「尺八で五線譜を吹くときに、どの長さの尺八が適しているのか?」という質問を受けました。
わかりやすく説明できたらいいな、と思っていろいろ考えてみました。
しかし
考えてみれば見るほど、ややこしくなる!!
ということで、まずは要素を分けて考えてみることにしました。
まずは、僕が五線譜を吹くときに、だいたい使う長さの尺八を基準にして、機械的に当てはめてみました。
それがこの図です。
五線譜の左端にト音記号とともに#(シャープ)や♭(フラット)の調号が書かれています。
それによって、その曲がどんな調であるかが決まります。
この円盤は、五線譜の世界だと五度圏をわかりやすく示している図でよく使われています。
右回りで♯が増えて、左回りで♭が増えてゆきます。
内側から説明します。
水色の欄は「短調」
薄い黄色の欄は「長調」
次の欄は、そのときの五線譜についている調号
を表しています。
そして、それぞれの長さの尺八が受け持つことが出来る範囲を合体させました。
管の長さが書いてある同系色の色(左右に変化)が受け持ち範囲です。
五孔の場合は純粋にいうと薄いところがいいです。
短調だったら、左側に1マス濃い色の調もよいでしょう。
ちなみに、僕は七孔尺八を吹いているので守備範囲はかなり幅広いです。
(B♭→Dまでを吹きます。)
厳密な話をすると、本当にその調号が得意かどうかというと微妙な面もあります。
曲想、フレーズ、指使い、操作のしやすさ、音の響きで最終的には選びます。
ポップスや歌謡曲を吹く場合は、あまり難しく考えなくてもよいでしょう。
現代音楽などの場合だと作曲家が求めた音の響きを優先することが多いです。
尺八は指使いに特徴的な音の響きがあるので、その音色が欲しい場合もあるので、調号だけを見て吹きやすい楽器で吹くと微妙にちがう場合がありました。
こういった場合は、楽譜からの印象で、尺八の表現を引き出せるように研究しておく責任がありますが、最終的には、両方できるようにしておいて、作曲家に選んでもらえるようにしています。
が、とりあえず、この辺だと思っておくとよいとおもいます。
そして、吹きやすい、吹きにくいの基準としているものを表にまとめました。
調号の音階(スケール)を構成する音の中に出てくる、(都山式でいう)半音、メリ音の位置や頻度で判断しています。
こうやってみてみると、調の主音(音階のはじめの音)が尺八の全音系(五孔のみでだせる音)で出せることは大事です。
なので、長調だとかなり限られることがわかります。
そして、短調だと、主音を全音系の指使いでならせていることがわかります。
(主音以降の指使いがぐっちゃぐっちゃになるので、それだけでは判断するのは危険ですが)
最近、プロ界隈でも六孔にする方もじわじわといらっしゃいますが、なんとなく、その理由もわかる気がしますね。
今回の図のPDFです。
ダウンロード「尺八と五度圏」
もしよろしければ、ご利用ください。
間違いなどありましたら、ご指摘ください。
よろしくお願いいたします。
こういった表を作ったことで、さて、次に何がわかるといいのかな???と考えることができました。
次回は、「音階・スケールと尺八の指使いの関係について」のお話をします。
ではごきげんよう。
ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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