いやね、他のもので、そんなことあります？？
音楽も、スポーツも、勉強も。

 

若いのにえらいねぇ。

 

の言葉の裏には、もうかなり厳しい固定概念が潜んでいるんです。

若い人はやらないもの。

そんなものに、若い人が興味持ったり、やってみようと思ったりする？？？
もう、若いのにえらいねぇ、っていうの辞めません？

和楽器の業界の人は、子どもが和楽器を取り組んでいるだけで、ちやほやします。
でも、いい感じに頑張って、ここから！ってところで、はしごを外します。神輿を下ろします。
本当に実力があっても、活動を遮られることもあります。
一方で、ちやほやの実力しかなければ、他では通用しないので、それはそれで、活動はできません。

ちやほやされたことで、勘違いも生まれます。
和楽器の業界でちやほやされても、外の業界では通用しません。
そこで、もう一発頑張らんとつぎのステージには進むことはできません。
ちやほやの世界から、中の世界でも外の世界でも、本気で頑張る時間が必要です。

 

十数年前、小学校の和楽器鑑賞・体験の講師として行ったことがあります。
お手伝いには、僕より年配の生徒さんが付いて来てくださいました。

学校について先生にご挨拶をしたのですが、担当の先生は、お手伝いで来てくれた生徒にばかり丁寧に挨拶をされて、僕には一切ふれなかったです。
そこで僕がわざわざ「僕が講師です」とかいうのもなんか恥ずかしかったので、黙ってました。
生徒さんも心苦しかったでしょう。

まあ、僕の見た目が、みすぼらしくて、講師らしく見えなかったのかも知れませんし、僕の責任かもしれませんが、まあね、まあね。

授業が始まって、実際に僕が演奏して講師として動き出した瞬間にその先生はたいそう驚かれていました。

 

和楽器は年配の方のもの。

という認識がすでにあるのだなと、痛感しました。

 

和楽器において、世間的には、年齢の高い人の方が良い芸をする、実力が上と思われているかと思います。

ですが、ジャンルによります。内容によります。
一概にすべてではありません。

 

そして、和楽器は決して年配の方だけのものではありません。
もちろん若者のものでもありません。

みんなのものです。
みんなが等しく音楽を楽しんでいます。

上手い年配の方はたくさんいらっしゃいます。そして上手い若手も当然います。

時代を重ねれば、早く上手くなる存在が生まれるのは当然。
その存在を喜ばないと。

年数に関係なく、どんな密度を過ごしたかを考えれば、当たり前です。
こんなの、他のジャンルに置き換えてみたら、おかしい、ってこと当然わかりますよね。

 

「若いのにピアノうまいね。」

「若いのにギターうまいね。」

「若いのに料理うまいね。」

「若いのに計算うまいね。」

どれも？？？ってなります。

 

「若いのに尺八うまいね。」に違和感を感じない世間、ってのは存在するんですね。

和楽器に関しては若くて和楽器をやっているだけで、評価してしまうという世間の認識や思考もあります。
それが、もう、そもそも音楽の評価になっていないと思いませんか？

 

「若いのにえらいねー」

「若いのにうまいねー」

 

と何度いわれたことか。
「若いのに」が早くとれないかと思いました。

今思うと「若いのに上手いね」と言われることを素直に喜んでいたらよかったのかなとも思います。
年相応なので「上手いね」とすらもいいにくいのかもしれないと（笑。

年をとれば上手くなるわけではないです。
どういう時間を過ごしたかがとても大事です。

 

僕は、指導の中で積極的に褒めることと、これぐらい当たり前！という厳しさも必要だとおもって指導しています。
若いからではないく、一生懸命取り組んでいることを、褒めますし。
そこから聞こえてくる音や、音楽を褒めます。

当たり前のこと。

んで、「上手い若者が増えた！」っていいたいです。
「なのに、」って言いたくない。

 

見た目ももちろん大事です。それでも、

和楽器だから着物、和楽器は年配の方がやるもの、子どものやる和楽器はかわいらしいもの、

いろいろと判断を曇らせる思い込みは必要でしょうか？

 

ご自分の予測や思い込みや理解の中で判断をしてしまわないで、純粋に今ここにある音楽を聴いて欲しいなと思っています。

 

ではごきげんよう。

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