「リコ八」のプロジェクトそのものが面白すぎる。やりようによっては、日本中を尺八で征服できるかもしれない。。。。

「リコ八」という尺八の歌口補助のシステムのお話をしています。
リコ八の開発は、香港教育大学で音楽教育や民族音楽を専門にされている松信浩二先生です。

興味がわいたら、お時間のあるときにぜひ最初の記事から読んでみてください。

「リコ八(リコハチ)」これはかなり面白い尺八ですよ。

簡単に尺八の音がでる補助のウィンドウェイ、メリカリが可能なアダプターといったところがわかりやすい特徴です。

そこから、実際にウィンドウェイなしで、普通に尺八を吹くときにも必要な感覚を考えたり得られるものもあります。

 

それ以外にも僕は、この「リコ八」のプロジェクトそのものがめちゃくちゃおもしろいなと思ったわけです。

もしかすると、考える人はいると思うんです。

でも、それを実行して、プロトタイプをシェアして、という行動にまで発展させる人は限られています。

 

メリカリを可能にしたウィンドウェイ、補助器具、を中心にいろいろと面白い展開をしています。

いろいろな可能性があって「リコ八」という1つの製品、というより、プロジェクト的な全体をおもしろいとおもいました。

 

「リコ八」というプロジェクトがおもしろい

簡単に音が出せて、メリ・カリができるようなアダプターであること。

そして、それらを塩ビ管に取り付けたり、悠に取り付けたり、リコーダーなどに取り付けることができるようになっています。

もちろん1つの「リコ八」がすべてに対応しているのではありません。

「リコ八」という概念を、塩ビ管、悠、リコーダーに持込むわけです。

しかも「リコ八」のウィンドウェイは取り外せる設計になっています。
(一体型もあります。)

 

ということは、あらゆるモノが尺八になってしまうんですよ。

 

ここでキーになるのは3Dプリンターの存在です。
さまざまなアイディアを形にする、3Dプリンター、すごく可能性を感じます。

これからの時代、設計するスキル、デザインスキル、こういったものの必要性を感じますね。

少し個別に紹介していきます。

 

日本全国にあるリコーダーやアルトリコーダーを尺八にしてしまう。

見てしまえば早いので、

 

はい、こういうことです。

小学生が使っているリコーダーが、中学生がつかっているアルトリコーダーが、尺八になります。
リコーダーを尺八にハックしてしまうという!!!

尺八の歌口の感覚でリコーダーが吹けるわけです。
もちろん、ウィンドウェイを外せば、尺八の吹き方で音をだすことになります。
(※写真のソプラノリコーダー用のものは、ウィンドウェイ一体型です。)

この写真を見て、ピンと来た方もいるんじゃないでしょうか?

当然、こんなことも出来ます。

アルトリコーダーの吹き口を尺八につなげる、ということも出来ます。

これで、尺八の指使い、音階で簡単に演奏ができます。

 

もうすでに流通しているものをハックするというこの考えがすごいです。

 

面白いです。

どちらかが、慣れているモノ、使っているモノ、という接点の持ち方はすごくいいと思います。

 

水道管を尺八にする

尺八をもっと手軽にと言うことで、水道管で尺八を作ることは良くやられています。

そこで難しくなるのは、やはり歌口。
音が出る重要なポイントなので、ここの設計や製作はなかなか難しいです。

それを一気に簡単にしてくれるのが、歌口アダプタです。

水道管に適切な位置に指穴をつくるだけで一気に尺八になります。

しかも、いろいろと取り替えられるようになっています。

黒は普通の尺八タイプですね。

白はリコ八モデルですね。

黄色は開口部分が狭くなっています。

そして僕が面白いと思ったのは、青色です。

これで、下唇の位置がめちゃくちゃわかりやすくなるように、舌面が延長して飛び出ているんです。
あご当たりに依存しない当て方を実感するには、これがすごく面白いです。

 

悠や持っている尺八をリコ八にする

青いモノが悠専用です。

白いモノはウィンドウェイの位置を変化させることが出来ます。

これを楽器に嵌める訳です。

 

白いモノ方は、尺八に合わせて位置を調整します。

すると、音がでる場所が一点できまります。
しかし、やはり音域が限定されますね。

すべての音域が綺麗になるかというとそうではないですね。
「リコ八」を吹く技術を持って吹き方を変えれば、コントロール出来るようになります。

このことで、やはりわかるのは、唇が柔軟に変化することが尺八の音域の変化に大切なことです。

また、単純な息のスピードだけでは、音質をキープしながらすべての音を鳴らすことが出来ないこともわかります。

普通に尺八を吹いている方も、息のスピードだけにこだわる変化に頼らないことが大事です。
息の量、微妙な向きの変化、その音が鳴りやすい状態、というのを敏感に感じ取る必要があるなと思います。

 

おもしろいです。たのしみです。

そんなところでリコ八とっても面白いです。

限定しすぎていない部分がめちゃ面白いんです。

固定されたウィンドウェイという、1つへ固定して限定する部分が強いのですが、それにより学べることがあります。
その固定によって、あらゆるモノに展開して、広げていることが面白いです。

欠点だって当然ありますし、改善点だってもっとあるでしょう。

その欠点や、改善点というのは、結局、尺八を吹くにはどういった要素が重要なのか、ということが洗い出されるようなモノでもあります。

リコーダに付け替えたときに、リコーダーのウィンドウェイの安定性に驚きます。
リコーダーに付け替えるなら、それにもっと適した内径にする必要があると思います。

水道管に付けるアダプターを例えば、自分で出力するとして、その精度、精密さをどうすれば音が出やすいかも学べます。

尺八につけるタイプのリコ八は、高さの変化だけでなく、舌面の角度に合わせて角度も変えれるようになったらもっといいのではないかとも思います。

 

いろいろなことが考えられます。

ワクワクします。

楽しいです。

 

時代や環境が変わって、なくなっていく、滅んでいく、ばかりではありません。

かつては出来なかったことが、難しかったことが解決していくこともあります。

 

昔はよかった。

 

となげくのではなく、これから作られていくモノに、これから出来ることにワクワクしましょうよ。

今までとは違う、時代に合った、今だからこそうまれた「尺八との関係性」が構築できるんじゃないかって。

 

では、ごきげんよう。

 

※今日のごはん写真

あ、別に伝統、歴史、古典を否定している訳じゃないです。
いちおう、これを書いておかないと勘違いする人もいるので書きますが。

目的は何かということを見誤らないようにしたいということです。

手段を間違えれば、目的は達成できません。

伝統、歴史、古典を目的とするのか、手段とするのか。

それが手段として成立していた時代もあります。
でもそのときって、目的ってなんだったんでしょう。

手段が目的を兼ねてしまうと、うまくいかないことって、他にもいろいろあると思うんですよね。

伝統、歴史、文化、古典を守る、ためにはどんな手段をとったらいいでしょうか。

その時代にあった手段で目的を達成すればいいんじゃないでしょうか?

 

伝統を守るために、伝統に固執した瞬間に、終わりが始まると僕は思っています。

 

自分がいいと思った音色をわかりやすく伝えるために音楽が合った。

自分が伝えたいとおもった感情や祈りを音楽に託した。

 

楽器のことは一度わすれてください。
伝統のことも、文化のこともわすれてください。

自分の好きなものを伝えるためにみなさんはどんなことをしますか?

 

 

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