに、良い時間の使い方をしていただけたと思いました。
とてもうれしかったですね。
尺八には「慣れる」ということが問題解決になっていることが多くあります。
できるかぎり具体的に解決して生きたい訳です。
で、冒頭の「中指離れる問題」です。
大分長くなったので、これは明日書きます。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
あ、もちろんレッスンの中で「慣れていきますよ。」といった言葉は使います。
どうやって慣れるか、何を感じながら慣れるか、をちゃんと伝えるようにしています。
手がかりをちゃんと説明できるかってのはとても大事です。
しかもそれが、初心者でも実感できる言葉ではないといけません。
ここがポイントです。
丹田だなんだというか、なれている人、こだわりが強い人、こじれた人が使う言葉で煙に巻くのは、ほんと良くないです。
重要なポイントを伝えているようなつもりになっているだけです。
実際に自分が感じていないこと、取り組んでいないことを教えるのも良くないですよね。
呼吸は、口と鼻の両方から息を入れて、だいたい○:○の割合で、、、とか人体の構造上出来ないことを言ってしまうのはもってのほかです。
また、本人が口で息を吸って演奏しているのに、鼻で息を吸うのが正しい。と言い切ってしまうのは気をつけた方がいいですよね。
まあ、僕は口で呼吸した方が安定します。音も出しやすいです。といっています。
そんな僕でも、鼻で吸うときもあります。
意図的に使うときは別にいいのですが、意図的じゃなくついやってしまうときがあるんです。
そんなときはどんなときか、これを説明するだけで一記事かけるので、それは別の機会に。
口で呼吸をした方がいい利点だけでなく、自分がついやってしまうときの状態、悪影響、それがわかっているので、「安定して、音を出すために、口で呼吸しましょう。」と説明しています。
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