果たして学校教育に和楽器が盛り込まれていることはプラスなのか。

まあ結論を先に言えば、

「なにと出会うか、そこで何を経験するか」

で、全然違うってことです。

 

今日の話は、演奏技術、ということではなくて、演奏活動に関する話になります。

少し前にブログで話題にした「すでにある認知」とどうかかわっていくか。
といった話題になります。

そのブログ記事読んでいない方は、お時間あるときによんでいただけるとより理解が深まると思います。

知ってもらえば、聴いてもらえば、魅力が伝わる、という思考回路は、認知とは一体何かを理解していない。

すでにある認知、つまり結果です。

「その結果に対して、どんなアクションを起こすと、自分の望むものが効果的に伝わるか。」

を考えてみましょう。っていう話になります。

 

すでにあるものに対してどうすると効果的かを考える

学校教育で必修になったから、「やった!すごい!幸せな未来!」って手放しに思うのはちょっと違っていて。

そして、「それは違う!本物じゃない!」と騒ぎ立てるのも違うんですね。

 

学校教育で必修になったことによって、何が起こるか、どんなことが生まれるか、を想像する。

そして、自分はどうするか。を考えることが重要です。

 

すでに何かが起こっていて、ある方向性があって、ある認知がある、という状態は実は自分の打ち手を考えやすくなりもします。

 

 

僕は学校教育の中でどんな風に和楽器が扱われているか全くわかりません。

 

なので、

教科書などを見せてもらう機会がありますのでそこから想像をしたり、実際に話を聞く。

また、SNSなどでは、リアルな若者たち(中学生、高校生の声)も少ない例ではありますが、抱いている印象や感想などを聴くことができます。

 

とあるSNSで、薫風之音の演奏にこんなコメントをいただきました。

「箏は和の曲しかできなくて、ダサいって思っていました。でも印象が変わりました。とってもきれいな音ですごく気に入ってしまいました!」

「尺八ってカスカスのかすれた音しか出ないっておもっていたけど、厚みがあるきれいな音で感動しました!」

(表現は少し変えてあります。)

 

ね、「〇〇だと思っていたけど。。。。」って。
もう、〇〇だと思う経験をしてしまっているんです。

〇〇だと認知しているんです。

 

 

 

 

これらのコメントには、1000近くの「いいね!」がついていました。
かなり、多くの人が思っている、リアルなコメントだと思います。

 

どこで、そんな風に思ったか。を考えたくなるわけです。

 

やっぱり、学校教育の中にある、和楽器の授業だったりするのかな、と思うわけです。

 

もちろん、すべてがそれが原因だとは言いません。

ただ、教科書に書かれていることなどをよんだりすると、なんか想像がつくんですね。

 

和楽器をある一つの価値観により決められたものにしたい。

ある一つの価値観で和楽器を学ばせたい。

 

という狙いが。

 

それらは、学校教育に和楽器が取り入れられたときに、和楽器とはこうあるべき、と決めた人たちが望むものなんですよね。

まあ、でもそういうのって、学問的、芸術的、伝統、文化に偏りすぎていて、僕が見たい世界とはちょっと違うんですよ。

残す取り組み、ある一つの状態を素晴らしいと保存する取り組みです。

 

僕は、時代の変化に合わせて変化すること、現代に共鳴する音楽を奏でて、生活とともにある、日常にともにある世界を見たいと思っているんです。

 

ここで、僕が騒いだり、否定したり、わめいたりする必要なんてないんです。

それはそれですから。

だから、もちろん、学校教育の中で、教科書に載ることが、マイナスだとは言いません。

そんな機会がないものだってあるわけですから、とってもありがたいことです。

 

そこで、どんなものが生まれ、どんな印象を形成するか、を考えてようやく意味が出てくるわけです。

 

学校でやったことはだいたい嫌いになる説

この説、タイトルだけで、なるほど、っておもいませんか?

