芸能人格付けチェックというテレビの感想から定期的に一般の認識を知る。

格付けチェックというテレビ番組をご存知ですか?

一流の芸能人なら、一流のものがわかって当然です。
AとB、どっちが一流の品物でしょうか?

と、芸能人のみなさんが、知識や感性で一流の品物、高価な品物を選んでゆくという人気番組です。

 

僕もとても大好きなので、けっこう欠かさず見ています。

自分で、これだろ、あれだろと、予想しながら見るのは面白いですね。
通常は、高級食材や高級ワインなども項目にあってそれは見ているだけになってしまうのですが、先日放送されたものは、全て音楽にかんするもので、視聴者もすべて参加できるという内容でした。

で、この番組はわりと、和楽器も題材として扱ってくれます。

◯百万円の尺八と入門用の尺八とプラスチックの尺八を聞き比べろ!

プロの和楽器アンサンブルと大学生の和楽器アンサンブルを聞き比べろといった問題がこれまでみた記憶があります。

そして、今回は総額◯千万円の楽器の演奏と、入門用の楽器の演奏を聞き比べとろといった内容の問題でした。

 

こう言った人気番組で和楽器が取り上げられたときに僕が必ずすることは、ツイッターなどでの検索です。

ある程度の一般層の、和楽器に対する認識、尺八に対する認識を調査することができるからです。

 

 

で、そういった世間の認識に対してどういったアプローチをかけるとよいのか。
と考えるまでが1セットです。

 

さて、今回はどうだったか。

 

定番の「和楽器はわからない」はもちろん多いですね。

その次によくみたのは、「尺八はかすれた音が高級だから」という誤解なのかなんなのかへんな先入観。

「おじいちゃんがBみたいな音だったから、高級なのはB」

「私が聞いたことのある音がAみたいな音だったから、高級なのはB」

といったような、ご自身の経験のなかで聞いた音が、良い音かなんなのかわかっていないパターン。

自分がいいと思ったのの逆がいつも高級だから、という理由で自分の感性を信じないパターン。

「古くて価値のあるものはあつかいにくいからB」という高価という観点で楽器とはそもそも何かという点を無視しているパターン。

まあ、いろいろでした。

 

なかでもやっぱり、そうか、かなり変わった価値観でみられてるな。と思ったのは、

「かすれた音が出るのが上手。」

「スカスカとした音が出る尺八が高級。」

といった言葉でした。

もちろん、価値観や感じ方は人それぞれです。

合う合わないも人それぞれです。

 

音楽って美しいものを目指すのが基本で、そこに楽器の特性的な音色、味が隠し味のようにのるものじゃないかと僕は考えています。

 

なんで、尺八だけ楽器、音楽が目指す本質的な部分を否定する先入観や価値感がさも当たり前のように、当然のように存在してしまったのだろう。

一体どこでそんな価値観が形成されてしまったんだろうと思います。

いいものだと、無理やり聞かされたものが相当まずかったのか。
それとも、実際に聞いたことなく、イメージ先行でそうなっているのか。

 

ただ、和楽器を聞くときに、自分の聞きたい何か、を期待した耳できいていたら、それは好きとか、カッコいい、に繋がらないなと。
和楽器は「これ」だから、「ああ」だから、「あれ」だから、という耳で聴こうとする人の先入観や固定概念を崩していきたい。

 

僕の音を好きだと言ってくれる人もいれば、僕の音は違う、あれは違う、と言う人もいます。
その人にとっては違うかもしれないけど、不正解ではありません。
僕の音を、本来の尺八の音とは違う、本物の尺八の音ではない。と断定する人もいます。

でも、だれにも、僕の音を偽物だ、本物ではない、と否定し、断定することはできません。

それは、あなたの好みじゃないだけだから。

好みじゃないだけのものを、よくもまあ、そこまで言えるもんだと。
僕は、あなたの好みの音をクソみたいな音だ、聴く価値がない、と否定して断定しませんよ。

なので、僕の音が好き、だといってくれる方、大丈夫です。

どんどん、好き、いい、と言ってください。

あなたの好みは誰にも否定できません。

そして、何より僕のパワーになっていますので。
どんどん伝えてください。

だから、僕は、僕の思う、目指す、聴いて欲しい、尺八の音、音色、を発進し続けようとホント強く思った。

 

そして、少し話が変りますが、こういったものに、正解、不正解ってつけるのも少し苦手です。
もちろん番組は楽しんで見ています。ちょっと引っかかるというか、うん、頭が固くなってきましたね。

自分が好きなものを好き、といえないのは問題です。
きれいな音と思った方が、不正解?高い楽器じゃないから?

そうやって音楽に体する考え方ねじ曲がっていくんじゃないかなと。

好きと言ったものが、入門用の楽器だったり。
番組の中ではプラスチック楽器をアカン楽器(ドクロマーク)として扱っていて、その音色が好きだといったら、その人すらアカンかのような表現。

好きということが、怖くなりませんか?

 

最高級の楽器はもちろん、いいものです。

でも、入門用の楽器だって、バランスのとれた、良いものです。

もっといえば、プラスチックの楽器だってメーカーさんは良いものをつくる努力をしています。

 

少しでもやりたいと思う人が増える、始めてみたいと思う人が増えることを願っています。

 

音楽に正解、不正解をつける必要はない。

個人の好みでいいと思う。

あの番組は本当に面白いし楽しい。
楽しみ方をわかっている人にとっては。

自分が使っている楽器が、ダメな楽器のように扱われたり、アカン楽器といわれたときのその楽器を愛用する人、こどもの気持ちをしっかりとケアできないといけないなと思います。

 

テレビ番組でできる楽しみ方、そして、僕たち実演奏家が実際に目の前で提供できる音楽の楽しみ方、役割も役目も当然違うから、自分たちの役目をもっと頑張らねばと。

 

だって、ストラディバリとくらべられたバイオリンだって100万円ですよ。

100万円のバイオリン、ダメな楽器でしょうかね?

 

 

まあ、きっと専門家にしてみたらダメなんでしょうね。

それならば、尺八や箏って随分お手頃な楽器だと思います。

 

そして、伝統の楽器だから、古いものがいい、という訳ではありません。
そういうのが、たまらなく好きな人もいますが、それがすべてではありません。

良い材料を使っていても、年数がたてば劣化してゆきます。
ヴァイオリンのような古いものがいい、時間が経ったからこそ素材の状態がベスト、ということはないです。

 

僕は、

今の職人さんが作ったものが一番良い。

という価値感の人です。

 

 

ではごきげんよう。

 

※今日のごはん写真
先日ぱしふぃっくびいなすにゲストエンターティナーとして乗船したときのごはんです。
デザートですねぇ。最後の最後まで満足させてくれます。コーヒーを飲めばカロリーゼロです。

 

 

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