何か目的があったら、手段にこだわりすぎずに、目的のためにやった方が良いよね。
というお話を前回しておりました。
そんなことで、今日はそれを尺八に置き換えてみましょうという話をします。
何を目的として、何を継続するのか。
ここですね。
継続すること、理想は毎日、尺八を吹くことですよね。
でも、それもなかなか難しいことでもあります。
さてさて、2021年の春からとあるカルチャースクールでも尺八の講師をさせてもらっています。
月に2回、1時間の講座です。
受講生のみなさんは、家では音が出せないから、ということで、自宅ではほとんど練習しません。
なので、月に2回の講座日だけしか尺八を吹かない感じです。
それだけで、上手くなるのか、というと、そこが講師の腕の見せ所なのですが、僕自身もとてもやりがいのある現場となっております。
今日の講座で感じたことを、良い感じに忘れたタイミングで、次の講座日になるので、進捗は一進一退であります。
強烈な実感、体感、できた!という成功の快感も、実は翌日には40%は忘れ始めます。
一週間も経てば、ほとんどわすれてしまい、80%も忘れています。
2週間に1回講座のときしか尺八を吹かない、という状況は実は、記憶や経験、体感したことが定着しにくいペースなのです。
なので、僕にとってもとてもやりがいのあるというかなんというか、面白い現場です。
講座の内容と忘却曲線との戦いでもあるわけです。
こういった環境でも結果を出すには、どんな方法があるかを考えることができます。
わかりやすい、実感しやすい、伝え方を今まで以上に考えています。
おそらく、自宅でも音を出す練習ができれば、もっと早く上達するとは思いますが、住宅環境の問題で音をだすことができない。思い切って吹けない。
とはいえ、小さな音で吹けば気にならないものですよ、だから練習してください、なんていうことも、NGだと思うんですよね。
そういった環境でも、もっと良い形で前に進んでいけないかしらと、僕は常に試行錯誤しているわけです。
伝え方、取り組み方、音を出さない練習などを考える楽しみもあります。
言ってしまえばなにかが習慣化すればよいのです。
さてさて、
そんな状況の中、1年半ほどたったここ2ヶ月くらい、ぐぐぐっと伸びてきているわけです。
理由はなんだと思いますか?
僕は、尺八のことを考える時間が増えたからだと思うのです。
家での練習はできない、というのは変わらないと思います。
講座のときしか吹かない、というのも変わらないと思います。
尺八のことを考える時間が増えたのは、発表会が設定されたことが理由です。
○月○日に発表会がある。
と考えるだけで、尺八のことを考えているんですね。
もうそれだけで、練習になっている。
尺八を吹かなくとも。
記憶、動作の定着に物凄く役に立っているわけです。
これまで、なんとなくバラバラだった月に2回の講座でのレッスンが、極わずかな思考の変化により、連結するようになったのです。
こんなことでも、成果につながるのです。
発表会を心配する生徒さんとこんな話をしたんですよね。
生徒さん「一年半やってもあまり上手くならないですね。難しいです。」
僕「いやいや、一年半ではなくて、月2回の講座の時間しか尺八吹いていないのですから、30時間しか尺八吹いていないですよ。そんな風に考えたら、わずかそんな時間でとても順調にできることが身についていますよ。」
生徒さん「あ、そうか。。。」
経験年数というもの、経験時間というモノは勘違いしやすいです。
実際にそれに触れている時間、考えている時間しか、影響はないのです。
忘れていきそうなモノをいかにしてつなぎ止めるかなんです。
べつに、実際に尺八を手に取って吹こうとしなくても良いのです。
○月○日に発表会があるな、、と思うこと。
録音を聴くだけ、演奏を聴くだけ、それでも、細切れの時間をつなぎ止めてくれます。
音が出せなくてもいいんです。
昨日、先生はどんな話をしていたか、思い出すだけで良いんです。
メモをとったのなら、メモを読み返すだけでもいいのです。
もちろん、その上で、レッスン内容を振り返りながら、個人練習をするのが一番です。
そうなることで、経験年数、経験時間、というものが増えて行きます。
でも、その程度でもなかなかできない、って方は多いと思います。
だからこそ、「一日経ったら40%忘れる」という事実を受け入れてください。
それが人だと、人間だと。
でも、少しでも繰り返すことによって、忘却率は軽減されていきます。
ただ、点を並べていくのか、
前はどこに点を打ったのかわからなくないまま、次の点をただ打つ。
点の位置を明確にして、次の点とつなげて連続性を持たせるのか。
今日の点の位置を明確にして、過去の点とつなげるこはとても大事なのです。
これは、また次回に詳しく話題にします。
このブログを読んでいらっしゃる方は、尺八歴は何年ですか?
いろいろな年数があるかと思いますが、さて、その年数ってどんな風に感じています?
例えば、同じ尺八歴5年だという方でも違いがあると思いますよね。
月に2回しか尺八を吹かなくても、5年継続していたら、尺八歴5年です。
これはウソではないです。
毎日毎日尺八を吹いて5年継続している人も、尺八歴5年です。
これもおなじ5年です。
さて、どちらが、上手に尺八を吹けると思いますか??
今日の話題で考えて見たら、何年やっていたか、なんて、ほとんど当てにならないです。
どんな時間を過ごしたか、どんな質のレッスンを受けたか、経験、知識、実感をつなぎ止めることをしたか。
継続できる状態を作れたか。
これがとても大事です。
なので、僕にはどちらが上手かは、聴いてみないとわかりません。
では、ごきげんよう。
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