ボーダラインとなる息を手に入れる。この息で練習をする。

ボーダーラインとなる息とは、つまりそれは、

乙音も甲音も鳴らすことのできる息です。

これは、息の量、ということよりも、速度、圧力といったことが大事です。

大きな音でも、小さな音でも、乙音も甲音も両方を鳴らすことはできます。

 

乙音も甲音も鳴らすことのできる息は、メルと甲音にひっくり返ることができる息です。

メリによる2つの現象を先日ご紹介いたしました。

2つの現象が起らない方のためにちょっとしたヒントを動画にしました。

 

原因はいろいろあるかと思いますが、ここでは2つに絞ってみたいと思います。

 

1,息の圧力

動画の中のお手本で、

圧力の弱い息、として吹いているとき、僕の体が全体的にしぼんで見えるのがわかりますか?

圧力がちょうど良い息、として吹いているときは、僕の体がしぼんでいるようには見えないですよね。

 

圧力の弱い息は、唇の穴が広すぎて、体から一気に空気が出てしまいます。

圧力がちょうど良い息は、唇の穴がちょうど良いから(出す息の量にあわせて大きくなったり小さくなったりします。)、体から一気に空気が流れ出ません。
一定の速度で出続けます。このときおなかが先にすーーーっとへこんで行きます。

 

人によっては、スピードと言い換えてもいいかもしれません。
良い音色で乙音を出すスピードに達していない場合もあります。
乙音をならせるギリギリのスピードを探ってみてください。

このあたりは、音を出すときのイメージなので、ご自分にとってしっくりくるものにおいてみてください。

 

あとは、楽器を当てずに、体がしぼまない息の出し方をまずは体験してみるのもいいかもしれません。

ほっぺたを膨らませて、口をとがらせて「ぷーーーっ」と息を出してみるのもいいですね。
(動画で説明した方がわかりやすいかな?後日に)

 

甲音だから強く吹くとかしっかり吹く、唇をしめる、おなかに力を入れる、とかとかではなく、そもそも甲音も乙音も同じ息でしっかり吹く、ということです。
基準となる息をレベルアップしましょう。

 

2,息の向き

息の向きが極端に楽器の中に入り込んでいる場合は、ひっくり返る現象が起りにくいです。

以前のブログでも触れているので、こちらをご覧ください。

四孔開けしてるのに甲のロにならない場合、それは尺八にとって不自然な吹き方かも知れない。

僕の場合は、極端に息の圧力を下げて、中、中、中、と意識しないと、上記の記事の現象は起きないのです。
息の圧力が上がると、解決できる問題かもしれません。
わずかでもあがれば変化がでてきますので、音色の変化(芯がある、芯がない、薄い、濃いなど)も聴きながら、根気強く試してください。

それと、ちょっとしたイメージのズレの修正です。

 

外に息が多く出る、中に息が多く入るというので、勘違いしないでいただきたいことがあります、

それは、メリ吹き、カリ吹き、という動作で何かをしようとすることです。

メリ吹き、カリ吹き、目に見えて動作として現れるものではありません。
動作として現れる手前にあるものです。

「意識するだけ」で現れるものだと思ってください。

何かを動かして、何かをどうして、というより、意識することにより、自分では細かく説明できないけど、起る、動く、ことを頼りにします。

非常に曖昧で、申し訳ありません。
ただ、人が体を動かすというときに、どこまで具体的に筋肉指示をだしているかをかんがえると、頭で思っただけで、歩いたり走ったりをこまかな微調整をしながら実行しています。
それと同じです。

鏡をよく見ながら、外見をマネする、出したい音のイメージを頭に思い描いて出す。

丁寧に行うことで、実現できるでしょう。

 

ではごきげんよう。

 

【おしらせ】2月24日(日)新潟市中央区 燕喜館で「第2回、箏にワクワク、尺八にドキドキ、無料楽器体験会」を開催します。
 https://office-isana.jp/info/20190224wakudoki-2/

【おしらせ】3月からあのバンドの尺八奏者さんの著書をテキストにした短期間の尺八講座を開講します。(ただし新潟市で講師は僕です)


ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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