 

学校って、特別な場所じゃないですか。

 

そこで起きたことが、とっても大切なことにもなるし、とっても嫌いなものにもなる可能性を秘めているわけです。

 

冒頭に書いた「なにと出会うか、そこで何を経験するか」で、全然違うってことにつながります。

 

国語の授業で、めっちゃいい話が教材として取り上げられていても、それにより、文学が好きになる子もいれば、嫌いになる子もいる。

社会で歴史を学んで、興味を持つ子がいれば、嫌いになる子だっている。

音楽の授業で、リコーダーと鍵盤ハーモニカを経験するからといって、みんなその楽器が好きになるわけじゃない。
もしかすると、ガッコの授業で使うダサい楽器っておもっちゃうかもしれません。

カッコいい演奏をするプロがいるのに。

数学だって、そうだと思うし、給食ですらそうかもしれない。

食べるのが嫌いになる。

 

そんなあらゆる可能性を言っていれば、きりがありませんが、学校教育に取り入れられたからこそ、考えるべき影響があるわけです。

 

大人の考える、いいものを与えれば、すべてにいい効果があるわけではないのです。

 

 

一方で、国語は嫌いかもしれないけれども、大好きな漫画のノベライズを読むのは好き!!

好きなタレントが小説を書いたから小説を読んでみたら本を読むのが好きになった!

ハリーポッターを映画で見たら、次が気になって、本で先の話を読むようになった。

 

歴史は嫌いだったけど、戦国無双というゲームをやったら、戦国武将にめっちゃ興味がでた!

刀剣乱舞というゲームから、歴史に興味が出た!

マンガ、ゲーム、といった出会いから、学校では嫌いだったものが、それ以上に興味知識をもって好きになった。

 

ということだってあるはずです。

 

学校で望まれること、ってのはある程度の性質があると思います。

和楽器が音楽の授業で取り上げられたから、ということだけでハッピー、後生安泰だと思っている人はいないと思います。

もし、業界関係者でそう思って期待しすぎている人がいたら、思いとどまってください。

 

委ねすぎです。

○○に任せたから安心、っていう態度は、放棄ですからね。

 

それによって、打ち手が変わるんです。

何をするとよいのかが見えてきます。

 

次に考えることは、演奏家、実演家は、なにを提供するのか。ということになります。

 

 

実演奏家による学校公演やアウトリーチでなにを狙うか。

僕たちが考えていることを書きます。

 

興味を持ってくれた子がもっと興味を膨らまし、興味ないと思ってしまった子にも別の角度から興味を生む。

あらゆる角度、接点で、ひっかかりを作るように考えています。

 

よくないのは、学校の授業と同じになってしまうことです。

すでに持っている印象による、予想通りとなってしまうことです。

 

学校の授業で行われるような和楽器教育の印象を、さらに強める内容をするのか。

それとは全く違う印象をあたえるような内容ができるのか。

 

伝え方がとても大事だということを実感しております。

そういったことを学ぶ機会が薫風之音のにはあったというのはとっても貴重な経験でした。
(りゅーとぴあアウトリーチ事業1期生としての2年間です。)

 

もうすでに、和楽器に興味を持っていてくれるなら、それはプラスです。

和楽器なんか、きらい、ダサいとか思っているマイナスも、プラスになると思います。

 

マイナスの印象をマイナスの印象のままで終わらせるってのは最悪の状況でしょう。

マイナスをプラスに変える。

 

それができるのが、演奏家であり、アーティストだと思います。

 

 

ではごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

偉そうに書いているので、すべての現場で上手く言っているように見えますが、そうでもありません。
苦戦するときもあります。

学校の授業、という時間も実はとっても重要な要素です。
ある種、制限がかかった状態なんです。

そのマイナスの制限があるから、楽しい、おもしろい、という感情に働きやすくなります。

そういった枠、制限がない状況、つまり自由な場面、では、もっと楽しい、おもしろい、ことが存在するので、伝えたいことは伝わりにくいです。

どんな場面で、より効果がでるかと考えての環境づくりも大事です。

制限、マイナスがあったほうがいい、とはいえ、
生徒さんが声を出して笑うたびに「シッ!!」
リアクションをして声を出したら「静かに!退場させるぞ!」
眠ってしまったら「起きろ!」
と注意ばかりする先生にはご退場いただいて、職員室に帰ってほしかったです。。。。

 

 

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