水曜日のダウンタウン。
めちゃくちゃ好きな番組です。
そのなかで、罰ゲームとして「尺八で殴る」ってのがありました。
その前に、タレントさんが、「尺八って何?」「ワードが強すぎる!」とか言っていたこと。
尺八のことを知らないことにさみしさを覚え、もしくは、下ネタとして捉えて知らないふりをした女性タレント、男性芸人さんにとっては、下ネタが当たり前になっていることも遺憾でして。
Twitterにも一瞬話題になりました。
「何?」っていう声もありましたし、
「平成も終わろうとしているのに下ネタしか連想できないのやめない?」っていう、声もありました。
なかでも、
「楽器なんだから、楽器で人を殴るのはダメでしょ!」という、尺八をちゃんと楽器として見てくださっている声も多かったです。
大切にしている人がいるものを、頭を叩く道具につかう、下ネタとしてちゃかす、ってのは、やっぱり嫌ですね。。。。。
関係のない自分にとってはネタになることも、一方では大切にしている人がいるということに心が動かなかったのかな、配慮できなかったのかなと、歯止めがきかなかったのかなと。
あの感じからすると尺八へのリスペクトもなにもない。
ただ、ネタとして使われただけ。
そうおもうと、やっぱり嫌だな。
テレビに映ったから、尺八!って知った方もいるけど、音出てないもんなぁ。
せめて助六か虚無僧に殴らせれば。。。
で、今回の番組の中での「尺八で殴る」ということに関してですが、「僕は嫌だな」って思いました。
ですが、
けしからーん、抗議だ抗議!!!
放送をやめろ!!!
なんて言う感じでもないのです。
そういう使い方をしていた時代もあったからなんです。
じゃ、何が嫌かというと。
「うーん、中継ぎのあるやつで殴るのはやめてほしいな」
理由は、使っている尺八が殴るのに向いていない楽器としての尺八だったからです。
え?
殴るのに向いている尺八があるん?
って話になります。
まあ、諸説あるのですが、虚無僧は武器として尺八を携えていた。
それを、浪人、町人や、歌舞伎者が、けんかの道具として使うようになった。
http://dev-enmokudb.co-site.jp/phraseology/3413
歌舞伎の助六も尺八を背中に差しています。
唯一、武器になる楽器として、紹介している海外の辞書があるらしいですし。
江戸時代の尺八は、一本の竹を尺八にしていました。
これを今では延べ管といいます。
現代の尺八は江戸時代の尺八とも違って、製作上の都合や楽器としての機能を上げるために、上下で分割できるようになっており、「中継ぎ」という部分があります。
一本の竹は丈夫ですので、武器として使うのは、想像できます。
BS時代劇で放送していた「鳴門秘帖」なんかの、尺八をつかった殺陣のシーンなんてめっちゃテンション上がります。
https://www.nhk.or.jp/jidaigeki/naruto/
トップの写真の尺八は延べ管です。
こういうのは大好きです。
わかってるらっしゃる!って思うから。
中継ぎという構造は、尺八の丈夫さを失わせています。
中継ぎのある尺八はやはり楽器としての要素が強いと僕は感じるのです。
もちろん、延べ管も楽器ですから、殴ったり振り回したりをいやに感じる方もいると思います。
僕はそういう使い方もあった時代のもの、なら、まあしょうがないいんじゃないかと思う次第です。
昔のフジテレビの24時間テレビで、ビートたけしさんが、明石家さんまさんの車をボコボコにするシーンが衝撃的でしたら、あのときのたけしさんの格好は助六です。
助六の背中には尺八が差してあります。
その尺八を振り回して、高級車をボコボコにするのです。
助六のもっている尺八は延べ管です。
なので、あれもあり、なのかと。
っけどまあ、尺八が壊れてしまったら悲しいなぁ。
まあ、これは僕がものに固執する正確だから、個人的に、尺八に限らず、ものが壊れたら悲しいという感情かもしれません。
尺八なんて、マイナーな楽器のことなんか知らんよ。
面白ければいいんだ。って声も聞こえてきそうですが、ちょっと立場を変えてみましょう。
そのシーンでは、ゴルフクラブで、車を叩くシーンもありました。
ゴルフが好きな人は、クラブをそんな風に使われたら、どんな気持ちだったのかなと。
映画やドラマで、野球の好きな人にとって、バットを凶器として使うシーンは、どんな気持ちなのかと。
本来とは違う使い方で壊れてしまうこと。
僕は、ちょっと辛いけど、必要なら仕方ない。という考え方がいいのかなって。
正義正義、健全健全だけでは、息苦しいですから。
僕の好きなゲーム、龍が如く5で、とあるキャラが「バットは人を殴るものじゃない。」といってバットを決して凶器として使いません。
(龍が如くってのは、説明しにくいですが、そのバットでバンバン殴るキャラもいます。ゴルフクラブでも殴ります。)
そういった、本来の使い方を大事にするという心の機微もあわせて表現して、バランスをとっていただけるといいのかなと。
尺八の本来の使い方、を知ってもらうこと、演奏を聴いてもらうこと、音楽をきいてもらうこと。
その上で、ある時代の尺八は武器だった、けんかの道具だった、という知識が楽しめるんじゃないかと。
だから僕は、自分のできること、楽器として尺八を知ってもらう。
聴いてもらう。
いいかも、と思ってもらう。
自分のやれることで、頑張っていかねばなと思いました。
そして、いまただ一ついえることは、現代の中継ぎのある尺八では絶対にマネをしてはいけません!ということですね。
壊れますので。
今回の学びとしては、「人にとって大切なものにも、配慮のできる人間になろう」と思いました。
そこには尊敬や、好き、という気持ちがないといけないですよね。
僕もYoutubeでは和楽器で、いろいろな曲をカバーしています。
私にとって、とても大切な曲を、尺八なんかでカバーしないで!!
と、言われてしまったら、なんとも言えません。
決して馬鹿にしているわけでもなく、いい曲だ、好きな曲、だから自分の好きな楽器でカバーしています。
リスペクトしてます。
あれ?
尺八なんかでカバーしないで。。。
あ、ここにリスペクトがないんか。
ともあれ、丁寧に大切に、演奏します。
YouTubeぜひ見てください。
https://www.youtube.com/user/isanamusic
ではごきげんよう。
【おしらせ】2月24日(日)新潟市中央区 燕喜館で「第2回、箏にワクワク、尺八にドキドキ、無料楽器体験会」を開催します。
→ https://office-isana.jp/info/20190224wakudoki-2/
【おしらせ】3月からあのバンドの尺八奏者さんの著書をテキストにした短期間の尺八講座を開講します。(ただし新潟市で講師は僕です)
→ https://kujira.office-isana.jp/info/20190122/
ワンポイントアドバイス、文字では限度もあります。
もうちょっと詳しくって方は、ぜひレッスン受けに来てください。
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