全く違う動作なのに「吹く」という同じ言葉で表すから起こる不都合。

50メートル先に移動する。

というときに、

2つの違う動作を選択すると思います。

 

それは、

 

走る

 

 

 

歩く

 

 

どちらかでしょう。

スキップだなんだと例外を示すのはやめましょう。

 

 

走る、歩く、という動作は似ていますが、全く違う動作だと認識しているはずです。

 

走ろう!といって、歩く人はいませんし。

 

走りたい!と思って、歩いていたら、歩くんじゃなくて走るんだ、と動作を切り替えます。

走っていたいのに、ふと歩き出したら、自分の動作の変化に気がつきます。

 

違う動作だから当然きがつきますよね。

 

 

はい。

 

尺八を吹く。

 

についてお話するこのブログですから、もちろん、陸上競技の話をしているわけではありません。

 

尺八を吹く、ことの肝である「吹く」において、2つの動作がある。ということを僕はお話しております。

 

ですが、その二つの動作をもう自然にできるのに、違いにわからない。

気がつかない。

そもそも、二つある動作をもうできている、ことに気がついていない。

 

ここ数回のブログ記事もそういった話をしているので、もし興味が湧いたら読んでみてください。

「ぱんぱんモード」になる日常動作、「しおしおモード」になる日常動作、どっちでもできちゃう日常動作

「吹く」という動作が2種類あって、どちらの体の動きを採用しているか。

この理解がとっても重要なのです。

 

尺八の上達が早くなるし、技術を身に着けることにも大いに役立ちます。

苦しい、しんどい、という時間で無駄に浪費することはなくなります。

 

この話を、

そうなんだ!ちょっと試してみよう!

と思うか、

そんなわけない!

と思うかで、未来が変わります。

 

 

理解しづらいのも分かります。

吹くで起こる2つの動作が、歩く、と、走る、のように、明確に言葉が変わっていないからです。

 

吹く、という一つの言葉で、体の中の変化が全く違う2つの動作をまとめて表してしまっています。

このことはとても大きな問題を引き起こします。

 

 

ここから、すこしわかりやすくするために「吹く」の2種類の動作を「歩く」「走る」に置き換えます。

・尺八を効率よく吹いている状態の「吹く」を「走る吹き方」

・効率の悪い吹き方、つらい、しんどい「吹く」を「歩く吹き方」

と表現します。

 

つまり、走っている状態の方が理想的でそうやって吹いたほうが、楽で、自由で、効率よく演奏できる、ということです。

 

※歩く方が楽だ、とか、走る方がつかれる、長く持続する、とか、論点がずれてしまっている思考はしないようにしてください。

 

徐々に上手くなるを期待してはいけない

このブログでも話題に挙げたことがある、管楽器上級者と初心者の声帯の様子の違いの話があります。

吹奏に影響を与える「声帯」の話をどのように理解したらいいか。

調べた結果だけを書くと、

・管楽器上級者は、声帯が閉じる傾向が強く、閉じた声帯の狭い隙間から、息が流れている。

・初心者は、声帯が開いたままで、息が流れている。

といことになります。

 

これを読んで、どんな印象をもつでしょうか?

 

「練習していくと、開いた声帯が閉じる傾向になっていくんだな。」

 

という感想を持ちませんか?

 

どんな、感想を持つのも自由です。

 

しかし、これは、無駄な時間を過ごす第一歩です。

上達しない方向に向かっていくきっかけになってしまいます。

 

これは、あくまでも結果なんです。

管楽器上級者は、声帯が閉じていくことを目指して、練習したわけではありません。

そんなこと知らずに、結果的にそうなっているだけなんですね。

 

長年管楽器を吹いていても、声帯が閉じる傾向が現れず、開き気味で演奏している人もいると思います。
一方で、初心者でも、いきなり声帯が閉じる傾向で、演奏している人もいると思います。

 

さて、ここで改めて、どんな感想を持つといいか、、、

 

「なるほど、違う動作をしている可能性があるぞ。」

 

ということです。

 

このように考えれば、長くやってるのに声帯が開いたまま吹く人のことも、初心者でいきなり声帯が閉じる傾向で吹ける人のことも説明できます。

 

歩いているままだったら、ずっと歩いているままなんです。

歩いていたら、いつか、走れるわけではないですよね。

 

でも、走れば、すぐ走れます。

 

がんばって、歩いても走れない。

がんばって早く歩いて、走っている人に追いついても、歩いている以上は、走っている人とは違うことをしている。

 

どんなに遅く走っても、歩くのではなく、走っていますよね。

遅く走っているんです。

 

 

尺八の音が、どんな状態で鳴っているか。

 

すぐにいい音で鳴らせる人、

すぐにいい音で鳴らせなかった人、

 

そこには、センスとか才能とかそういうものがあるわけではけっしてありません。

 

動作が違っただけです。

 

だから、できなくてもあなたの才能、センスがないわけではありません。

 

知らなかっただけです。

もう一方の違う動作をすればいいのです。

 

 

走る吹き方になる動作は、

 

1本のろうそくの火を消す。

4本のろうそくの火を連続で消す。

4本のろうそくの火を一息で消す。

 

この息です。
この時の体の動きです。

ほとんどの場合、一種類の動作になるでしょう。

そのまま、尺八を吹きましょう。

 

走る吹き方は、この動作が一番直結しやすいのでわかりやすいです。

 

 

じゃあ、歩く吹き方は、日常動作だとどんな動作に置き換えられるか。

これがなかなか難しい。

歩く吹き方だけに限定されるものがなかなか思いつかないんです。
両方で出来ちゃうものが多いんですね。

 

あえて言うなら、

ろうそくの火を消す息で、スプーンですくった熱々のスープを冷まそうとはしませんよね。
飛び散っちゃうので。

飛び散らないように、スプーンですくった熱々のスープを冷まそうとしたときの息、かもしれません。

 

そして、あえて言うならば、

 

尺八の音を出すのがしんどい、つらい、息がすぐなくなる、

肺活量が必要だ、腹式呼吸が必要だ、と考えてしまっている、

あなたの尺八を吹く動作、そのものかもしれません。

 

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

 

※今日のごはん写真

「早く歩ける吹き方」ができると「走る吹き方」で吹けているような気がします。

でも、このように書いていたら、違うことだなってわかりますよね。

早く歩いている状態を決して走っている、とは言いません。
本人だって違うことも自覚できます。

今自分が「早く歩く吹き方」になっているのか。
「早く歩く吹き方」で頑張っていないか、冷静に考えてみてください。

「歩く吹き方」ではなく「走る吹き方」に変えましょう。

歩く吹き方が。走る吹き方に変化するきっかけは、肺活量、腹式呼吸とかそんなんじゃないです。

そんなこと考えなくても、動作を変えることはできます。

ろうそくの火を消してください。
本当に消えますか、ちゃんときえますが、一瞬で、ふっと、効率よく、消えますか?
短い息でいいんです。

 

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