20代の頃、僕の演奏をきいたお客様からこんな風に言われたことがあります。
「尺八って綺麗な音で吹くのは簡単なんですね。あの、かすれた音、息の混ざった音を出すのが難しいんですね。がんばってください。」って。
「まじか!おれ、下手だと思われてる!」
ってことがありました。
なんのフォローもできませんでした。
まあ、少ないケースではありますが、「尺八の音」のイメージは、様々に捉えられています。
僕の感覚で言う、上手な演奏、を、尺八では下手な演奏をしている、と思う人もいるということです。
その人がなぜ、そうおもったかについての推測は書きませんが、綺麗な音を出すのは、簡単で、上手い人ほどかすれた音になっていると。
僕は、いい音、とか、上手、下手は、楽器を関係なく絶対値として感じ取れるものだと僕は思っていました。
ですが、尺八だから、という理由で、音がかすれていても、音程がわるくても、リズムがとれてなくても、この状態が上手いんだな、って思えてしまうのは異常じゃないですかね。
尺八に取り組んでいる歴が長そうな方がそうなのだから、若いこいつが上手いわけがない。と先入観も加速させていたかもしれません。
尺八は綺麗な音が出ます。
かすれた音もでます。渋い音も出ます。いろんな音色がでます。
それは、その他いろいろな楽器でも同じです。
そして、上手い下手は、あなたの感覚に従って判断して良いです。
尺八だから、伝統だから、日本のものだから、何か違う感性で聴かなければいけない、何か違う基準があるという訳ではありません。
それは、昔の音楽、古典、尺八本曲、でも同じです。
独特の間、独特のズレ、そういったものにうまさが、伝統の芸が、熟練の技が、となんだかんだ言いますが、上手い演奏は圧倒的に説得力があります。
わからない、しらない、むずかしそうだから、上手い下手は判断できない、というものではないです。
聴けば、凄いことはわかります。
魂を揺さぶるし、貫きます。
伝統だなんだといいながら、そう感じないものもあると思います。
そう感じないものを、無理して、権威や知らないことへの威圧感で、凄いものと思う必要はないです。
本当にすごいものは、圧倒的な説得力で、あなたに訴えかけてきます。
いいものは、本当にいい。
でも、その上っ面を被っただけのものもたくさんありますのでご注意ください。
伝統を背負っている人の芸は、圧倒的に違います。
僕は、たくさんの人に、尺八や箏の音を聴いてもらいたい、届けたい、裾野を広げる役割を果たしたいと思っています。
入り口として、興味のきっかけとして、活動してゆくことを大切なテーマとしています。
エンタメ要素の強い僕たちの活動ですが、それでも魂を揺さぶりたいし、魂を貫きたい。
それができるポテンシャルをもった楽器だから。
僕は伝統を背負っている人とは、別のもの、別の責任を背負って演奏しています。
懸命に演奏するだけです。
ではごきげんよう。
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