尺八「らしさ」の話をしてました。
そんな中で、それが「あざとい」となったら違うんじゃないかな。
という話題がでました。
「らしさ」と「あざとさ」の境目ってどこなんでしょうね。
まあ、そんなもの、人それぞれだ。といってしまえばそれで終わることです。
そのうえで、考えてみたいなって思うわけです。
「らしさ」と「あざとさ」をわかりやすく感じるものを
もうすでに僕たちは経験していると思うんです。
それが「方言」です。
もうこの時点でピンとくる方もいると思います。
方言
その地方の方言を別の地方の出身者が真似をする感じ。
その地方の出身者がわかりやすくこれでもかというくらいにこてこてに方言を使ってしゃべる感じ。
そんな時に、なにか感じることありませんか。
そういったものを見て、
「へー、それがその地方の方言なんだぁ。」
と思う他県のみなさん、、、、
いやちがうちがう、それちがうから!
おねがいだから、そう思わないでくれぇ!!!
それ、テレビ用に誇張されている感じだし。
ケ〇ミンSHOWで完全に理解したと思って欲しくないし!
なんとなく、そうじゃない、ちがうんだ。。。という気持ち。
でも、他者からの評価や印象は、
いや、そんなもんだよ。
そんなもんでしょ。
なにも間違っていないよ。
といったもので、さらに追い打ちされてしまって「ああ、そんな風に認知されているんだ」と、さらに悲しい気持ちになってしまった感じ。
わざとらしく使われる方言、ってなんかそういう感じなんです。
方言の使い方でも、わざとらしいものと、魅力が生きるものもあると思います。
例えば、
方言女子、ってのがなんだか話題になったことがあります。
方言でしゃべる女子がかわいい。と。
女子はすでにかわいいので、方言だろうが何だろうが、関係ないのですが。
そういったちょっと話題になったとき「方言の話し方」に違和感を感じたことないですか?
それが、あざとさ、だと思います。
やりすぎてしまった感。
やっぱり、フッと出る、自然と出る、その地方で育ち、その言葉を使っていたんだなというものが、標準語の中に見える。
方言を前面に押し出さないからこそ、いいな、と思えるものがあります。
はい、これはもちろん僕の個人的な好みだと思います。
重々自覚しております。
意味の伝わらない状態になってしまうこともありますよね。
それを面白がっている状態。
それって、受け取られ方、発信の仕方として、どうでしょうか?
それが、自分の故郷の方言の魅力を伝えたいものでしょうか。
もちろん、全部方言でおしゃべりをしていても「あざとさ」があるものとないものがあります。
まさにネイティブだなと感じるものです。
わざとらしくも、大げさでも、あざとくもないのに、ちゃんと方言で構成されている。
そのうえで、ちゃんと意味が伝わる、なんて最高じゃないですか。
方言によって生まれた魅力、方言の魅力、その地方へポジティブなイメージ。
はい、観光大使任命ですよ。
これを尺八に置き換えるとイメージがしやすいと思います。
おもしろ方言を切り取って紹介する。
自然と出る言葉のイントネーション、語感をむりやりに、テロップ・文字にして紹介する。
地元の人ですら、そりゃないわ、というしゃべり方をする。
これってどうなんでしょうね。
本当に伝えたい魅力が伝わっているでしょうかね。
おもしろおかしく伝える切り口も良いと思います。
そこを手がかりに興味を持ってもらう。
あれ?
真剣に真面目にやっているのに、おもしろおかしく受け取られて終わり、ってことになっちゃったらどうでしょうかね。
それは、そこでおしまいですよね。
「らしさ」と「あざとさ」
違和感になってしまう、魅力をさげるものになってしまうのは、紙一重かもしれません。
いや、紙一重っていうか、結構わかりやすいかも知れませんね。
でも仕方ないと思います。
尺八の演奏があざとくなる理由もあるんですよ。
もう少しこの話をしていきます。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
僕、地元が富山なんですね。
子どもののころに感じたことなのですが、地元テレビ局のアナウンサーさんがつかう、わざとらしい富山弁がほんとうに嫌でした。
苦手でした。もしかしたら、富山の方で「はーん、あの人やな」と思う方がいたら多分あっています。
好みの問題なので、本当に申し訳ないのですが、子どもごころに抱いた違和感というのはとても大きいのですね。
富山弁をかわいらしく、キャッチーに使ってくれる人は、伝えてくれる人はいなかと思っていました。
でも、取り扱われるのは、「だいてやっちゃ」「おちんちんかかれ」といった、文字にしたら絶対にちがうやつです。
とか言いながら、僕自身、地元に帰った時に聞こえてくる強烈な富山弁は実は苦手です。
強すぎる印象が、乱暴すぎる印象があります。
怖くすらあります。
世代がかわっていくと、そういったどぎついものは薄れていくと思います。
それは、いいことなのか、さみしいことなのか、わかりません。
なんとなく、みんなが標準語をしゃべっているような感じになっています。
でも、それは絶対に標準語じゃないんですよ。
地域性、方言が深いところで入り込んでいる、自称標準語な訳です。
なまっている標準語の中にフッと聞こえる地元らしいイントネーション、言葉、そういったものが残っています。
今の環境、今の言葉の中に生きている僕にとっては、そういったふとしたものに、すごく心がおだやかになるような気がするのです。
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